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令和時代の新線・新列車「注目」ランキング

リニアからローカル線まで

いよいよ令和時代が幕を開けました。新たな元号の下で開業しそうな鉄道新線や、登場しそうな新列車、新サービスなどで、注目度の高いものをランキングにしてみました。ランキングは筆者の主観です。異論は認めます。

1位 リニア中央新幹線

令和時代を代表しそうな鉄道新線は、なんと言ってもリニア中央新幹線でしょう。超伝導リニアモーターカーを本格的な高速鉄道に導入するのは世界初。最高速度500km/hで運転します。これまでの鉄道の常識を打ち破る、新しい乗り物です。

大成功を収めるのか、名古屋乗り換えを嫌って東海道新幹線が根強い人気を保つのか、それともトラブル続出で大騒ぎになるのか。どうなるかはわかりませんが、世界の鉄道界に大きなインパクトを与えるのは間違いありません。

開業予定は2027年(令和9年)です。

中央リニア

2位 北海道新幹線札幌開業と「ALFA-X」

新幹線で最大の注目路線は、北海道新幹線の札幌開業でしょう。日本最北の政令指定都市へ新幹線が到達することは、やっぱり意義深いです。

札幌開業に向けて、JR東日本では次世代新幹線車両「ALFA-X」を開発中で、最高速度360km/hの営業運転を目指しています。その点でも令和時代を象徴する高速鉄道事業となりそうです。

北海道新幹線札幌開業時には、新たな列車名が登場する可能性も高そう。伝統ある名称から採用するなら、「はくちょう」や「はつかり」といった列車名になるのでしょうか(筆者の妄想です)。

開業予定は2030年度(令和12年度)。JR北海道は、東京~札幌間が4時間半で結ばれることを目指しています。

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3位 宇都宮ライトレール

路面電車の全線新設は、平成時代には一つもありませんでした。それを打ち破り、令和時代には、宇都宮ライトレールが2021年度(令和3年度)に誕生します。

日本初の全面新設LRTでもあり、路面電車新時代を予感させてくれます。JR宇都宮駅東口~本田技研北門の約14.6kmが建設中で、自動車道路との併用区間が約9.4km、鉄道車両のみが走行する専用区間が約5.1kmです。

LRTの計画は日本各地に存在し、宇都宮が成功すれば、追随する自治体が出てくるかもしれません。令和時代は「LRTの時代」になるのでしょうか。

宇都宮LRT車両
画像:「LRT START BOOK」(宇都宮市)より

4位 JR羽田空港アクセス線

在来線で最大級のプロジェクトは、JR東日本の羽田空港アクセス線でしょう。羽田空港を起点に、東山手ルート、西山手ルート、臨海部ルートの3ルートを建設します。

完成すれば、羽田空港から東京、上野、渋谷、新宿、池袋、大宮、東京テレポートといった主要駅までが直通で結ばれます。東京都内や埼玉県からの羽田空港アクセスが、画期的に改善するでしょう。

りんかい線と京葉線の相互乗り入れが実現すれば、新木場から先、蘇我方面までの直通運転も行われそうです。東山手ルートは2028年度(令和10年度)の開業予定です。

羽田空港アクセス線地図
画像:JR東日本グループ経営ビジョン「変革 2027」

5位 JR・南海なにわ筋線

西日本で注目の鉄道新線といえば、JR、南海の共同事業なにわ筋線でしょうか。JR北梅田駅とJR難波・南海新難波駅を結ぶ地下路線です。

完成すれば、関空特急「はるか」「ラピート」が走り、大阪北部から関西空港へのアクセスが飛躍的に改善します。2030年度(令和12年度)の開業予定です。

なにわ筋線全体図
画像:「大阪都市計画都市高速鉄道 なにわ筋線に係る環境影響評価方法書要約書」より
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6位 長崎新幹線

