JR5社、全国395線区輸送密度ランキング2021年版。1000未満が110線区も

ワーストはあの路線

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JR東海の路線別輸送密度

JR6社のうち、線区別輸送密度を唯一公表していないのがJR東海です。

ただ、国交省が公表している鉄道統計年報では、路線別の数字を明らかにしています。鉄道統計年報は数字が出るのが遅いですが、現在公表されている2019年度のJR東海の全線区の輸送密度について、参考資料としてランキングにしてみました。

JR東海各線の輸送密度(2019年度)
路線名 区間 輸送密度
名松線 松阪~伊勢奥津 287
紀勢線 亀山~新宮 1,721
参宮線 多気~鳥羽 1,765
飯田線 豊橋~辰野 1,799
身延線 富士~甲府 2,983
高山線 岐阜~猪谷 3,366
太多線 多治見~美濃太田 5,462
御殿場線 国府津~沼津 7,218
武豊線 大府~武豊 9,738
関西線 名古屋~亀山 14,252
中央線 塩尻~名古屋 29,788
東海道線 熱海~米原 48,113
東海道新幹線 東京~新大阪 267,039
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東海道新幹線が圧倒的

最も数字が悪いのが名松線287です。次いで紀勢線の1,721、参宮線1,765、飯田線1,799と続きます。身延線、高山線までが、輸送密度4,000人未満の特定地方交通線水準です。新型コロナの影響を受けた2021年度なら、太多線も4,000人未満に沈むかもしれません。

同社の幹線区間である中央線は29,788にとどまりますが、名古屋圏に限ればもっと高いでしょう。東海道線は48,113で、静岡、愛知、岐阜、滋賀の4県に及ぶ341.3km区間の平均と考えれば、相当に高い水準です。

そして、なんと言っても東海道新幹線の26万人超えは圧倒的です。新幹線は客単価が高いので、収益性では山手線や埼京線を凌駕するかもしれません。そんな線区を500km以上も有しているのですから、JR東海の収益力が高いのも頷けます。JR東海の運輸収入の9割が東海道新幹線によるものです。

JR東海も輸送密度の低い路線を抱えてはいますが、東海道新幹線の収益力からすれば、取るに足らない問題でしょう。同社は、線区別の収支などを公表する予定はなく、名松線も含めてローカル線を廃止する予定はありません。(鎌倉淳)

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