「バスVS鉄道 乗り継ぎ対決旅」第19弾 木更津~九十九里を検証する【2】想定ルートを比較してみる

タクシー代、渡してないよ

「バスVS鉄道乗り継ぎ対決旅」第19弾のルート検証、ここからは鉄道チームの検証です。

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「バスVS鉄道 乗り継ぎ対決旅」第19弾 木更津~九十九里を分析する【1】

バス鉄道第19弾
Ⓒテレビ東京

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鉄道チームの検証

あらためて、鉄道チームの実際ルートを再掲しておきます。

▽1日目
金田さざなみ公園→徒歩3.5km→10:34袖ヶ浦駅10:54→11:09君津駅→徒歩8.3km→13:08はちみつ工房(★)14:14→徒歩8.3km→君津駅15:44→16:22浜金谷駅→徒歩0.5km→16:30ザ・フィッシュ(★)→徒歩0.5km→浜金谷駅18:25→18:54君津駅19:26→20:55東京駅→品川駅21:29→22:43三崎口駅→徒歩5.7km→00:29三崎港(★)

▽2日目
三崎港→タクシー4.4km、2,000円→引橋付近→徒歩1.5km→三崎口駅06:25→06:37京急久里浜駅→徒歩2km→久里浜港07:20→フェリー2,700円→08:00金谷港→徒歩0.5km→浜金谷駅08:19→08:43館山駅09:36→10:22安房鴨川駅10:35→10:45安房小湊駅→徒歩1.5km→吉夢(☆2,000円)→徒歩1.5km→安房小湊駅12:44→13:02勝浦駅13:15→タクシー10.7km、4,600円→てっぱつや(☆1,000円)14:22→徒歩3.1km→総元駅14:58→15:51大原駅16:32→16:48上総一ノ宮駅16:51→17:12大網駅17:17→17:24東金駅→タクシー3,600円+徒歩、計9.5km→18:20九十九里ビーチタワー

1日目にフェリーを利用したら

最初に気になったのは、袖ケ浦駅での乗り逃しですが、乗り逃した10時35分発は木更津行きなので、君津行きは次発を待たなければなりません。つまり、乗り逃しによる影響はありませんでした。

初日の最大のポイントは第2チェックポイントを終えた後、金谷港からフェリーに乗らなかったことです。都心経由の「大迂回」をした結果、三崎港に着いたのは深夜0時過ぎ。疲労困憊で1日目を終えることになります。

仮に、1日目にフェリーを利用した場合は、以下のようになります。

▽1日目
金谷港18:25→フェリー2,700円→19:05久里浜港→徒歩2km→京急久里浜駅19:40→19:52三崎口駅→徒歩5.7km→21:00頃三崎港(★)

三崎口駅到着は、実際ルートより約3時間早くなります。夜9時頃には三崎港に到着し、睡眠時間をしっかり取れたでしょう。

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復路に大迂回の場合

往路にフェリーを使った場合、フェリー代節約の観点から、復路が東京経由の「大迂回」になるでしょう。その場合、三崎口駅を出る列車をフェリーに合わせる必要はないので、一本早い電車に乗ると仮定します。三崎口駅までタクシーに乗ったと仮定すると、以下のようになります。

▽2日目
三崎港→タクシー7km、2500円→三崎口駅06:07→07:21品川駅07:26→08:15千葉駅08:19→09:05上総一ノ宮駅09:23→10:15安房小湊駅(☆2,000円)

安房小湊駅到着が10時15分頃。実際ルートの10時45分より早くなります。

安房小湊駅に10時15分発に到着しても、ミッションの所要時間を考えると、安房小湊駅を出発できる時刻は実際ルートと同じになるでしょう。

すなわち、実際ルートに収斂します。ただし、タクシー残金は500円ほど余計にかかり、バスチームに遅延がなかった場合、その不足が最終局面での勝敗に影響した可能性があります。

いっぽうで、睡眠時間を長く取れていた、というメリットがあります。よく寝ていれば、徒歩区間のパフォーマンスがもっとよかったかもしれません。

ちなみに、実際ルートで乗車した三崎口駅06時25分発だと、この乗り継ぎにならず、「大迂回」による安房小湊駅到着は11時23分になります。その後の行程が1時間後ろ倒しになるので、最終局面で苦しくなる可能性がありますが、詳細は略します。


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鉄道最速ルート

「復路大迂回」の場合、じつはもう少し早くゴールする方法もあります。

▽2日目
三崎口06:07→07:21品川駅07:26→08:15千葉駅08:19→09:05上総一ノ宮駅09:23→10:15安房小湊駅(☆2,000円)→タクシー18km→てっぱつや(☆1,000円)→タクシー3.1km→総元駅12:57→13:53大原駅14:16→14:33上総一ノ宮駅14:39→15:00大網駅15:10→15:17東金駅→タクシー+徒歩、9.5km→16:40九十九里タワー

第4チェックポイントの安房小湊駅から、第5チェックポイントのてっぱつやまでタクシーに乗り、両ボーナスを連取する方法です。

安房小湊駅に実際より30分早く到着するので、勝浦方面行きの列車を待つまでの時間が余ります。そこで、列車を待たずに、第5チェックポイントまでタクシーで直行してしまおう、という案です。

