「ローカル路線バスの旅第24弾 山口・錦帯橋~京都・天橋立」の正解ルートを考える。中国山地横断のベストルートは?

テレビ東京系列の「ローカル路線バス乗り継ぎの旅」第24弾が放送されました。「ルイルイ」こと太川陽介と蛭子能収がローカル路線バスを乗り継ぐ、おなじみのテレビ番組です。今回のマドンナは熊切あさ美でした。

第24弾の目標は、山口県岩国市の錦帯橋から京都府宮津市の天橋立まで、路線バスを乗り継いで3泊4日で到達する、というものです。例によって、この正解ルートを検証してみましょう。

いつものことですが、以下はネタバレ100パーセントです。また、結果論100パーセントです。行ってない筆者が机上で語っているだけです。ご理解のうえ、お読みください。

※以下、掲載時刻は確認しましたが、今回もルート検証が複雑で、間違いや勘違いがあるかもしれません。その場合はご容赦、ご指摘ください。
※ご指摘を受け、広島早着ルートを加えて、更新しました(2016/09/26)

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実際に旅したルート

第24弾で実際に3人が旅したルートは以下のようになりました。時刻表上の定刻をわかる範囲で示しています。

▽1日目
錦帯橋09:00→09:20岩国駅10:00→10:22和木駅→徒歩1.9km→大竹駅11:20→11:45玖波駅13:03→13:27大野庁舎13:31→14:19広電阿品駅15:30→15:43阿品台北16:10→17:11広島バスセンター 17:48→19:31西条駅19:46→20:41竹原駅

▽2日目
竹原駅06:35→07:38三原駅08:03→08:26登山口08:40→08:55尾道駅 09:00→09:47福山駅11:35→12:30笠岡駅13:15→13:38乗時→徒歩4.0km→寄島総合支所 15:35→16:18新倉敷駅16:50→17:02倉敷芸術科学大学 17:30→18:00倉敷駅18:45→19:40岡山駅

▽3日目
岡山駅10:00→11:34津山バスセンター13:25→14:20馬桑→徒歩8.5km→那岐駅17:05→17:18智頭駅17:25→18:15鳥取駅19:30→20:30岩井温泉

▽4日目
岩井温泉09:43→10:12湯村温泉13:15→14:33八鹿駅14:50→15:15出石15:25→中藤16:01→徒歩5.0km→岩屋上18:27→18:59与謝の海病院19:32→19:40天橋立ケーブル下

ということで、無事ゴール。今回は成功です。

ローカルバス乗り継ぎの旅24弾
ローカル路線バス乗り継ぎの旅 第24弾・山口・錦帯橋~京都・天橋立
【出演者】太川陽介、蛭子能収、熊切あさ美
【ナレーター】キートン山田

県境の多いコース設定

今回の大きなテーマは、「中国山地越え」です。それゆえに、いかにラクに峠を越えられるかがルート取りのポイントになりますが、ルイルイもかなり頭を痛めたようです。

山口県から京都府まで、県境が多いのも今回の隠れたハードルでした。山陽道沿いに行けば山口、広島、岡山、兵庫、京都と5府県。実際は、これに加えて鳥取県も経由しましたので、6府県を跨いで旅をしたことになります。

これだけ県境が多いコースも珍しく、第11弾の高松~伊勢以来です。そのためか、合計19.4kmもの徒歩を挟む過酷な旅となりました。

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9時30分の和木行きに乗れていたら?

最初に、一行は岩国駅で、いきなり和木行きのバスを乗り逃します。仮にこれに乗れていたらどうなっていたのでしょうか。

▽1日目
岩国駅09:30→09:52和木駅→徒歩1.9km→大竹駅10:40→11:05玖波駅11:23→11:47大野庁舎12:25→12:56広電阿品駅13:04→13:17阿品台北

阿品台北には、実際ルートより2時間以上早く着きます。ただ、阿品台北から広島バスセンターのバスは16時10分発までないため、早く着いても、結局は実際ルートに収斂します。

