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江ノ電が小田急の完全子会社に。江ノ島・鎌倉エリアはどう変わる?

箱根の前例にならう?

小田急電鉄が江ノ島電鉄を完全子会社とします。両社の連携強化や、人手不足への対応を見据えたものです。

55.84%の筆頭株主

江ノ島電鉄は、1926年に設立された江ノ島電気鉄道が発祥。1928年に東京電灯(現・東京電力)から鉄道路線を譲り受け、鉄道事業を開始しました。

戦時統合による東京横浜電鉄傘下を経て、1953年に小田急グループ入り。以来、半世紀以上にわたり、小田急傘下の鉄道会社として、江ノ島、鎌倉地域で事業を続けています。

現在、小田急電鉄は江ノ島電鉄株式の55.84%を保有する筆頭株主です。神奈川中央交通が8.5%の2位株主で、以下、三井住友信託銀行、横浜銀行などが株式を保有しています。神奈川中央交通の筆頭株主も小田急電鉄(45.19%)ですので、江ノ電は小田急色のきわめて強い鉄道会社です。

江ノ電

簡易株式交換

小田急電鉄は、2019年10月1日に江ノ島電鉄株1株に対して、小田急電鉄株1.2株を割り当てる簡易株式交換を実施することを発表しました。江ノ島電鉄を完全連結子会社化します。

ちなみに、小田急の1株あたり純資産は1,061.37円、江ノ電は1,323.12円です。株式交換後に、江ノ電の役員変更などはありません。

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人手不足に対応

小田急は、江ノ電を完全子会社化する理由として、少子高齢化による人口減少・人手不足の問題や、小田急の技術の活用を挙げています。

具体的には、自動車事業における運転士不足への対応を見据えた自動運転技術に関する連携や、不動産事業における老朽化物件への対応などです。レジャー・サービス事業では、江ノ島・鎌倉エリアの宿泊施設など観光拠点の開発にも取り組むとしています。

小田急は、江ノ島・鎌倉エリアを箱根と並ぶ重要な観光拠点と考えています。その開発を進めるにあたり、両社の連携を強化し、人手不足対応や技術支援をしなければならない、ということのようです。

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箱根登山鉄道の前例

小田急は、かつて東証一部企業だった箱根登山鉄道を、2003年に完全子会社化した実績があります。その後、小田急箱根ホールディングスを設立し、箱根登山鉄道、箱根登山バス、小田急箱根高速バス、箱根ロープウェイなどを傘下に入れる事業会社の再編を行いました。

箱根の例にならえば、江ノ島・鎌倉でも、今後、さらなる運営再編が行われる可能性があります。その前触れかはわかりませんが、江ノ電の子会社だった江ノ電バス藤沢と江ノ電バス横浜が2019年4月1日に合併し、江ノ電バスとなりました。

湘南エリアには、小田急の持分法適用会社の神奈川中央交通という大きなバス会社が存在していますので、その関係も気になります。

江ノ島・鎌倉エリアで小田急色

小田急と江ノ電は、これまでも同じグループ会社として連携してきました。

小田急は、両社の経営の一体化により、「長期的な視野に立った戦略立案と迅速な意思決定、施策の推進」をするとしています。

江ノ電にすぐに大きな変化はなさそうですが、長い目で見て、江ノ島・鎌倉エリアで小田急色が濃くなっていくのは間違いなさそうです。(鎌倉淳)