東海道新幹線「個室」導入、わかっている情報まとめ。2026年度営業開始へ

気になるお値段は?

東海道新幹線に「個室」が復活します。営業開始は2026年度の予定。JR東海の発表と各社報道から、わかっている情報をまとめてみました。

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N700Sに2室

JR東海は、東海道新幹線の一部車両に、グリーン車より上質な設備の個室を2026年度に導入すると発表しました。

対象となる車両はN700ASで、1編成につき2室を設けます。

レッグレスト付きのリクライニングシートや個室専用のWi-Fiを備えるほか、照明や空調、車内放送の音量などは個別で調整できるようにします。

東海道新幹線グリーン個室
画像:JR東海プレスリリース

 
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回転しないシート?

プレスリリースの公式発表で伝えられているのは、上記の情報でほぼ全部です。

以下では、各社報道で伝えられた内容を交えながら、わかっていることと予想できることをまとめていきます。

まず、画像を見ると、回転しない仕様のようにも受け取れます。国内の優等列車のグリーン車で非回転シートはレアですが、個室席ならあり得るのかもしれません。

定員は1~2名とされていて、画像のような1名用個室のほか、2名用も検討されているようです。

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デッキ部分に設置

設置するのは、N700Sのデッキに隣接する部分。詳細は明らかにされていませんが、かつての喫煙ルーム、現在のビジネスブースのスペースを使うようで、車内販売準備室の活用も検討しているようです。

したがって、グリーン車なら10号車となりますが、グリーン車に隣接する7号車の8号車寄りの可能性もありそうです。

既存の客室配置を変更するわけではないので、一般客室の総座席数(1319席)に変化はありません。

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新造車両のみに設置?

導入総数は東海道新幹線の約130編成のうち1割程度と報じられていて、10数編成となります。

JR東海では2024年度から2026年度までの3年間で17編成のN700S導入を予定していますので、これらに個室を設ける形になるのでしょう。

導入数から推測すると、当面は新造車両のみの設定で、現行車両の改造は行わない可能性が高そうです。現行車両の改造は窓位置などの問題もありますので、難しいのかもしれません。

運行区間は東京~博多間の予定で、山陽新幹線にも乗り入れます。導入時期は2026年度中とされていますので、2027年3月ダイヤ改正で登場する可能性が高そうです。

東海道新幹線では、1985年にデビューした100系に個室がついていましたが、2003年に運行を終了しています。新たな個室は、約24年ぶりの復活となります。

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気になるお値段は?

気になるお値段ですが、東海道新幹線の「個室料金」は未定です。

当然、現行のグリーン車よりも高額に設定されるでしょう。

現行のグリーン車の価格を確認してみると、東京~新大阪間で運賃8,910円、グリーン料金(特急券込み)10,680円の計19,590円です。

ちなみに、同距離にJR東日本のグランクラス料金をあてはめると、座席のみで13,510円、サービス付きで15,600円です。すなわち、運賃・料金合計22,420円~24,510円となります。

一方、羽田~伊丹間の全日空プレミアムクラスの運賃は、通常価格が43,600円、標準的な割引価格が26,250円です。

東海道新幹線の個室は、供食などのサービスは付きませんが、「個室」というプレミアム感は格別です。そう考えると、グランクラスのサービス付き料金や飛行機のプレミアム割引運賃より、やや高めの価格帯に設定されるのではないでしょうか。

すなわち、東京~新大阪間26,000円~28,000円程度と予想しておきます。(鎌倉淳)

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