また、一行は和木駅から大竹駅まで歩く途中、「ぐるりんバス」を乗り逃しますが、これに乗れていたとしても同じことです。

いずれにしろ、岩国~広島間は、この阿品台北から広島へのバスの時刻に拘束されてしまい、途中、多少のロスがあっても、同じルートなら広島に着く時間は同じになります。

広島駅まで同日着可能

ただし、同じルートでなければ、広島に早着することが可能です。これについては、記事掲載後、ご指摘をいただきました。以下の乗り継ぎです。

▽1日目
岩国駅09:30→09:52和木駅→徒歩1.9km→大竹駅10:40→11:05玖波駅11:23→11:47大野庁舎12:25→12:56広電阿品駅13:07→13:30四季が丘14:19→15:21広島バスセンター

9時30分の和木行きに乗れていて、広電阿品駅で四季が丘へ向かうルートを発見できていたら、広島に2時間近くも早着できたわけです。ただ、その先、竹原方面へ向かった場合は、当日中に行けるのは竹原までなので、実際ルートと同じになります。

いっぽう、三次方面に向かった場合は、同日で三次に到達できます。この違いは大きいのですが、後述します。

三次方面に向かっていたら?

実際ルートに戻りましょう。最初の大きなポイントは広島バスセンターでの選択です。ルイルイは三次方面か三原方面かで迷い、窓口で相談のうえ、三原方面に向かって竹原に泊まることを選択します。

このとき、三次方面に向かっていたらどうなっていたでしょうか。その場合、吉田(安芸高田市)に泊まることになります。

▽1日目
広島17:45→19:16吉田出張所(泊)

▽2日目
吉田出張所06:45→07:31三次駅前

三次に2日目の早朝に到着できます。

三次では、東に向かって中国山地を縦走するルートを取るか、北に向かって出雲方面へ抜けるルートを取るかの選択を迫られます。

庄原ルート

番組内で、ルイルイに「庄原」を一つの目標に定めていたような発言がありましたので、まずは庄原へ行くルートを検証してみましょう。

▽2日目
三次駅前07:38→08:15庄原08:38→09:06西城中野12:02→13:18三坂神社前→徒歩6km→新屋17:30→17:59生山駅19:20→19:47根雨駅前(泊)

▽3日目
中町(根雨駅近く)07:06→08:08米子駅09:00→09:50下市入口→徒歩9km→赤碕駅11:41→12:40倉吉駅13:10→13:55鳥取空港14:25→14:45鳥取駅16:05→17:15湯村温泉18:15→19:33八鹿駅(泊)

▽4日目
八鹿駅07:37→08:02出石09:24→10:26中藤→徒歩5km→岩屋上12:22→12:54与謝野の海病院13:07→13:18天橋立ケーブル下

こう書いても、どういうルートかわかりにくいかもしれません。鉄道でいうと、芸備線を広島から三次を経て備後落合までたどり、そこから北東へ向かって伯備線の生山、根雨に至り、米子へ抜ける、という道のりです。これを「庄原ルート」としておきます。

「庄原ルート」では、午後早い時間に天橋立に着くことができます。ただ、途中に6kmと9kmの徒歩を挟み、実際ルートよりも徒歩距離が長くなっています。そのため、これが正解といえるかは微妙です。

雲南ルート

次に、三次から北を目指すルートを考えてみます。

▽2日目
三次駅前12:09→12:57赤名13:10→14:10たたらば壱番地16:07→三刀屋バスセンター16:41→17:17雲南市立病院(泊)

▽3日目
大東駅前(雲南市立病院からすぐ)06:58→07:49松江駅07:55→08:58(米子)市役所前09:04→09:50下市入口→徒歩9km→ 赤碕駅11:41→12:40倉吉駅13:10→13:55鳥取空港14:25→14:45鳥取駅 16:05→17:15湯村温泉18:15→19:33八鹿駅(泊)

▽4日目
八鹿駅07:37→08:02出石09:24→10:26中藤→徒歩5km→岩屋上12:22→12:54与謝野の海病院13:07→13:18天橋立ケーブル下

