「ローカル路線バスの旅Z 第17弾 宮古→瀬波温泉」の正解ルートを考える。やさしいけれど、難しい

本名、日村に変わっていました

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八幡平ルート

ここで、話を1日目の盛岡駅に戻します。仮に一行が岩手県北バスの案内所で聞き込んでいたら、どうなっていたでしょうか。

岩手県北バスは、八幡平方面へのバス路線を有しており、乗り継ぎ時刻表をウェブサイトに掲載しています。したがって、窓口に聞き込めば、八幡平への乗り継ぎ情報を得ることができたでしょう。

盛岡駅から八幡平を目指すと、以下のように乗り継げます。

〔八幡平・本荘ルート〕
▽1日目
宮古駅前08:50→10:20盛岡駅前10:42→12:04松尾鉱山資料館12:15→13:00八幡平頂上13:20→15:34田沢湖駅前16:05→16:44角館駅前17:16→18:13六郷高校入口18:23→18:54横手バスターミナル

▽2日目
横手バスターミナル10:35→12:31本荘営業所13:35→14:47象潟駅前15:35→15:56三崎公園前→徒歩6.4km→吹浦駅前

▽3日目
吹浦駅前07:35→08:03遊佐駅前→徒歩6.4km→観音寺11:32→11:57酒田庄交バスターミナル12:29→13:46エスモールバスターミナル17:05→18:13あつみ温泉駅

▽4日目
あつみ温泉駅08:29→08:58イオンタウンあつみ→徒歩4.6km→府屋中町12:40→13:00寒川13:06→13:59村上駅前14:09→14:20瀬波温泉前

1日目に横手まで到達することができ、2日目に本荘から日本海側をたどれば、4日目の早い時間に瀬波温泉にゴールできます。上記の乗り継ぎでは、余裕をもって2日目に吹浦周辺、3日目にあつみ温泉周辺を宿泊地に選んでいますが、時刻表上の机上論ならば、もっと早く着くことも可能です。

要は、1日目に八幡平頂上に向かうルートを選んでいれば、その後は平易な乗り継ぎでゴール可能だったわけです。遊佐付近の乗り継ぎの難易度が高いですが、うまくいけば1日4~6km程度の徒歩でゴールできるので、「ローカル路線バス乗り継ぎの旅Z」では珍しい「天国ルート」が待っていたと言えるでしょう。

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八幡平・湯沢ルート

ただ、八幡平に出たからといって、「天国」が約束されていたわけではありません。上記乗り継ぎでは、2日目の横手発が10時半と遅いですが、それより早く出発できる湯沢方面に進んでしまうと、違う展開になっていました。

〔八幡平・湯沢ルート〕
▽1日目
宮古駅前08:50→10:20盛岡駅前10:42→12:04松尾鉱山資料館12:15→13:00八幡平頂上13:20→15:34田沢湖駅前16:05→16:44角館駅前17:16→18:13六郷高校入口18:23→18:54横手バスターミナル

▽2日目
横手バスターミナル07:35→08:14湯沢営業所前09:00→09:30横堀駅前→徒歩13.1km→及位駅13:20→14:04真室川駅14:30→14:54鮭川村役場前14:54→15:16新庄駅前

このように、秋田・山形県境で約13kmを歩いて、2日目の夕方に新庄駅に到着します。机上論でいえば、真室川から実際ルートをたどって青沢越えに挑むこともできますが、情報収集が困難なことや、宿の問題から、いったん新庄駅に進むと仮定しています。

新庄に15時すぎに到着した場合、宿の問題を考えると、青沢越えに向かうのも、最上川沿いに進むのも難しく、新庄に泊まることになっていたでしょう。となると、3日目以降は実際ルートに収斂します。つまり、2日目に13kmを歩き、3日目に27kmを歩くことになっていた可能性が高く、「天国」とはいいづらい状況に陥っていたことでしょう。

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山伏線ルート

もう一つ、盛岡からのルートとして、ほっとゆだに抜ける路線バスがあります。西和賀町が運行する「山伏線」というコミュニティバスで、月・金・土のみ運行します。ロケ1日目は月曜日だった場合、運行日にあたります。

仮に一行が「山伏線」に乗車していたら、時刻表上は以下のようにつながります。

〔山伏線ルート〕
▽1日目
宮古駅前08:50→10:20盛岡駅前14:27→16:13ほっとゆだ駅→徒歩約8km→巣郷温泉

▽2日目
巣郷温泉→約6.4km→下南郷09:38→10:10横手バスターミナル

ほっとゆだから歩いて巣郷温泉に泊まり、さらに下南郷まで歩いて横手に抜けるルートです。この乗り継ぎの場合、横手に10時10分に到着し、10時35分発の本荘行きに乗れるので、上記「八幡平・本荘ルート」に収斂します。

