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広島電鉄駅前大橋線は「架線レス」に。路面電車にバッテリー搭載

開業は2024年度

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広島電鉄で新たに建設する駅前大橋線は、架線レスになりそうです。そのため、乗り入れ車両にはバッテリーを搭載します。開業は2024年度を目指します。

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広島市中心部へのショートカット路線

広島電鉄駅前大橋線は、広島駅から猿猴川に架かる「駅前大橋」を経て比治山町に至る1.2kmの新路線です。

現在の広島電鉄市内線の本線は、広島駅前からいったん東南へ向かい、猿猴橋町、的場町、稲荷町を経て西方面の市中心部に向かっています。この大回りを解消し、広島駅前から駅前大橋を経て稲荷町から市中心部へ抜けるショートカット新線が、駅前大橋線です。

駅前大橋線

屋根に蓄電池を搭載

駅前大橋線は、広島駅付近では高架となり、広島駅の新駅ビルの2階に乗り入れます。広島駅と稲荷町の間0.6kmでは、架線が張られない「架線レス」となるようです。

日本経済新聞2018年7月5日付は、「景観を保つため、新設するレールには架線を張らず、蓄電池の電気を使って走らせる」とし、「車両の屋根に搭載する小型で軽量な蓄電池の開発を急ぐ」としています。広島駅へ乗り入れる全車両の屋根にバッテリーを搭載するということです。

また、同紙では、広島駅南口再開発の完成は2024年度を目指すとしており、駅前大橋線の開業も同年度になりそうです。

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メーカーと研究を進める

駅前大橋線に架線を張らないという構想は、2017年6月9日付中国新聞で報じられています。当時の記事については「AND BUILD HIROSHIMA」というサイトで詳しく考察されていますので、興味のある方はご覧ください。

当時の報道では、小型バッテリーをどこに積むかが課題とされていましたが、今回の日経の報道では「屋根の上」であることが明かされました。今後、車両メーカーや電機メーカーと研究を進めるということです。

広島電鉄1000系
画像:広島電鉄

東芝が鹿児島市電で実験

路面電車に小型バッテリーを搭載する方式については、東芝が2015年に鹿児島市電で走行実験を行っています。このときは、24.3kWhのリチウムイオン二次電池を使った蓄電システムを鹿児島市交通局1000形路面電車に搭載し、架線からの電力供給を停止した状態で鹿児島駅前から郡元までを折返し、約10kmを走行しました。

東芝のシステムでは蓄電システムを座席の下に設置することを想定しており、既存車両にも搭載可能です。広島電鉄は座席下ではなく屋根の上に載せるそうなので、方法は異なります。いずれにせよ、既存車両に走行用バッテリーを載せることに関しての技術的なハードルは、それほど高くなさそうです。

東芝バッテリー
画像:東芝プレスリリース

他の区間も架線レスに?

2017年の中国新聞記事には、バッテリー車両を使っての新線計画(平和大通り線)も記されていました。となると、広島電鉄では、将来的には架線レス化を広く進めることを考えているとみていいでしょう。実際、駅前大橋線のために多くの車両にバッテリーを搭載すれば、他の区間でも架線レスを実施できます。

特に架線が蜘蛛の巣のように張り巡らせられる交差点部分では、架線は景観の妨げになっていますし、保守に手がかかります。走行車両すべてに小型バッテリーを搭載すれば、こうした厄介な場所から、架線を撤去することができます。

蓄電技術の進展や新車導入にあわせてバッテリー容量を大きくしていき、将来的には、電停など限られた場所にのみ架線を張る形にしていく。そんな未来すら、想像できそうです。(鎌倉淳)


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