こちらは、三次から木次、出雲大東(雲南市)を経て松江に抜ける、というルートで、「雲南ルート」としておきます。中国山地を路線バスで越えられる貴重なルートで、三次を午後出発しても、前述の庄原ルートと同じ時間に鳥取に着くことができます。

雲南ルートは、米子市内でのバスの乗り継ぎに工夫が必要で、米子駅まで行ったら乗り継げないのに、市役所前なら乗り継げるという隠し味が含まれています。

広島以降の徒歩は、下市入口~赤碕駅の日本海側9kmと最後の岩屋上への5kmのみで、比較的歩かなくていいルートです。

雲南ルートは三次を昼過ぎに出ればいいので、1日目に広島に宿泊しても間に合います。米子市内での乗り継ぎは番組のハイライトになったでしょうし、この乗り継ぎに失敗しても最後にはなんとか天橋立にたどり着けます。トータルで考えて、バランスが良く余裕もあり、「正解ルート」の一つではないかと思われます。

最速は雲南ルート?

さて、前述した、岩国駅での乗り逃しがなく広島に15時台に到着したケースでは、以下のように三次まで1日目に到着できます。

▽1日目
岩国駅09:30→09:52和木駅→徒歩1.9km→大竹駅10:40→11:05玖波駅11:23→11:47大野庁舎12:25→12:56広電阿品駅13:07→13:30四季が丘14:19→15:21広島バスセンター15:45→17:18吉田営業所17:23→18:07三次(泊)

三次に同日着したことで、翌朝は、雲南ルートの三次始発便に乗ることができます。すると、2日目以降は以下のようにつながります。

▽2日目
三次駅前07:09→07:58赤名08:10→09:10たたらば壱番地09:27→09:56三刀屋バスセンター10:01→10:44雲南市立病院/大東駅前10:48→11:39松江駅12:00→13:09米子駅14:00→14:50下市入口→徒歩9km→赤碕駅17:39→18:40倉吉駅

▽3日目
倉吉駅06:15→07:00鳥取空港08:05→08:25鳥取駅09:10→10:12湯村温泉13:15→14:33八鹿駅14:50→15:15出石15:25→中藤16:01→徒歩5.0km→岩屋上18:27→18:59与謝の海病院19:32→19:40天橋立ケーブル下

絶妙な乗り継ぎの連続で、なんと、3日目にゴールできます。確認できている最速ルートはこれになるようです。

過去のルートを覚えていた?

ところで、庄原ルート、雲南ルートのいずれにしても、米子に出てしまうと、下市入口~赤碕駅の9kmの徒歩を免れることができません。ルイルイはこの区間を、第8弾(京都~出雲大社)を逆方向で通っており、「米子~鳥取は徒歩が長い」ということを、記憶していた可能性があります。

今回の番組で、ルイルイは、「倉吉や鳥取を目指す」姿勢を示している場面が多く、松江や米子を目指す姿勢はあまりみせていない印象を受けました。ひょっとすると、過去の記憶が影響して、米子~倉吉間を避けていたのかもしれません。

過去のルートとの重なりでいえば、岩国~尾道間は第17弾(山口~室戸岬)と重なっていますし、宮島口以東の山陽エリアは、第4弾(三条大橋~宮島)の逆コースです。

第4弾ともなると7年も前ですが、ルイルイには多少の記憶が残っているでしょうから、それが今回のコース取りにも影響しているように見えました。

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高梁ルート

さて、話を実際ルートに戻します。ルイルイたちは、竹原に宿泊後、福山から北上できないかと、バス案内所で尋ねます。しかし、係員からは、岡山方面を勧められ、一行はそれに従います。では、本当に、北上する方法はなかったのでしょうか。

福山から北へは、井原行きのバスが頻発しています。そして、井原からは備中高梁行きのバスがありますので、それに乗り継げれば北上することは可能です。これを「高梁ルート」としましょう。高梁ルートの問題は接続です。