2022年度(令和4年度)には、長崎新幹線の武雄温泉~長崎間が開業します。博多~武雄温泉間は在来線特急が走り、武雄温泉で対面接続する「リレー方式」です。

もともとは、フリーゲージトレインを導入し博多や新大阪からの直通運転が想定されていました。ところが車両開発がうまくいかず、リレー方式での開業となります。

新鳥栖~武雄温泉間については、現在、フル規格での整備に向けて与党が調整していますが、地元・佐賀県が拒否。この区間を将来的にどうするかは未定です。

長崎新幹線は、令和時代にどういう形で決着するのか。あるいは、打つ手無しでリレー方式が定着するのか。そうした意味で、注目です。

長崎新幹線
画像:長崎県

7位 近鉄特急の新車両

長崎新幹線で失敗したフリーゲージトレインの技術を、近鉄が引き取って、実用化に向けて検討を進めています。近鉄は、大阪・京都・名古屋線系統と南大阪線系統で線路の幅が異なるため、両系統の直通運転ができません。そこでフリーゲージトレイン導入を検討しているわけです。

フリーゲージトレイン技術が実用化されれば、京都~吉野間に直通特急などを走らせることができます。実現すれば、日本初のフリーゲージトレイン列車となります。

近鉄では、このほか、大阪メトロ中央線の夢洲延伸にあわせて、奈良線と直通する特急の開発も検討しています。これには、架線方式と第三軌条方式とを直通できる車両が必要です。こちらも、実現すれば、日本初の車両となります。

いずれの計画も実現性は未知数ですが、令和時代は、チャレンジングな近鉄特急の新車両にも注目したいところです。

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8位 東西の着席サービス

令和時代は、通勤列車の着席サービスが拡大する時代になりそうです。人口減少が進み、列車の混雑の緩和が見込まれるなか、各社とも着席サービスを導入する余力が出てきました。

なかでも注目は、JR東日本の中央線快速へのグリーン車導入と、JR西日本が新快速に導入した「Aシート」でしょうか。

中央線快速へのグリーン車導入は、運行区間の全44駅で改良工事を実施し、グリーン車両116両(2両×58編成)を増備するという大プロジェクトです。2023年度(令和5年度)末のサービス開始予定です。

新快速の「Aシート」は、2019年(平成31年)3月に1日4往復で試験的な導入が開始されました。

昭和・平成時代は、関西では有料着席サービスはうまくいかないとされてきましたが、令和時代はどうでしょうか。全列車に連結されるほどに定着すれば、令和時代を象徴する関西の新鉄道サービスになるかもしれません。

中央線グリーン車イメージ
画像:JR東日本

9位「WEST EXPRESS銀河」

 

JR西日本が開発を進めている新たな長距離列車が、「WEST EXPRESS(ウエストエクスプレス)銀河」です。117系車両を改造して、手頃な料金で乗車できる観光列車に仕立てるもので、2020年(令和2年)春に登場します。

平成時代には、同社の観光列車「トワイライトエクスプレス瑞風」など、豪華クルーズトレインが続々登場しました。「ウエストエクスプレス銀河」は、カジュアルなクルーズトレインとして、令和時代を代表する新たな観光列車の先駆けとなるのでしょうか。

ウエストエクスプレス銀河外観
画像:JR西日本
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10位 東海道新幹線N700S

2020年度(令和2年度)に登場する東海道新幹線の次世代車両がN700S系です。「SiC素子」と呼ばれる次世代の半導体を駆動システムに採用し、省エネ化を実現しました。グリーン車などに「フルアクティブ制震制御装置」を設置して乗り心地を向上させ、車内には全座席にコンセントを設置します。

中央リニア新幹線が登場するまでの間、東海道・山陽新幹線の主力車両として活躍しそうです。その点で、令和日本を代表する車両になるのは間違いないのですが、なぜかトキめかないので、10位としました。

11位 阿佐海岸鉄道「DMV」

DMV(デュアル・モード・ビークル)とは、線路と道路の両方を走れる新しい乗り物です。かつて、JR北海道が開発に積極的でしたが、経営難で開発を断念。徳島県が引き取って、阿佐海岸鉄道に導入します。

すでに導入するDMV車両も公開しており、2020年(令和2年)に牟岐線・阿波海南駅と阿佐東線・甲浦駅の間で本格営業を目指しています。DMVの営業運転は世界初です。

「令和新時代を切り開く新車両」というよりは、ローカル線をどう活かすか、という令和時代の命題に向き合う一つの事例となりそうです。(鎌倉淳)