JR西日本が、JAL、ANAとの連携協定を締結しました。予約システムを連携し、列車と飛行機をシームレスに利用できる形をめざします。いわゆる「コードシェア」の導入も検討されそうです。
シームレスなしくみ目指す
JR西日本はJAL、ANAとそれぞれ、西日本の経済活性化などに向けた協定を締結したと発表しました。2030年代をめどに予約システムを連携し、列車と飛行機をシームレスに利用できるしくみを構築します。
具体的には、2030年代を目途に、各社それぞれの会員IDで、それぞれの予約システムから、鉄道と航空の両方が予約・決済できるようにすることをめざします。

ヨーロッパが先行
鉄道と航空の連携は、ヨーロッパが先行しています。
たとえばフランスでは、「TGV Air」というサービスがあり、フランス国鉄SNCFと各航空会社が提携しています。利用者は、パリまでの航空券に加え、シャルル・ド・ゴール空港から地方のSNCF駅まで、TGVのチケットを一体的に購入できます。
航空便の予約する際に、TGV駅を目的地に据えることができるわけで、航空会社側は、これを「コードシェア」とPRしています。飛行機と列車の接続を保証し、どちらかが遅れた場合、次便への振り替えが可能です。また、列車もマイルの積算対象になります。
JR東日本はJALと連携
日本でも、2026年2月に、JR東日本がJALとの連携を発表しました。両社は「コードシェアにとどまらない、戦略的に有効な手段」について検討をおこなうとしており、列車と飛行機のコードシェアを前提として、新たなサービスを提供する方針を明らかにしています。
今回発表された、JR西日本とJAL、ANAの「予約システム連携」がどのような形になるのかは明らかではありませんが、JR東日本同様、「コードシェア」を前提とした形になる可能性が高そうです。
関空発着は限られる
JR西日本は関西空港に乗り入れています。そのため、関西空港で、JALやANAの国際線と接続できます。たとえば香港→関西空港→京都といったチケットを、連携して発券することは、システムさえ整えば可能になるでしょう。
ただ、JAL、ANAとも、国際線は成田・羽田発着が主体で、関空発着は多くありません。そのため、関空接続に限れば、連携は限られた形になってしまいます。
国内線、鉄道をシームレスに
今回の発表によると、連携で目指すのは、国際線の発着空港(羽田・成田・関西)と国内線、鉄道の各ネットワークをシームレスにつなぐことです。
これにより、西日本エリアへのインバウンドを拡大し、エリア全体での滞在時間延長や、経済波及の実現を図るとしています。
JALとの連携のイメージには、南紀白浜空港を利用する周遊ルートが描かれています。南紀白浜空港のJAL便は羽田発着だけなので、このルートは、国際線→羽田→(JAL)→南紀白浜→(JR)→大阪→(JR)→東京→国際線といった周り方をイメージしているようです。

つまり、関空発着やJR西日本管内にこだわらず、全国の新幹線や在来線特急を含め、周遊ルートのチケットを一体的に予約できる方法を検討しているようです。たんなるコードシェアを超えた、包括的な予約システムの連携といえるかもしれません。
より旅行をしやすく
利用者としては、チケットの予約や管理は面倒です。また、たとえば航空便遅延などにより、列車に乗り遅れたりする影響も心配です。
予約を一元化することで、こうした面倒や不安が解消されるのであれば、利用者は、より旅行がしやすくなりそうです。
列車と飛行機のチケットの一元化がJR東日本とJR西日本で定着すれば、JR北海道やJR九州など、他のJR各社にも広まっていくでしょう。その点でも注目の施策と言えます。(鎌倉淳)




















