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北陸新幹線延伸、JR東海が東海道新幹線直通を拒否。米原ルート、実現さらに遠のく

与党整備委員会で

北陸新幹線の新大阪延伸で、JR東海が米原ルートでの東海道新幹線への直通運転について、困難という見解を改めて明らかにしました。事実上、拒否の姿勢を見せたといえます。JR西日本や滋賀県も否定的な姿勢を示していて、米原ルートの実現はさらに遠のきました。

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与党整備委員会で

自民党と日本維新の会は2026年4月27日、北陸新幹線敦賀~新大阪延伸を議論する与党整備委員会の会合を開き、JR東海の武田健太郎副社長から意見聴取しました。

会合後の記者会見で、武田副社長は、米原ルートで北陸新幹線と東海道新幹線が直通運転することについて、「到底困難」という認識を表明しました。

理由として、現状のダイヤが過密で乗り入れる余地がないことや、北陸新幹線と東海道新幹線でシステムが異なることなどを理由に挙げています。

いっぽう、米原駅での乗り換えによる接続については「技術的な課題はないが、具体的に検討しているわけではないので、我々から特段申し上げることはない」と述べるにとどめました。

北陸新幹線E7系

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事実上の拒否

北陸新幹線の新大阪延伸については、2016年に小浜・京都ルートで決定して、すでに調査が進められています。

ただ、決定から10年経っても詳細ルートが決定しておらず、事業着手に至っていません。

そのため、与党入りした日本維新の会が再検討を求めて議論が進められているわけですが、代案となりうる米原ルートについて、JR東海が事実上、拒否した形です。

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リニア開業後は想定できない

JR東海は品川~新大阪間でリニア中央新幹線の建設も進めていて、全線開業すれば東海道新幹線から、多くの旅客が移るとみられます。その場合、米原~新大阪間の列車本数が減ることから、線路容量に空きが出て、北陸新幹線を走らせる余裕が出るという見方もあります。

これについて、会合に参加した維新の前原誠司議員によると、JR東海側は、「名古屋・大阪間のリニア開通の目途が立っていないなかで、かなり先のことになるので想定はできないという話だった」と説明しました。

前原氏は「北陸新幹線の全線開通についても25年から30年先の話であり、リニアができた後は今までの過密ダイヤではなく、乗り入れる余地があるのではと思うなかで、今一度議論が必要ではないかと感じた」と未練を残しながらも、「JR東海の理解が得られなければ米原での乗り入れはできない。きわめてネガティブな反応だと確認できた」と受け止めています。

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実現性はさらに小さく

与党整備委員会のヒアリングでは、JR西日本の倉坂昇治社長も、3月の会合で、米原ルートについて「非現実的」という認識を示しています。

会合に出席した稲田朋美議員は、「両方の運輸業者が安全安定の確保はできないと言っているのは非常に大きくて、(米原ルートは)外さざるを得ない」との認識を示しました。

また、滋賀県の三日月大造知事も、4月8日の会合で「求めることはない」という姿勢を示しています。鉄道事業者と地元自治体が否定的な姿勢を示したことで、米原ルート実現の可能性はさらに小さくなったといえます。

整備委員会は、今後、京都や大阪の首長からも意見聴取をおこなう予定です。小浜・京都ルートで負担が大きいのは大阪府と京都府なので、両府の姿勢も事業の行方を左右しそうです。(鎌倉淳)

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