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羽田空港駐車場「満車日」が激減。値上げ効果、完全解消には至らず

長時間利用が減少

羽田空港の駐車場料金値上げから、もうすぐ1年です。混雑緩和を狙った料金改定でしたが、その効果が明らかになりました。長時間駐車が減少したことで満車日が激減し、待機台数も減少しました。ただ、混雑が完全に解消したとまではいえないようです。

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「短時間は値下げ、長時間は値上げ」

羽田空港では2025年夏から順次、P1~P5駐車場の料金体系を見直しました。8月1日にP1~P4の料金を改定し、10月24日にP5を改定しました。

改定の狙いは、「短時間利用者の利便性向上」と「長時間利用の抑制」でした。そのため、1時間以内の料金を引き下げ、24時間以上の駐車料金を大幅に引き上げました。

国内線利用者が中心のP1~P4では、1時間の利用料金を300円から200円に引き下げています。一方で、24時間最大料金を通常期1,530円から2,800円とし、多客期は2,140円から3,400円へと大幅に値上げしました。

国交省は当時、空港周辺の路上駐車や駐車場満車の常態化を問題視しており、新たな料金体系は、「長時間利用を抑えることで混雑を緩和し、短時間利用をしやすい環境を整える」ことを目的としたものでした。

羽田空港駐車場

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長時間利用は減少、短時間利用は増加

国交省は、2026年6月10日開催された「羽田空港の機能・施設等に関する検討会」において、料金改定後の利用状況を明らかにしました。

公表された資料によりますと、国内線利用者中心のP1~P4では、12時間以上の長時間利用が前年同期比で5%減少しました。一方、2時間以内の短時間利用は15%増加しました。

国際線利用者が中心のP5では、長時間利用が10%減少し、短時間利用は26%増加しています。

羽田空港駐車場混雑データ
画像:羽田空港の機能・施設等に関する検討会第5回 資料

 
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満車日数は激減

長時間利用者が減少したことで、満車日数が激減しました。P1~P4では満車日数が39%減少し、P5では78%も減少しました。

P5は国際線利用者が多いため、長時間駐車が多いという特徴があります。そのため、今回の長時間利用の値上げは、P5の混雑緩和に高い効果を発揮したようです。

とくに、年末年始の多客期に、P5が満車になった日は1日もありませんでした。

ただ、P5の値上げは10月に実施されたので、値上げ後のデータも10月から3月までに限られます。年末年始以外の多客期のデータは含まれていません。

そのため、より正確な評価は、ゴールデンウィークや夏休みの状況を見てからになるでしょう。

羽田空港駐車場混雑データ
羽田空港の機能・施設等に関する検討会第5回 資料

 
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入場待機台数も減少

深夜0時時点の在車数は、P1~P4、P5ともに6%減少しています。これも、長期間停め続ける利用が減ったことを裏付けています。

満車時の入場待機台数も減少しています。P1~P4では21%減、P5では9%減となり、待ち時間も短くなったことが示されました。

具体的な入場待機台数は、P1~P4で最大24台程度、P5で最大50台程度です。各駐車場の収容台数は2,000台以上ありますので、割合としては多くありません。ただ、到着便の少ない早朝時間帯は、空車も出にくいので、注意が必要です。

羽田空港駐車場混雑データ
画像:羽田空港の機能・施設等に関する検討会第5回 資料

 
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利用行動の変化

これらのデータからは、料金改定によって駐車場利用者の行動が変わったことが読み取れます。

すなわち、長時間駐車の減少により、空車の時間が増え、送迎時に停めやすくなり、短時間利用が増えました。

結果として、駐車場の回転率も向上しました。資料にはありませんが、路上駐車減少にも効果があったとみられます。

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それでも繁忙期は満車が続く

もっとも、羽田空港の駐車場問題が、完全に解決したわけではありません。

満車日が減少したといっても、P1~P4では、全期間平均で30%以上の満車日が発生しています。平均して週に2日は満車になっているわけで、週末の満車が当たり前である状況に、変わりはありません。

国交省も、資料のなかで、「満車日数は減少したものの、多客期を中心に依然として満車が発生している」ことを認めています。

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一定の効果

今回の検証結果を見る限り、値上げは混雑緩和に一定の効果をもたらしたといえます。

たとえば、1泊2日の週末旅行の場合、これまでの駐車場代は3,060円でしたが、都内からのリムジンバスは往復3,000円前後で、ほぼ同額でした。高速代やガス代は別途かかりますが、利便性を勘案すれば、マイカー利用に一定の価格的合理性がありました。

ところが、新価格で駐車場代は5,600円となり、少なくとも一人利用では高くなりすぎました。そのため、マイカーをやめて、公共交通機関利用にした人が少なくなかったのでしょう。

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さらなる値上げの可能性も

筆者の実感でも、以前は連休などは早朝に満車になってしまうことが多かったのですが、最近は満車になる場合も、時間が後ろだおしになったように感じられます。

とはいえ、依然として、羽田空港駐車場が満車になることは珍しくありません。クルマで羽田空港を訪れる際は、満車時に並べるだけの時間的な余裕を持っておかないと、怖くて使えない、という問題は残されています。

国交省では、さらなる料金改定も検討しているそうです。ただ、混雑緩和の手段が値上げばかりでは、利用者として厳しい話です。ターミナルから離れた場所でもよいので、駐車場そのものの増設も検討して欲しいところでしょう。(鎌倉淳)

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旅行総合研究所タビリス代表。旅行ブロガー。旅に関するテーマ全般を、事業者側ではなく旅行者側の視点で取材。著書に『鉄道未来年表』(河出書房新社)、『大人のための 青春18きっぷ 観光列車の旅』(河出書房新社)、『死ぬまでに一度は行きたい世界の遺跡』(洋泉社)など。雑誌寄稿多数。連載に「テツ旅、バス旅」(観光経済新聞)。テレビ東京「ローカル路線バス乗り継ぎの旅」ルート検証動画にも出演。