「ローカル路線バス乗り継ぎの旅第21弾 大阪 堺~三重 鳥羽」の正解ルートを考える。 秀逸なルート設定で、先が読めない!

テレビ東京系列の「ローカル路線バス乗り継ぎの旅」第21弾が放送されました。これは、太川陽介と蛭子能収がローカル路線バスを乗り継ぐテレビ番組です。今回のマドンナは高橋ひとみでした。

第21弾の目標は、大阪府の堺から三重県鳥羽の鎧崎まで、路線バスを乗り継いで3泊4日で到達する、というものです。例によって、このルートを検証してみましょう。

なお、以下はネタバレ100パーセントです。また、結果論100パーセントです。行ってない筆者が机上で語っているだけです。ご理解のうえ、お読みください。

※以下、掲載時刻は確認しましたが、今回はルート検証が複雑で、間違いや勘違いがあるかもしれません。その場合はご容赦、ご指摘ください。

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実際に旅したルート

まず、第21弾で実際に3人が旅したルートは以下のようになりました。時刻表上の定刻を示しています。実際の旅では、金屋口で出発を待ってもらったと思われるシーンがあり、時刻表上では不可能な乗り継ぎが、現実では可能になっています。

▽1日目
堺駅南口08:08→08:18堺東駅前08:42→09:01西区役所前09:22→09:53光明池駅10:44→11:00室堂11:09→11:14和泉中央駅11:36→12:20岸和田駅前13:20→13:30南町→徒歩約1.5km→貝塚市民病院13:56→14:07貝塚市役所14:16→14:41二色浜駅前→徒歩約1km→鶴原駅筋15:34→15:42泉佐野駅西口前→泉佐野駅前16:23→16:36熊取駅前17:05→17:50粉河駅前

▽2日目
粉河駅前06:40→07:38南海和歌山市駅08:12→08:59海南駅12:45→13:23下津駅前→徒歩3.5km→東燃クラブ14:15→14:33箕島駅14:33→14:52須谷会館→徒歩3.1km→藤並駅16:03→16:16金屋口16:14→16:51川原河17:04→17:30頃愛徳荘前

▽3日目
平橋07:24→08:09柳瀬08:16→09:39紀伊田辺駅11:35→13:40本宮大社前14:10→15:29新宮駅16:00→17:48潮岬

▽4日目
串本駅08:32→10:06新宮駅10:30→11:17熊野市駅12:52→14:52滝原宮16:30→17:27春日町→徒歩約6.5km→早馬瀬口20:00→20:25伊勢市駅

ローカル路線バス第21弾
ローカル路線バス乗り継ぎの旅 第21弾  大阪 堺~三重 鳥羽
太川陽介/蛭子能収/高橋ひとみ

潮岬がチェックポイント

今回の旅も、前回同様チェックポイント制としています。堺からたんに鳥羽を目指すのではなく、本州最南端の潮岬を経由して鳥羽へ向かう、というルールでした。

ふつうに考えれば紀伊半島をぐるりと一周する趣旨と思いますし、実際、ルイルイこと太川陽介も番組の最初で「紀伊半島をぐるっと回れ」と命ぜられたような発言をしています。そのため一行は海岸沿いを進もうとしますが、実は今回は、「紀伊半島をぐるりと一周」しては到達できません。そこに、ルート設定の妙がありました。

結果としては、今回は目的地の鎧崎(国崎)どころか、鳥羽市内に入ることもできず失敗に終わっています。一行がルート探しに途方に暮れるシーンもあり、ルイルイが「今までで一番難しい」と泣きが入る場面まで見られました。

では、正解はどんなルートだったのでしょうか。検証してみました。

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紀伊田辺で新宮行きに乗っていたら

まず、番組を見た方が気になったのは、やはり紀伊田辺駅での失敗でしょう。見逃してしまった新宮行きバスに乗っていたらどうだったでしょうか。その場合は、以下のような乗り継ぎになります。

▽3日目
紀伊田辺駅10:15→12:43新宮駅13:00→14:48潮岬16:48→18:36新宮駅19:30→20:14熊野市駅

▽4日目
熊野市駅06:22→8:22滝原宮前09:20→10:17春日町→徒歩約6.5km→早馬瀬口12:05→12:31伊勢市駅16:30→17:08鳥羽バスセンター17:30→18:20国崎

ということで達成できたはずでした。つまり、ルイルイが進んでいたルートそのものは「正解」で、紀伊田辺駅での乗り逃しが成否を分けた、といえます。

ただ、今回はかなりルート選択に多様性があり、必ずしもこのルートでなければならなかった、というわけではなさそうです。ほかにどんなルートがあったのか、探してみましょう。

「正解ルート」は?