うまくいけば、総元駅12時57分発に乗車して東金駅15時17分に到着します。第5チェックポイントでタクシー代を余分に使った結果、ゴール近くでのタクシー代は足らなくなりそうですが、それでも16時40分ごろにはゴールできそうです。

現実的に実現可能な、鉄道最速ルートは、この乗り継ぎのようです。

なお、往復ともフェリーに乗らなければ、タクシー代をさらに余らせることができますが、バラエティ番組として、最低片道でフェリーを利用するのは「お約束」と思われます。したがって、往復のフェリー不使用は検証しません。

逆に、鉄道が往復フェリーを利用してタクシー代を減らす判断を軍曹がするとは考えづらいので、その検証も略します。

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総元駅で乗り遅れたら

実際ルートに戻ります。第5チェックポイントのミッション終了後、鉄道チームは総元駅までの3kmを急ぎ、道を間違えながらも14時58分発の列車に飛び乗りました。

これにより、東金駅に17時24分に到着。ゴールの九十九里ビーチタワーまでの約9.5kmを、3,600円分のタクシーと徒歩で乗り切りました。ゴール時刻は18時20分ごろです。

仮に、総元駅14時58分発に乗り遅れたらどうなるでしょうか。次の列車は総元駅16時09分発となります。

▽2日目
総元駅16:09→17:11大原駅17:29→18:10大網駅18:34→18:42東金駅→タクシー3,600円+徒歩、計9.5km→19:40九十九里タワー

実際ルートでは、東金駅から九十九里ビーチタワーまで約1時間かかっていますので、同様で見積もると、総元駅で乗り遅れた場合のゴール時刻は19時40分ごろとなります。

これは、鉄道チームとほぼ同じか、やや遅いです。したがって、惜しくも敗れていたかもしれませんし、僅差で勝利していた可能性もあるでしょう。

仮にこの乗り逃しで敗れていたら、地図を置き忘れたことが痛恨事となっていたことでしょう。

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まとめてみると

では、今回の第5チェックポイントからゴールまでの乗り継ぎパターンを、以下にまとめてみましょう。

■バスチーム
S 増田橋14:50→16:40白里海岸→3km→九十九里タワー
A 大多喜車庫15:30→17:45白里海岸→3km→九十九里タワー
B 佐野宮下16:01→19:20白里海岸→3km→九十九里タワー

■鉄道チーム
S総元駅12:57→15:17東金駅→9.5km→九十九里タワー
A 総元駅14:58→17:24東金駅→9.5km→九十九里タワー
B 総元駅16:09→18:42東金駅→9.5km→九十九里タワー

今回は、極端に駅から遠いチェックポイントが少なかったので、鉄道チームが最終局面でタクシー代を残しやすい設定でした。一方、バスチームが最終局面でタクシー代を残すのは困難です。

そのため、バスチームの白里海岸からの3kmと、鉄道チームの東金駅から9.5kmは、距離のわりに所要時間が大きくは変わらなくなるよう設定されていました。

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想定はAパターン?

時刻表をたどってみて、もっとも実現性が高く、おそらく制作側が想定していたのは、Aパターン同士の対決でしょう。バスチームは、鴨川でのバス遅延がなければAパターンでのゴールになっていた可能性が高いですし、鉄道チームも2日目朝に三崎港を出発すれば、Aパターンを実現するのは難しくありません。

Aパターン同士の場合は、鉄道の東金駅到着時刻がバスの白里海岸到着時刻より20分も早いので、タクシー残金によりますが、鉄道チームがやや有利といえます。

ただ、タクシー代を残せた背景として、1日目の深夜行軍があります。深夜行軍を避けて三崎港までタクシーを使っていれば、Aパターン同士でもバスが勝つ可能性もあるでしょう。

つまり、出現確率の高いAパターン同士で互角になるように、ルート設定されていたように思えます。

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本質的には鉄道有利

全体的にみると、鉄道チームは「大迂回」を復路におこなっていれば、Sパターンを実現できていた可能性があり、その場合、バスチームに勝ち目はありません。したがって、本質的には鉄道チーム有利の設定だったと言えます。

遅延がない場合、バス、鉄道ともAパターンでゴールするのは難しくありません。Aパターン同士の場合も、鬼軍曹がタクシー代を節約しつつ進めば、鉄道チームがやや有利といえそうです。こうしてみると、バスの遅延がなくても鉄道チームに有利な設定だったように思えます。

鉄道チームが有利になっている背景として、深夜の行動時間に制限がないことが挙げられます。首都圏は終電が遅いので、時間制限がなければ、鉄道チームのほうが1日目に移動しやすいのです。仮に20時を移動制限時間として設定していれば、鉄道チームは1日目に三崎口駅に至るのが精一杯で、タクシーを使っても三崎港に届くのは難しい状況でした。

また今回は、脚力のあるメンバーが揃っていたことも、鉄道チームの勝因でしょう。足の遅いメンバーがいれば、おそらく深夜行軍はできず、総元駅でも間に合わず、違う結果になっていたかもしれません。(鎌倉淳)

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