「神戸須磨シーワールド」の全詳細。2024年6月開業へ、須磨海浜水族園がリニューアル!

シャチが来る!

「神戸須磨シーワールド」が2024年6月に誕生します。須磨海浜水族園を建て替えてリニューアルする施設です。新水族館の詳細を見て行きましょう。

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須磨海浜水族園をリニューアル

須磨海浜公園は2019年に再整備方針が決定し、サンケイビルを代表企業とする「神戸須磨Parks+Resorts共同事業体」が運営を担うことに決まりました。

その目玉施設が、「神戸須磨シーワールド」です。サンケイビルが千葉県の鴨川シーワールドも運営していることから、ネーミングをあわせました。

神戸須磨シーワールドの目玉は、鴨川での飼育技術を活かしたシャチの展示です。日本国内でシャチを展示している水族館は、鴨川シーワールドと名古屋港水族館のみ。神戸須磨シーワールドで展示を開始すれば、西日本唯一となります。

神戸須磨シーワールド
画像:須磨海浜水族園・海浜公園再整備事業認定公募設置等計画(概要)
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須磨海浜公園再整備の概要

最初に、須磨海浜公園全体の再整備の全体像を見ていきましょう。平面図は以下の通りです。

神戸須磨シーワールド
画像:須磨海浜水族園・海浜公園再整備事業認定公募設置等計画(概要)

水族館施設は、既存のバス回転場付近に立地します。水族館の中心に広場を据え、左右に展示棟を配置するレイアウトです。

神戸須磨シーワールド
画像:須磨海浜水族園・海浜公園再整備事業認定公募設置等計画(概要)

展示棟は、広場の東側にシャチ棟を、西側にイルカ棟と魚類・アシカ・ペンギン棟を配置します。シャチ棟の前にエントランス棟があり、イルカ棟の前にレストラン棟を設けます。

水族館の東側には「神戸須磨シーワールドホテル」を配置。水族館西側には「松の杜ビレッジ」というにぎわい施設をつくり、公園西端には「コミュニティ広場」という3000平米の多目的広場を設けます。

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シャチ棟

では、水族館の展示計画を見ていきましょう。

目玉はなんと言っても、シャチ棟です。「オルカスタジアム」で、西日本で唯一となるシャチのパフォーマンスを実施します。

神戸須磨シーワールドシャチ
画像:須磨海浜水族園・海浜公園再整備事業認定公募設置等計画(概要)

メインプールのほか、サブプール、ブリーディングプール、メディカルプールを備えた広々としたスタジアムです。

神戸須磨シーワールドオルカスタジアム
画像:須磨海浜水族園・海浜公園再整備事業認定公募設置等計画(概要)

シャチを見ながら食事ができる「オルカレストラン」や、カフェ併設の「オルカテラス」もオープン。シャチに関する教育ゾーンとして「オルカラボ」も設けます。

神戸須磨シーワールド
画像:須磨海浜水族園・海浜公園再整備事業認定公募設置等計画(概要)
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イルカ棟

イルカ棟にも大規模なスタジアムを設けます。イルカのスピーディーな運動能力を発揮できるパフォーマンスを実施。独自の演出手法を用いた「スペシャル・ナイトパフォーマンス」もおこないます。

神戸須磨シーワールドイルカスタジアム
画像:須磨海浜水族園・海浜公園再整備事業認定公募設置等計画(概要)

イルカと直接触れあえる「イルカビーチ」も設けます。他の水族館にはあまりない施設になりそうです。

神戸須磨シーワールドイルカビーチ
画像:須磨海浜水族園・海浜公園再整備事業認定公募設置等計画(概要)

イルカプールの総水量は2,349立方メートルで、12頭を飼育します。既存施設が1,190立方メートルで8頭だったことから、1頭あたりの水量は3割増となります。

神戸須磨シーワールドイルカプール
画像:須磨海浜水族園・海浜公園再整備事業認定公募設置等計画(概要)

