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JR羽田空港アクセス線、東京モノレールと連携へ。国際線接続に活用

第3ターミナルへは乗り継ぎで

JR東日本は、建設中の羽田空港アクセス線について、第3ターミナル(国際線)への接続のため、東京モノレールとの連携を検討していることを明らかにしました。羽田空港新駅からモノレールに乗り換えて第3ターミナルにアクセスしやすくすることで、国際線利用者の利便性を確保するようです。

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「第1、第3ターミナルへは課題」

JR羽田空港アクセス線は、東京駅から羽田空港まで最短18分で結ぶ新路線です。2031年度開業を目指して工事が進められており、開業後は、宇都宮線・高崎線・常磐線方面から羽田空港への直通列車が運行する計画です。

ただ、新設される羽田空港新駅(仮称)は、第2ターミナル近接の地下に整備されます。そのため、第1ターミナルや第3ターミナルからは離れています。とくに、第3ターミナルとは地下連絡通路でもつながっていません。

この問題について、JR東日本は、2026年3月のIRデーの質疑応答で、「第1、第3ターミナルまでの距離は課題になる」と認めました。

そのうえで、「第1ターミナルについては連絡通路の利便性の向上を図る」とし、「第3ターミナルについては東京モノレールとの乗り換え等の利便性を高めていく」と答え、東京モノレールと連携する方針を示しました。

羽田空港アクセス線と東京モノレール
画像:JR東日本

 
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JR東日本、「モノレール連携」に言及

第1ターミナルへは、地下連絡通路に何らかの「利便性向上策」を施すことで解決するということです。おそらくは、動く歩道などの導入を検討しているのでしょう。

また、第3ターミナルへのアクセスについては、JR東日本グループの東京モノレールへの乗り換えで解決するという対応方針を明確にしました。

これは、羽田アクセス線と東京モノレールとを、「接続する交通機関」として位置づけたことになります。公表されたIR資料には、「第3ターミナルへのアクセスなどは、羽田空港アクセス線と東京モノレールが連携し、効果を発揮する計画」と明記しました。

羽田空港新駅の配置計画図では、駅ホームから各ターミナルまでの旅客の動線が、紫のラインで示されています。第3ターミナル方面へは、東京モノレールに乗り換えるよう設計されていることが読み取れます。場合によっては、第2ターミナルへ行くのにも、モノレールを活用できそうです。

おそらく、羽田空港アクセス線の利用者は、同一運賃か割引運賃でモノレールに乗車できるといった特例を設けるのでしょう。

羽田空港アクセス線と東京モノレール
画像:JR東日本
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東京モノレールの役割が変わる?

羽田アクセス線が開業すれば、都心から羽田空港へのアクセスは、JRが主役になるでしょう。一方、東京モノレールは浜松町〜空港第2ターミナル間を最速18分で結んでいますが、羽田空港アクセス線の開業後、その役割は限定的となります。

しかし、IR資料では東京モノレールについて、羽田空港アクセス線開業後も、沿線の通勤需要だけでなく、「羽田空港周辺での利用増」も見込まれるとしました。

これは、東京モノレールを、羽田空港アクセス線の競合路線ではなく、第3ターミナル接続を担う補完路線として活用する考えを示したものといえそうです。

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「第3ターミナル延伸」は幻に?

羽田空港アクセス線には、将来的に、第3ターミナルまで延伸する構想もあります。しかし、現時点で具体化しているのは第2ターミナル付近までです。

上に掲載した駅の配置計画でも、ホームは頭端式になっていて、少なくとも第2ターミナル側の線路の延伸は困難です。第3ターミナル延伸は、当面、実現の可能性は小さく、幻に終わる可能性も小さくありません。

となると、今回の「モノレール連携」は、第3ターミナル延伸に代わる現実的対策として位置づけられているのでしょう。

羽田アクセス線は「モノレールとの接続を前提とした空港アクセスシステム」として整備されるのかもしれません。(鎌倉淳)

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旅行総合研究所タビリス代表。旅行ブロガー。旅に関するテーマ全般を、事業者側ではなく旅行者側の視点で取材。著書に『鉄道未来年表』(河出書房新社)、『大人のための 青春18きっぷ 観光列車の旅』(河出書房新社)、『死ぬまでに一度は行きたい世界の遺跡』(洋泉社)など。雑誌寄稿多数。連載に「テツ旅、バス旅」(観光経済新聞)。テレビ東京「ローカル路線バス乗り継ぎの旅」ルート検証動画にも出演。