▽2日目
福山駅10:50→11:35井原17:38→19:02高梁

となり、井原で6時間もの待ち合わせが生じます。仮にルイルイがこのルートを福山駅の案内所で知ったとしても、待ち時間の長さから選択しなかったとみられます。

ただ、高梁ルートは、その後の接続は鮮やかです。

▽3日目
高梁07:45→08:28呰部09:52→10:47真庭市役所12:05→12:17中国勝山駅12:25→13:20山根13:29→13:50関金温泉15:13→15:45倉吉駅16:55→17:40鳥取空港18:05→18:25鳥取駅(鳥取以降は実際ルート)

真庭市役所から倉吉へ抜けるバスは蒜山エリアの観光・生活路線で、中国山地の分水嶺を路線バスで抜けられます。蒜山越えのおかげで、高梁ルートを選択していれば、2日目と3日目はまったく歩かずに済んでいたことになります。

徒歩距離が少ないため、「正解ルート」の一つとはいえますが、井原での待ち時間を考えれば、ルイルイが選択し得たかというと、疑問が残ります。「6時間も待つの? じゃあ、東へ急ごう!」となりそうです。

そもそも、倉吉までのルートをある程度把握しなければ、福山において北上を決断しづらかったと思います。が、福山市は広島県。ここで、岡山県真庭市から鳥取県倉吉市へ抜けるルート情報を得るのは難しかったでしょう。

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岡山から姫路方面へ向かっていたら

一行が、北上を決断したのが岡山駅です。ここで北上するか、東へ行くか。ルイルイは慎重を期して案内所が開くのを待ち、6kmの徒歩で鳥取まで抜けられることを確認した上で、津山に向かうと決めました。

もし、ここで、東へ向かっていたらどうなっていたでしょうか。

▽3日目
岡山駅09:00→10:07片上駅10:25→10:55吉永病院13:42→14:34赤穂市民病院14:37→15:21上郡駅17:18→17:37テクノ中央17:54→18:13新宮駅18:20→18:34龍野19:25→20:09姫路駅21:00→22:11社営業所(泊)

▽4日目
社営業所07:27→07:56西脇08:36→09:09札場→徒歩10km→西古佐12:44→13:15草山温泉→徒歩0.5km→アルパインホテル15:18→15:39細見辻16:59→17:34福知山駅北口17:52→19:40天橋立ケーブル下

岡山以東は、赤穂~姫路間がネックになります。ポイントは、上郡~テクノ中央のバスですが、1日2本しかありません。

上述のとおり、姫路経由でもつながることはつながりますが、札場(西脇市)から西古佐(篠山市)へ抜ける10kmもの徒歩を挟みます。篠山市から福知山市へ抜けるバスルートの情報を、西脇市までにつかんでいなければ、10kmの徒歩を踏み出す決断はできないでしょう。

岡山から東へ向かった場合、社(加東市)までの難易度は高くありません。問題は社から天橋立へ向かうルートで、これを探し出すのは大変です。上記のルートでなければ、三田市まで抜けた後に、篠山市へ徒歩で入る、という行程になりますが、方角としては選びにくいとみられます。

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標高95mの分水嶺は通れたか

ところで、日本でいちばん低い中央分水界として知られているのが、「水分れ」です。

中央分水界とは、本州の青森県から山口県まで総延長1800kmに及ぶ分水嶺の総称です。

中央分水界で最も低い場所が、兵庫県丹波市氷上町の「水別れ」で、標高がわずか95mしかありません。南側が加古川水系、北側が由良川水系で、由良川の河口は天橋立の近くです。

今回のお題を知ったとき、筆者はこの「水別れ」を抜ければ峠越えがラクだなあ、と考えました。

そこで、水別れをバスで抜けるルートを探したのですが、結論からいえばありませんでした。水別れのある丹波市は、コミュニティバスがなく、路線バス網が発達していない自治体だからです。

丹波市と市川町が立ちはだかる

姫路から天橋立に路線バスで向かうには、この丹波市が立ちはだかります。丹波市を避けなければ北上できないので、前述のように篠山市を経由するしかないのです。

姫路から播但線沿いに竹田城、朝来市を目指すコースを思い浮かべる人もいるかもしれません。しかし、途中の市川町のコミュニティバスが週2日しか運行していませんし、本数も少なく、隣接する福崎町や朝来市との接続もうまくありません。ロケ日が運行日にあたっていたとしても、選択できなかったでしょう。