1日目、一行は粉河で宿泊し、翌朝のバスで南海和歌山市駅に到着します。和歌山市に着くのが07時38分。このあと、海南から下津を経由するルートを選び、途中何度も乗り換え、徒歩も交えて16時16分に金屋口に着きます。

しかし実際は、和歌山市から金屋口への直行バスがあります。このバスは、そのまま川原河に直行し、同日中に紀伊田辺まで乗り継げます。その場合は以下のようにつながります。

▽2日目
和歌山市10:55→12:31川原河14:21→15:24柳瀬16:42→17:33紀伊田辺駅

▽3日目
紀伊田辺駅06:35→08:33本宮大社前08:40→09:59新宮駅前11:00→12:48潮岬13:48→15:36新宮駅前16:30→17:17熊野市駅前

▽4日目
熊野市駅前06:22→08:22滝原宮前09:20→10:12春日町→徒歩約6.5km→早馬瀬口12:05→12:31伊勢市駅前13:28→14:29鳥羽バスターミナル15:20→16:15国崎

ご覧のとおり、全体的に無理のないルートです。これは「正解ルートの一つ」といえるのではないかと思います。

※と書きましたが、記事掲載後「和歌山市~金屋口のバスは途中で高速道路を通るのではないか」とのご指摘を受けました。たしかに、海南・有田間で阪和道を通るようですので、これは使えません。失礼しました。

堺東駅前で3分前のバスに乗ったら

少しさかのぼって、出発地の堺から和歌山県へ抜けるルートを検証してみましょう。堺東駅前で、一行は8時42分発の西区役所行きに乗っていますが、その3分前に光明池直通のバスがあります。それに乗っていたらどうでしょうか。

実際ルートとは少し異なりますが、以下のようにつながります。岸和田から貝塚への抜け方は複数ありますが、現実的に一行が探しやすそうなものを取り上げてみました。

▽1日目
堺東駅前08:39→09:29光明池駅09:44→10:00室堂10:09→10:14和泉中央駅10:36→11:20岸和田駅前→徒歩1.8km→津田北町会館前12:21→12:41貝塚市役所13:09→13:34二色浜駅前→徒歩1km→鶴原駅筋14:17→14:41泉佐野駅西口前→泉佐野駅前15:03→15:11熊取駅前16:05→16:50粉河駅前

上記ルートでは、泉佐野で実際より一本早い粉河行きバスに乗ることができ、粉河には17時前に着くことができます。とはいえ、粉河駅から和歌山市方面の最終バスは15時35分です。和歌山市へ行くなら、実際ルートと同様に粉河に泊まることになりますので、後の行程は同じです。

花園へ抜けていたら

ところが、この時間だと、17時26分発の橋本行きバスに乗ることができます。ここでもし橋本方面に向かった場合は、どうなるのでしょうか。

まず、橋本行きバスに乗り、笠田というバス停で降りて花園へ抜けるルートがあります。この場合、以下のようにつながります。

▽1日目
粉河駅前17:26→17:49笠田駅筋18:32→19:35花園

▽2日目
花園07:30→08:55金屋口11:54→12:31川原河14:20→15:24柳瀬16:42→17:33紀伊田辺駅

これは、上記であげた「正解ルートの一つ」と同じで紀伊田辺に泊まることになります。したがって、4日目に国崎に16:15に到着します。

これもルートとしては比較的きれいで、「正解ルートの一つ」といえるでしょう。

「八木新宮特急」に乗っていたら

では、粉河から橋本を目指してバスを乗り通した場合はどうなるでしょうか。

▽1日目
粉河駅前17:26→18:18橋本駅前

▽2日目
橋本駅前06:55→07:07真土→徒歩0.4km→畑田10:10→10:24五條バスターミナル10:40→15:44新宮駅16:00→17:48潮岬

と見事につながります。五條~新宮間のバスは本州最長距離を走ることで知られる「八木新宮特急」バスです。

ただし、このルートは、現在、国道168号線に不通区間があり、バスは途中の十津川町までしか行きません。この不通区間を迂回するのに、以下のようなルートがみつかりました。

▽2日目
五條バスターミナル10:40→13:06十津川村役場13:10→14:13田戸橋14:16→15:00志古15:07→15:44新宮駅16:00→17:48潮岬

このバスの志古~新宮は、「八木新宮特急」と同じダイヤ、つまり不通区間以外を運行する区間便です。そのため、「八木新宮特急」に乗り通した場合(168号が不通でない場合)と同じ時間に新宮に着くことができます。そして潮岬の到着時刻は、実際ルートの3日目と同じです。つまり、実際ルートより丸1日早いタイミングでの到着となります。

この場合、3日目が実際ルートの4日目と同じになりますので、3日目夜は伊勢市に泊まることになります。この場合、4日目は以下のようになります。

▽4日目
伊勢市07:40→08:18鳥羽バスセンター08:30→09:18国崎

4日目の午前中到着という快記録になったでしょう。ただ、現実的に考えて、この迂回ルートを見つけ出して乗り継ぐのは不可能だったと思います。そのため、「正解ルート」と呼ぶには躊躇します。