1階にはイルカの生態を間近で観察できるホールを設けます。イルカを観察しながら休憩できるスペースです。

神戸須磨シーワールドイルカホール
画像:須磨海浜水族園・海浜公園再整備事業認定公募設置等計画(概要)
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近海・淡水展示

魚類・アシカ・ペンギン棟は、1~3階が魚類展示エリア、3~4階が海獣類・ペンギン展示エリアとなります。

エントランスは3階です。右手から入ると、六甲水系や瀬戸内海の生態系を展示する「ローカルライフ」が始まります。いわゆる近海・淡水展示です。

3階平面図

神戸須磨シーワールド
画像:須磨海浜水族園・海浜公園再整備事業認定公募設置等計画(概要)

館内に順路は設けませんが、赤い点線が主要動線です。「ローカルライフ」は、瀬戸内海の自然や神戸・須磨の原風景に想いを馳せる空間となります。

神戸須磨シーワールド
画像:須磨海浜水族園・海浜公園再整備事業認定公募設置等計画(概要)

3階には海獣コーナーもありますが、それは後回しにして2階に降ります。2階にもローカルライフの展示が続いていて、干潟の生物などがあります。

2階平面図

神戸須磨シーワールド
画像:須磨海浜水族園・海浜公園再整備事業認定公募設置等計画(概要)
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遠海展示

2階ではローカルライフが終わると、「クラゲライフ」、さらに太平洋の「コーラルライフ」と続きます。いわゆる遠海展示です。

コーラルライフでは、ヤシやアダンなどの植栽や擬岩を配して、サンゴ環礁の自然を再現します。カラフルな熱帯魚類も紹介します。

神戸須磨シーワールド
画像:須磨海浜水族園・海浜公園再整備事業認定公募設置等計画(概要)

コーラルライフには、メインとなる「沖合水槽」を設けます。水量は700トンです。近年の水族館は1,000トン以上の大水槽を備えることが多く、大阪・海遊館の大水槽は5,400トンもありますので、それに比べると小ぶりです。

神戸須磨シーワールド
画像:須磨海浜水族園・海浜公園再整備事業認定公募設置等計画(概要)

メイン水槽の周囲にはスロープを螺旋状に配し、砂浜から水中、海底へと下る水中散歩をするような演出です。散歩をしながら、「コーラルライフ」は1階に続きます。

1階平面図

神戸須磨シーワールド
画像:須磨海浜水族園・海浜公園再整備事業認定公募設置等計画(概要)

イベントコーナーでの企画展示では、実験コーナーや、タッチングプールを設置。タッチングプールでは、エイやサメなどに触れたり、給餌ができます。

神戸須磨シーワールド
画像:須磨海浜水族園・海浜公園再整備事業認定公募設置等計画(概要)
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アザラシ、アシカ、ウミガメ

1階からエスカレーターで再び3階にのぼると、海獣コーナーに出ます。

アザラシ、アシカ、ウミガメの水槽が並びます。

神戸須磨シーワールド
画像:須磨海浜水族園・海浜公園再整備事業認定公募設置等計画(概要)

3階平面図

神戸須磨シーワールド
画像:須磨海浜水族園・海浜公園再整備事業認定公募設置等計画(概要)

さらに、最上階の4階に上がると、それぞれの陸場も見られます。

神戸須磨シーワールド
画像:須磨海浜水族園・海浜公園再整備事業認定公募設置等計画(概要)

4階平面図

神戸須磨シーワールド
画像:須磨海浜水族園・海浜公園再整備事業認定公募設置等計画(概要)

ペンギンは、マゼランペンギンを展示。草原の丘の地中に巣穴を設け、ペンギンが本来暮らす環境を再現します。広い水槽を備えるほか、ペンギンの住処に足を踏み入れて間近で観察できるコーナーも設けます。

神戸須磨シーワールド
画像:須磨海浜水族園・海浜公園再整備事業認定公募設置等計画(概要)