結果的に、ルイルイが岡山で北上したのは大正解でした。東へ向かってもゴールできたかもしれませんが、その確率は低かったと思います。

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黒尾峠越えは避けられたか

最後に、津山からのルートも検証してみましょう。一行は津山から馬桑へ出て、徒歩8.5kmの黒尾峠越えを乗り切りました。この山越えは、見ていて本当に大変そうでしたが、避けることはできなかったのでしょうか。

実は、岡山をもっと早い時間に出れば、以下のようなルートがありました。

▽3日目
岡山駅06:40→08:14津山バスセンター08:25→09:20西川10:03→10:45真庭市役所12:05→12:17中国勝山駅12:25→13:20山根13:29→13:50関金温泉15:13→15:45倉吉駅16:55→17:40鳥取空港18:05→18:25鳥取駅 (以下、実際ルート)

前述の高梁ルートで紹介した、蒜山越えです。ただ、このルートは、津山から真庭に抜ける美咲町営バスの時刻を知らなければ難しいですし、津山から逆方向(西)に折り返すことになるので、先まで見通せていなければ、選択しづらいルートだったでしょう。

案内所のファインプレー

以下のようなルートもあります。

▽3日目
岡山駅06:40→08:14津山09:40→10:57上斎原・上斎原振興センター11:30→11:50頃宮ヶ谷→徒歩4.2km→栃原14:37→15:16用瀬駅15:19→15:55鳥取駅(以下、実際ルート)

こちらのルートは上記より見通しやすく、岡山駅の案内所に前日来ることができていれば、案内所の人が見つけてくれたかもしれません。

いずれのルートも岡山を早朝に出る必要があります。案内所で確認後、9時出発で津山に向かったら、黒尾峠越えを避けることはできなかったようです。

というより、9時出発で、よく鳥取までたどり着いたなあ、と思います。これは、案内所係員のファインプレーでしょう。

「路線バス乗り継ぎ」ではたどり着けない

今回のお題に対して、いろいろルートを見てみました。ご覧の通り、バリエーションは豊富ですが、徒歩なしの「バス乗り継ぎ」だけでたどり着くルートを見つけることはできませんでした。

そもそも、岩国から大竹へ抜けるときにどうしても徒歩が生じますし、天橋立に路線バスだけで入れるルートは福知山市からしかありません。しかし、福知山市から天橋立へ抜けるルートは、西から来ると大回りです。

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簡単なルートではない

今回のテーマである「中国山地越え」に関していえば、広島から北上しても、福山や岡山から北上しても、到達することは可能でした。

「到達可能なルート」がたくさんあるので、今回は簡単だったのか、と思われるかもしれません。それは誤解です。

筆者は、今回、「この道路沿いに行けないかな」「この峠を越えるとしたらどういう路線バスがあるかな」などと、たくさん調べてみたのですが、行き詰まる場合が多かったです。

したがって、ルイルイが確たる情報なしで「えいや」と山の中へ突っ込んでいったら、ゴールにはたどり着けなかった可能性が高かったように思えます。

裏を返せば、先を確かめながら堅実にルート選びをしたルイルイの姿勢が、ゴールにつながったのでしょう。

今回、ルイルイはミスらしいミスをしていません。岩国から岡山までは、最速で到達しているとみられます。経験済みルートの逆だったことを考慮しても、さすが、というほかありません。

制作側は三次経由を期待していた?

結果論ですが、過去に通ったコースをたどるような形になったのは、ちょっと残念です。

番組制作側の意図としては、すでに通ったことのある山陽ルートではなく、三次を経由して中国山地の真ん中を突っ切るルートを選択して欲しかったのではないか、と想像します。そうした点も考慮してベストルートを挙げるとすれば、雲南ルートだったと思います。

ただ、この番組の最大目標は、ゴールする、ということ。制作側の意図なんて気にせずに、勝利にこだわったルイルイに、拍手を送りたいと思います。(鎌倉淳)

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