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JR西日本が北陸新幹線で「小浜・京都ルート」を提案。唐突だけれど最有力になりそうなこれだけの理由

JR西日本が、北陸新幹線の延伸計画で、小浜駅と京都駅を通る独自案「小浜・京都ルート」を新たに策定しました。敦賀駅から小浜駅、京都駅を経て新大阪駅に着くルートです。日本経済新聞が報じました。

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ルート絞り込みが本格化

北陸新幹線は2022年度までに金沢駅から敦賀駅までの新区間が開業する予定です。敦賀駅から西については未定ですが、国土交通省は2016年度予算概算要求でルートの調査費として8億4500万円を盛り込み、絞り込みを本格化しています。

北陸新幹線の敦賀以西の延伸ルートに関しては、「米原ルート」「湖西ルート」「小浜ルート」の3つが候補に挙がっています。しかし、これまでJR西日本は支持を明確にしてきませんでした。同社の真鍋精志社長は、2015年2月の記者会見で、「主体的にルートを決める立場にない」とコメントしています。

E7系東京駅

JR西日本のホンネは「京都経由で全部自社路線」

ただ、ホンネは少し違うようです。真鍋社長は同じ記者会見で、米原ルートに関してのみ発言し、「東海道新幹線のダイヤが過密である」「東海道新幹線と運行システムが違う」などの問題点を挙げていて、否定的な考えを示しています。

JR西日本としては、もし米原ルートに決まった場合、米原~新大阪間がJR東海の管轄になってしまい、自社収入が減る可能性があります。それを避けるには、敦賀~新大阪間が全線JR西日本管轄になるのが望ましいわけです。そして、できれば大都市で観光地の京都は通して欲しい、という立場とみられます。

つまり、JR西日本のホンネは、「京都経由で全部自社路線」に違いありません。となると、3ルートなら該当するのは湖西ルートです。

ただ、現状では、湖西ルートは3ルートのなかで有力とは言えません。走行ルートが長くなる滋賀県が巨額の建設費負担を嫌っているうえに、湖西線の第三セクター化を恐れて反対しているためです。地元が嫌うルートは受け入れられません。

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小浜、大津、京都を経由

そんな背景があり、いよいよルート決定が動き出したタイミングで、JR西日本は、「小浜市を巻き込んだ京都経由案」を打ち出したのだとみられます。

小浜・京都ルートは、福井県小浜市から南下して滋賀県大津市付近を通り、京都駅、新大阪駅につながるものです。2015年8月29日付日本経済新聞によりますと、「敦賀~京都を先行開業し、京都~新大阪は深さ40メートル以上で地権者の同意が原則、不要となる『大深度地下』を通る計画」とのことです。

率直な印象としては、このルートよりも、小浜を経由しない湖西ルートにしたほうが建設費は安いでしょうし、路線形状としても合理的です。ただ、前述したように、滋賀県が反対している以上、湖西ルートの旗色は良くありません。

多くの自治体が受け入れやすい案

一方、小浜・京都ルートは、滋賀県の走行ルートが少ないため、同県の建設費負担が少なくて済みます。また、湖西線の並行在来線問題も発生しません。しかも、県庁所在地である大津市に作ろうと思えば新駅を作れます。そのため、滋賀県の支持を得られやすいわけです。

また、小浜ルートを支持する福井県の支持も得られます。京都府としても、亀岡市を通る小浜ルートよりは、京都市を通る小浜・京都ルートを推すでしょう。つまり、3府県全てが受け入れやすい案なのです。反対する自治体があるとすれば、亀岡市くらいでしょう。

ということで、福井、滋賀、京都の地元3府県の支持を得られそうで、JR西日本に最大メリットのあるのが「小浜・京都ルート」。唐突に浮上した新案ですが、新幹線建設が政治的な妥協のうえに決定される以上、この案はかなり有力になりそうです。

京都~新大阪の先送りは無責任

ただ、この案の最大の問題点は、京都~新大阪の大深度地下です。いったいいくらかかるのか見当もつきませんが、巨費となるのは間違いありません。となると、北陸新幹線程度の需要の路線に巨費を投じて建設するのかという議論がついて回り、なかなか着工に至らない可能性があります。

この区間では、大阪府が地域にメリットの少ない路線に、巨額の税金を投じなければならなくなります。それを大阪府が受け入れるのならいいですが、そうでないなら、今度は「京都止まり」の状態が長く続いてしまうわけです。

今回、JR西日本が「京都までの先行開業」を謳っているのは、この最大の問題点の先送りを意図しているのかもしれません。だとすれば、無責任にも思えます。「小浜・京都ルート」は良い案だとは思いますが、作るなら一括開業を前提に議論すべきではないでしょういか。

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