ただ、ほっとゆだ~横手間で合計14km以上も歩かなければならないので、「八幡平・本荘ルート」に比べると劣後します。西和賀町のコミュニティバスなので、盛岡駅では見つけにくそうですし、一行が選択する可能性は低かったように感じられます。

また、先に少し触れましたが、この乗り継ぎでは、ほっとゆだ~横手間が第3弾(松島~白神山地)と重なります。第3弾では、北上からほっとゆだを経て横手に抜けるルートを踏破し、途中で巣郷温泉に宿泊しています。そのため、今回このルートを選択していたら、同じバスに乗り同じ場所に宿泊することになっていた可能性があります。

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まとめてみると

全体をまとめてみると、今回の直接的な敗因は、最終局面のあつみ温泉でした。ここで意を決して府屋まで歩けばゴールへの道は開けていたのですが、残念ながら決断できませんでした。ただ、体力を消耗していた一行に、それを責めるのは酷というものです。

さかのぼれば、最大の敗因は盛岡で八幡平ルートを選択しなかったことでしょう。八幡平ルートを選んでいれば、本荘経由で余裕をもってゴールできました。情報を得られなかったのは、盛岡駅で案内所への聞き込みが甘かったことが原因とみられますので、その点はもったいなかったです。

盛岡で八幡平ルートを採らなかった場合、仙台ルートを選択するのが正解とみられ、それ以外に歩かずに奥羽山脈を越えられるルートは見当たりません。言い換えれば、北上や一関、古川から奥羽山脈に分け入らなかったことは、妥当な判断でした。

中盤の勝負の分かれ目は新庄の選択でした。最上川ルートと青沢越えルートがありましたが、一行は後者に賭けました。青沢15時38分発のバスに乗れていれば賭けに勝てたのですが、残念ながらタッチの差で叶いませんでした。結果として、八幡総合支所から酒田まで歩く羽目になり体力を消耗。これがあつみ温泉での停滞に至る伏線となったように感じられます。

新庄で最上川ルートを選んでも、あつみ温泉に着く時刻は同じですが、3日目の体力消耗が小さいぶん、ゴールの可能性は高かったでしょう。その点で、新庄で青沢越えルートを選んだことは「正解」と表現しづらいです。

振り返ってみると、今回、一行は局面ごとでいくつかの「正解」を逃しているのですが、なんとか挽回してゴールの可能性を終盤まで残しました。苦戦しながらも健闘し、最後に力尽き、ゴール失敗に終わってしまった、という格好です。

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正解ルートは?

今回は「正解」と呼べるルートが比較的はっきりしていて、「八幡平・本荘ルート」で異論はなさそうです。遊佐地域のバスにうまく乗れれば、総徒歩距離は約17kmにとどまり、余裕をもった乗り継ぎで4日目午後の早い時間にゴールできます。

八幡平ルートの選択肢は序盤に存在し、それを逃すと苦戦するという設定になっていました。盛岡では、二つのバス会社の案内所の聞き込みを両方行えば、八幡平ルートに進む決断はできたと推測できるだけに惜しまれます。

本編放送後にウェブで公開された「反省会動画」によると、出演者の心理として、二つのバス会社の案内所が同じ場所に隣り合わせになっていたがために、同じ内容の聞き込みを繰り返すことに躊躇してしまった、ということのようです。ロケとしてあまり迷惑をかけたくないという気持ちもあるでしょうし、もったいなかったですが、仕方ない状況だったと受け止められます。

八幡平ルートに進んだとしても、横手から本荘方面に向かわず真室川へ抜けてしまうと、徒歩が続く難路が待ち受けていました。そのため、「八幡平・本荘ルート」という正解ど真ん中をたどるのは、案外難しかったかもしれません。

仙台を経由した場合の最適解は、最上川ルートでしょう。「仙台・最上川ルート」の合計の徒歩距離は約32kmに達しますが、Z一行の脚力なら難しくはありません。

ちなみに、一行が実際ルートで歩いた距離は約42kmに達します。正解ルートの倍以上歩いているにもかかわらずゴールできなかったことになります。

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難易度は?

難易度の評価は難しいですが、楽勝ルートが存在し、それを逃してもゴール可能なルートが複数あったので、比較的やさしかったと判断するほかありません。

しかし、全体としては徒歩距離が長いルートが多いため、「平易」とまでは言い切れません。体力的には難しいコースばかりとみなすこともできるでしょう。となると「やさしいけれど難しい」というのが、今回のお題の評価になりそうです。

存在感を放ったのはマドンナ・神田愛花です。豊かな表現力と前向きなキャラクターは、番組に華やかさと安定感をもたらしました。聞き込みも積極的で、奮闘ぶりが画面を通じて伝わってきただけに、失敗という結果が残念に感じられます。

これで、Zチームの勝敗は9勝8敗となり、勝ち越しは1つに減りました。次回のリベンジに期待です。(鎌倉淳)

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