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山陽新幹線、広島で系統分割。臨時「のぞみ」が「さくら」と接続

2026年夏の臨時列車

JR西日本は2026年夏の臨時列車として、山陽・九州新幹線で広島駅発着の「さくら」を設定し、東海道・山陽新幹線「のぞみ」と同一ホームで接続します。いわば、山陽新幹線を広島で系統分割する新たな試みですが、どのような狙いがあるのでしょうか。

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広島駅で5分接続

2026年夏の臨時列車で設定されるのは、広島~鹿児島中央間の「さくら783号」「さくら782号」です。いずれも広島駅で「のぞみ」と対面ホームで接続し、乗り換え時間は5分です。

下りは東京12時39分発の「のぞみ163号」が広島16時33分着。16時38分発の「さくら783号」と接続し、鹿児島中央に19時23分に到着します。

上りは鹿児島中央9時30分発の「さくら782号」が広島12時07分着。12時12分発の「のぞみ146号」に接続し、東京に16時06分に到着します。

山陽新幹線広島駅さくら

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新たな系統

東海道・山陽・九州新幹線は線路がつながっていますが、系統は大きくわけて新大阪駅と博多駅で分割されています。東海道新幹線と九州新幹線を直通する列車はなく、新大阪または博多で2列車が連絡する形となっています。

今回の広島接続の臨時列車の設定は、そうした既存の系統とは異なる、新たな系統の創出を意味します。

広島接続のぞみ・さくら時刻表
画像:JR西日本プレスリリース

 
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運行効率を最適化

ただ、東海道新幹線から九州新幹線へ乗り継ぐ旅客からみると、広島であっても乗り換えの手間は変わりません。そのため、今回の設定は、旅客の利便性の向上というよりは、事業者側が運行効率を最適化する目的が強いようにみえます。

東海道区間で高い需要のある「のぞみ」ですが、山陽区間では西に進むにつれ乗車率が落ちていきます。東京~博多間の直通列車では、区間ごとの需要差が大きく、輸送効率の面で課題を抱えています。

したがって、東海道・山陽新幹線の輸送を広島を境に分割することには、山陽区間の輸送を効率化する狙いがあるとみられます。東京~博多で16両の「のぞみ」を走らせるよりも、広島以西は8両の「さくら」にしたほうが効率的という判断です。

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「さくら」へのニーズと新神戸乗換

山陽・九州区間の利用者には、「のぞみ」より「さくら」に乗りたいというニーズもあります。山陽・九州新幹線の「さくら」指定席は2列+2列シートで、「のぞみ」の3列+2列シートより快適だからです。

また、「さくら」は、「のぞみ」「みずほ」の加算料金がかかりませんので、価格的にも割安です。

このため、東海道新幹線と九州新幹線を乗り継ぐ場合、新神戸駅で「のぞみ」から「さくら」に乗り換える利用者も少なくありません。新神戸駅はホーム移動なしで乗り換えられるので、負担が小さいためです。

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集中と分散

その結果として、新大阪・新神戸から山陽・九州方面へは、「さくら」に需要が集中し、繁忙期には満席で乗れないケースも発生しています。いっぽう、「のぞみ」は新大阪までに多くの客が降車しますので、新神戸以西で輸送力に余裕があります。

このため、乗換地点を、新神戸より西側へ設定する考え方が出てくるわけです。

新神戸以西の「さくら」が満席の場合でも、「のぞみ」で広島まで移動し、広島で「さくら」に乗り換えれば、空席を確保しやすくなります。今回の広島接続は、こうした需要の分散を後押しする仕組みともいえます。

広島駅では同一ホームでの対面接続となるため、利用者の乗り換えの負担は小さくなります。安くて快適な「さくら」への需要を受け止めつつ、利用者の集中を緩和する施策といえます。

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広島が結節点になるか

東海道・山陽新幹線では「のぞみ」が運行の主役で、高い輸送力を誇ります。しかし、西へ行くにつれ輸送力が過剰になりますので、どこまで走らせるかがダイヤの焦点となっています。広島で系統を分ける今回の取り組みは、その一つの解といえます。

需要の偏りを踏まえつつ、広島を結節点として機能させることで、山陽区間全体の輸送効率と柔軟性を両立させる取り組みでしょう。

今回の臨時列車が定着するかどうかは、利用状況次第ですが、広島を軸としたダイヤ設計の一つの試みとして、注目したいところです。(鎌倉淳)

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旅行総合研究所タビリス代表。旅行ブロガー。旅に関するテーマ全般を、事業者側ではなく旅行者側の視点で取材。著書に『鉄道未来年表』(河出書房新社)、『大人のための 青春18きっぷ 観光列車の旅』(河出書房新社)、『死ぬまでに一度は行きたい世界の遺跡』(洋泉社)など。雑誌寄稿多数。連載に「テツ旅、バス旅」(観光経済新聞)。テレビ東京「ローカル路線バス乗り継ぎの旅」ルート検証動画にも出演。