(※上記時刻の田戸橋→志古の時刻は植木電気鉄道株式会社を利用しています。非公式ページで少し情報が古いため、変更になっている可能性があります)。

168号線が不通でなければ

上記のルートはややこしく見えますが、国道168号線の一部が不通になっていなければ、五條~新宮が一本ですから、シンプルそのものです。

その国道168号線が不通になったのは、2015年7月19日のようです。今回のロケのコースを決定したのがいつかはわかりませんが、コースが候補に挙がった段階では、不通区間はなかったのかもしれません。言い換えれば、「八木新宮特急」が全線走っているものとしてルート作成をした可能性もあります。

「八木新宮特急」は本州最長の路線バスとして有名ですから、これをコースに取り入れることで、話題性を狙っていたのかもしれません。

粉河も大きな分かれ目だった

ここまで検証してみて思うことは、今回のコースの最初の大きな分かれ道は、粉河で東へ行くか、西へ行くか、だったといえます。ですから、「粉河で迷う」という場面があってもよかったのです。

ところが、ルイルイが堺東駅で3分前のバスを逃してしまったことで、粉河到着が遅くなり、東へ行くルートは事実上消えてしまいました。粉河からの橋本行きは17時26分一本だけだからです。

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6.5kmの歩きは避けられなかった?

さて、今回、最長の徒歩区間は、4日目の春日町~早馬瀬口の約6.5kmでした。この徒歩を避けることはできなかったのでしょうか。

実はこの区間を避けて、もっと短い距離の徒歩で済ますこともできました。滝原宮前からのバスを栃原というところで降りて、注連指口まで歩くのです。

これは、第11弾で一行が松阪から伊勢市に向かうときに利用した徒歩ルートです。それを覚えていれば活用できたはずです。でも、逆から来たので気づきにくかったのでしょう。

ルイルイの実際ルートにあてはめてみましょう。実際ルートの4日目は、以下の通りでした。

▽実際ルート・4日目
熊野市駅12:52→14:52滝原宮前16:30→17:27春日町→徒歩約6.5km→早馬瀬口20:00→20:25伊勢市駅

ここで、栃原で降りたらどうなるでしょうか。

▽4日目
熊野市駅12:52→14:52滝原宮前16:30→17:01栃原→徒歩約2.4km→注連指口17:50→18:34伊勢市駅

6.5kmの徒歩が2.4kmに短縮されました。その結果、伊勢市駅に着くのが2時間近くも早くなります。

ただ、この時間でもすでに伊勢市駅から鳥羽へのバスは終わっていて、国崎に到着できないことに変わりありません。栃原で降りなかったことは、決定的なミスではなかったといえます。

敗因は紀伊田辺

ということで、ルイルイの「新宮行きの10時15分発に乗らなかったのが敗因。全てはあそこだと思います」というのは正しく、紀伊田辺であのバスに乗り遅れてしまったことで、取り返しが付かなくなっています。

逆に言うと、3日目の朝に紀伊田辺駅10時15分のバスに乗れさえすれば良かったのですから、それより前は多少ミスをしても問題なかった、ということになります。前半でグダグダになっても、後半一気に取り返すことができたわけです。

大阪から和歌山への別ルート

さて、大阪から和歌山へのルートには、一行が利用した粉河熊取線のほか、岩出りんくう線・岩出樽井線という路線もあります。この路線を使うと、たとえば以下のようなルートがあります。

▽1日目
鶴原駅筋15:34→15:49りんくう総合医療センター→徒歩0.8km→りんくうタウン駅前16:20→17:10根来17:19→17:32紀伊駅前18:04→18:39南海和歌山市駅

1日目に和歌山市駅まで到達できるので、ルートとしては優れています。ただ、この日和歌山市まで到達しても、後に大きな影響はありません。

潮岬へのバスは9月で廃止

ところで、今回のルートの根幹をなす潮岬へのバスは2015年9月末を以て、勝浦~潮岬間が廃止されるそうです。つまり、今回の番組のコースは廃止前に作った「駆け込みルート」で、国道168号の復旧など待っていられなかったのかもしれません。

とはいえ、仮に八木新宮特急が支障なく走っていて、五條から新宮へ一本のバスで抜けてしまったら、それはそれでつまらない回になってしまっていた可能性があります。とどのつまり、番組的には国道168号は不通のほうがよかったのかもしれません。

秀逸なルート設定

ここまでいろいろ書き連ねましたが、今回のお題は確かに難解で、他にも「正解」と呼べるルートがありそうです。詳しく検証していませんが、河内長野を経由するルートもできそうですし、龍神温泉や十津川温泉に泊まる、というバリエーションの可能性もありました。

番組を見ていて先の読めない展開でしたし、前半失敗しても後半で取り返せる、という秀逸なルート設定だったと思います。チェックポイント制は「ルートを予感させる」という欠点がありますが、今回はその弊も免れています。

全国で路線バスの廃止が進んでいるため、「ローカル路線バス乗り継ぎの旅」は、ルートが枯渇気味であるという問題を抱えています。しかし、今回のような形で上手にチェックポイントを置けば、まだまだ新ルートを設定できそうです。そうした意味で、今回は、新しい展開を予感させる仕上がりの良い番組になっていたと思います。

ローカル路線バス乗り継ぎの旅 DVD

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