「タートルビーチ」では、岩山をのぼるスロープに沿ってウミガメのプールを設けます。

神戸須磨シーワールド
画像:須磨海浜水族園・海浜公園再整備事業認定公募設置等計画(概要)

9割を継続展示

全体として、須磨海浜水族園での展示生物682種18,599点のうち、522種、17,000点を神戸須磨シーパラダイスで継続展示します。種の継続割合は77%、点の継続割合は91%です。

継続展示指定生物のなかで、オーストラリアハイギョ、パイユー、ロングノーズガー、ピラルク、チョウザメなどは、水族館の1階外向きに設ける「須磨コレクション」にて無料展示します。

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ホテルも設置

水族館の東側には「神戸須磨シーワールドホテル」を配置します。神戸須磨シーワールドのオフィシャルホテルという位置づけです。

神戸須磨シーワールドホテル
画像:須磨海浜水族園・海浜公園再整備事業認定公募設置等計画(概要)

客室総数は80室で、水槽付きプレミアムルームを計6室設ける計画です。

神戸須磨シーワールドホテル
画像:須磨海浜水族園・海浜公園再整備事業認定公募設置等計画(概要)

宿泊者限定サービスとして、ナイトアクアリウムのイベント体験などを予定しています。

ビュッフェレストランなど、宿泊者以外も利用できる施設も設けます。運営は鴨川シーワールドホテルと同じグランビスタホテル&リゾートです。

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にぎわい施設

水族館西側には「松の杜ヴィレッジ」というにぎわい施設として、3棟を分散配置します。

神戸須磨シーワールド賑わい施設
画像:須磨海浜水族園・海浜公園再整備事業認定公募設置等計画(概要)

にぎわい施設のA棟には、カレイドジャパンが運営するブック・カフェ、スターバックスが運営するコーヒーストア、ムラサキスポーツが運営するスポーツ用品店とスポーツ教室が入ります。コンビニエンスストアや子育て支援施設も入る予定です。

神戸須磨シーワールドにぎわい施設
画像:須磨海浜水族園・海浜公園再整備事業認定公募設置等計画(概要)

にぎわい施設のB棟とC棟は海沿いに設けます。

神戸須磨シーワールドにぎわい施設
画像:須磨海浜水族園・海浜公園再整備事業認定公募設置等計画(概要)

B棟には、レッドロブスターが運営するシーフードレストランが入ります。

C棟には、ポトマックが運営するバーベキューカフェレストランが入ります。グランピングエリアも設置される予定です。

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入館料

「神戸須磨シーワールド」の入館料は、正規料金が1日券大人3,100円、小中学生1,800円、幼児1,800円、シニア2,500円となります。ただし、神戸市内の小中学生は年1回500円、幼児は年1回無料で入場できます。

年間パスポートは大人11,000円、小中学生6,500円、シニア9,000円です。

神戸須磨シーワールド入館料
画像:須磨海浜水族園・海浜公園再整備事業認定公募設置等計画(概要)

これまでの料金が大人1,300円、小中学生800円、幼児500円(現在は営業縮小で700円、400円、300円)なので、それに比べると大幅な値上げとなります。

シャチを展示している鴨川シーワールド(大人3,300円)と同水準で、海遊館(大人2,7 00円)に比べてもやや高額です。ただ、近年のインフレで類似施設の値上げも相次いでいることから、そこまでの高値感はないかもしれません。

シャチ、イルカと二つのパフォーマンスを擁するうえに、魚類や海獣展示も充実させるとなると、この程度の入館料になるのでしょう。

大型マリンパークに

展示内容からも、料金からも、「神戸須磨シーワールド」は、これまでの「須磨海浜水族園」と一線を画した新たな大型マリンパークとなりそうです。

現在の須磨海浜水族園は、2023年5月31日を以て営業を終了します。神戸須磨シーワールドとしてオープンするのは、2024年6月の予定です。(鎌倉淳)

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