長野県でバス事業を運営するアルピコが、長野県白馬村でバスターミナルを中心とした大型複合施設を建設します。計画名称は「(仮称)白馬村北城プロジェクト」。白馬八方尾根スキー場に近い八方尾根入口交差点の南に建設し、2028年度以降の順次開業を目指します。アルピコは連結純資産の3割にあたる43億円を投じる予定で、社運を賭けた一大プロジェクトになりそうです。
白馬八方から300m
アルピコが、新たにバスターミナルを整備するのは、長野県北安曇郡白馬村北城です。八方尾根入口交差点の南で、現在の白馬八方バスターミナルの約300m南東に位置します。
八方尾根スキー場では、名木山にゴンドラ乗り場とセンターハウスを新設する予定ですが、新センターハウスからは約600mの距離です。
バスターミナルのほか、商業施設やホテルなどを整備します。計画地の面積は約36000平米で、東京ドームの77%の広さに相当します。
下の地図を見れば、近隣の諸施設に比べ、規模が図抜けて大きいことがわかるでしょう。

投資規模43億円
アルピコによりますと、地域住民向け説明会を2026年4月5日に開催。また、行政機関との協議も進めていることも明らかにしました。
土地の取得を含めた総投資額は約43億円。IR資料では、「2025年3月期の連結純資産の30%を上回る規模」と表現しています。会社の資産の3分の1を投じるわけですから、文字通り社運を賭けた、一大プロジェクトといえます。
乗降場を倍増
現在、アルピコHDは「白馬八方バスターミナル」を運営していて、長野・東京・大阪方面などへの高速バスや特急バスが発着しています。しかし、乗降場は3バースしかなく、スキー・スノボ客が訪れる冬季を中心に混雑が常態化しています。
新たに建設するバスターミナルでは、乗降場を倍増し、6バースに拡張。バスの受け入れ能力を高めます。また、貸切バスの待避所も設け、「白馬エリアの新しい玄関口」を目指します。
現在の白馬八方バスターミナルは、途中停留所として存続します。各バス路線は、現在のバスターミナルから新バスターミナルへと延長運転する形になるようで、周辺ルートに大きな変更はありません。ただ、一部のバスは、八方尾根スキー場の新センターハウスまで運転する可能性がありそうです。

スーパー、ホテルも
新バスターミナルには、商業施設とホテルを併設します。住民向け説明会には、アルピコ系のスーパーマーケットのデリシアが参加しているので、商業施設の核店舗はデリシアになるようです。
ホテルについての詳細は明らかではありませんが、会社側は説明会で「白馬の価値や魅力を高めることに貢献したいと考えているため、価格帯等で(近隣施設と)競合することは現時点で考えていない」と答えています。
この回答が意味するところは、既存の白馬エリアに競合が存在しないような、世界的ブランドの高級ホテルを誘致する、ということでしょう。
地域の拠点づくり
IR資料では、施設コンセプトとして「地域の顔づくり×地域価値向上×地域性の反映」を掲げています。
具体的には、新施設について、バスターミナルを核とした白馬の新しい玄関口と位置づけたうえで、インバウンドを含む長短期滞在需要に対応し、地域住民の日常利用も想定した商業機能を備え、白馬の里山景観や伝統文化を感じられる空間を整備する、といったことを打ち出しました。
開発規模からみても、たんなるバスターミナルや車庫としては大きすぎますので、交通・滞在・地域交流を一体化した、白馬の中心的拠点づくりを狙った開発といえそうです。
開業目標は2028年度(2029年3⽉期)以降とされました。バスターミナルをはじめとする各施設を、順次開業していく予定です。(鎌倉淳)
























