福岡県の第三セクター、平成筑豊鉄道の廃止方針が事実上決定しました。あり方を検討する法定協議会で、路線バスへの転換を支持する意見が多数となったためです。
総延長49.2km
平成筑豊鉄道は福岡県の第三セクター鉄道です。旧国鉄特定地方交通線の伊田線、糸田線、田川線の各線を引き継いだほか、2009年4月からは、北九州市からの委託で門司港レトロ観光線のトロッコ列車も運行しています。門司港レトロ観光線を除く営業キロは49.2kmです。
近年は人口減少などによる利用者減少に苦しんでおり、将来的に多額の赤字も見込まれています。そのため、福岡県が「平成筑豊鉄道沿線地域公共交通協議会」を法定協議会として設置。鉄道上下分離による存続、BRT転換、路線バス転換の3つの選択肢で結論を出すことになっていました。

路線バス支持が多数
各社報道によりますと、国や自治体関係者などで構成する法定協議会の27委員のうち、座長を除く26委員が書面で投票。その結果、路線バス支持が8票で最多となりました。次いでBRT支持が4票、上下分離方式(鉄道維持)支持が2票で、棄権が12票でした。
委員の構成は、9市町村から各1名、福岡県から7名(座長1名含む)、国土交通省から3名、公安委員会から1名、学識経験者が2名、交通事業者(平成筑豊鉄道、バス会社など)から5名です。
棄権したのは市町村と交通事業者を除く12名です。基礎自治体と交通事業者という「当事者」のみが投票し、国、県、学者という「部外者」は、投票を控えました。
平成筑豊鉄道も、鉄道維持に投票せず
事前に沿線9市町村がそれぞれ公表していた意向は、路線バス支持が5市町村、BRT支持が2市、上下分離方式支持が2町でしたので、市町村以外で路線バスとBRTにそれぞれ3票、2票が入った形になります。
いっぽう、上下分離には、2つの自治体以外の上乗せはありませんでした。つまり、当事者中の当事者である平成筑豊鉄道も、鉄道維持に投票しなかったことになります。
赤字額に大きな違い
協議会が試算した今後30年間で発生する自治体負担の赤字額では、路線バスの場合が累計110億円と最少でした。上下分離で鉄道を維持した場合は同439億円、BRTは同148億円となっていました。
財政難の自治体としては、こうした数字を示されると、鉄道を維持するという選択肢に投票しづらかったのでしょう。
他路線にも影響?
とまれ、この投票結果が尊重されるのであれば、平成筑豊鉄道は廃止に向けた手続きが始まることになります。実際の廃止時期は未定ですが、早ければ自治体の予算が切れる2027年3月末を以て廃止になる可能性があるでしょう。
特定地方交通線から転換した第三セクター鉄道のうち、廃止された路線としては、北海道ちほく高原鉄道ふるさと銀河線、神岡鉄道神岡線、のと鉄道七尾線(一部)、同能登線、三木鉄道三木線、高千穂鉄道高千穂線があります。
平成筑豊鉄道は、総延長50km近くの路線規模を有するだけに、廃止となれば衝撃は大きいでしょう。存廃を議論している第三セクター鉄道事業者は他にも各地にありますので、影響を与えそうです。(鎌倉淳)






















