北陸新幹線の新駅名「越前たけふ」。仮称「南越」から穏当な命名に

福井鉄道と同音に

北陸新幹線敦賀延伸時に開業する新駅の名称が、「越前たけふ」と決まりました。仮称は「南越」でしたが、穏当な駅名となりました。

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6つの最終案から決定

北陸新幹線敦賀延伸の開業予定は2024年春。そのとき設けられる駅は6つです。このうち、小松、加賀温泉、芦原温泉、福井、敦賀の各駅は既存駅への併設です。唯一の新駅が福井~敦賀間の仮称「南越」駅で、その正式駅名が、「越前たけふ」に決定しました。

南越(仮称)の駅名については、立地する越前市が駅名候補選定委員会を設置して駅名案を検討。2020年5月に越前武生、新武生、越前市、南越たけふ、越前、武生新、南越、越前国府の8案を最初の候補としました。

つづく7月に越前武生(たけふ)、新武生、越前市、南越たけふ(武生)、越前、越前国府の6案に絞り、JR西日本に「要望」という形で伝えました。ひらがなと漢字を併記している案は、どちらでもいいとしました。これをJR西日本が検討のうえ、「越前たけふ」と決定したものです。

越前たけふ駅
画像:JR西日本

広域名と都市名を合体

南越駅が立地するのは越前市で、隣接自治体には越前町や南越前町もありますので、「越前」はこのエリアの広域的な地名といっていいでしょう。さらに、「越前」は福井県北部全体の旧国名でもあり、より広い地域を含みます。

また、越前市は、2005年に武生市と今立郡今立町が合併して誕生しました。駅の位置は旧武生市内です。

こうした地域名の成り立ちを考慮して、旧国名で広域的な地域名である「越前」と、かつての都市名である「武生」を組み合わせて新幹線駅名としたのでしょう。

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穏当な命名

JR西日本の前田洋明金沢支社長によると、「武生」をひらがなに開いたのは、「読みにくいとの声もあり、ソフトな印象のひらがなにした」という理由だそうです。

ただ、「越前武生」は、現在、福井鉄道で使われている駅名なので、全くの同字にならないための配慮にもみえます。同音にはなりますが、今後、福井鉄道の駅名を変えるかは不明です。ひらがなが新幹線駅名に含まれるのは、JR西日本では初めてです。

なお、当サイトでは、2020年5月7日の記事で、新駅名を「越前武生」と予想しました。

北陸新幹線「仮称:南越駅」の駅名選定が難しい理由。公表8案の最有力は?

筆者の予想はだいたい外れますが、今回は漢字がひらがなになっただけで、外れ方としては軽微でしょう。それだけ予想が簡単だったということで、多くの人が納得しやすい穏当な命名といえそうです。(鎌倉淳)

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