吉備線はLRT化でどう変わるか。一部複線化で15分間隔運転へ

JR西日本と正式合意へ

岡山市の大森雅夫市長が、JR吉備線のLRT化について、4月4日に総社市の片岡聡一市長、JR西日本の来島達夫社長と会談すると発表しました。LRTの役割分担や事業費の負担割合について最終確認し、正式合意する見込みです。

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トップ会談で協議が進展

JR吉備線(桃太郎線)のLRT化は、2003年度にJR西日本が構想を打ち出して検討が始まりました。2014年に有識者による検討会議を設け、基本計画の素案を公表しています。

素案では、初期投資費用は175億円、維持管理コストが年4億円と試算されましたが、岡山・総社両市とJR側とで、費用負担などを巡って協議が難航していました。

2018年2月にJR西日本本社でトップ会談が行われると協議が進展。大森市長は合意が近いことを示唆していましたが、このほど、4月4日に3者会談が岡山市で行われることを明らかにしたものです。

吉備線LRT
画像:吉備線LRT化基本計画より

車両はFUKURAMを想定

吉備線LRT化の計画全体は、まだはっきりしません。素案によりますと、吉備線を全線で電化したうえで、岡山~備前三門間を複線化し、それ以外の区間では交換設備を増設します。それにより、全線で毎時4本、15分間隔の運行頻度を実現。とくに、岡山市周辺の混雑区間では、ピーク時に毎時6本、10分間隔で運行するとしています。

車両は、福井で導入された3連接超低床電車 FUKURAM を想定。全長 27mで、1編成の定員を155人としています。ノンステップで乗り降りでき、駅のバリアフリー化を進めることで、高齢者にも利用しやすい交通機関を目指します。

駅の増設や改良も検討されています。具体的な新駅の計画位置は未公表ですが、既存の10駅に加えて7駅を新設します。

自治体側の隠れたメリットとしては、踏切の廃止が挙げられます。LRT化により踏切を交差点化できますので、信号による交通整理ができます。そのため道路の立体化をしなくて済みますし、交差部分の道路拡幅も容易になります。原則は現行の線路を軌道として使いますが、一部で併用軌道が導入されます。

初期費用は約240億円で、JR西が24%、岡山市が29%、総社市が9%、残りを国が負担します。運営はJRが主体になって行います。運賃は現状の利用者数では2割程度上がる見込みです。

3者合意が実現すれば、1年程度かけてLRT化に向けた基本計画を取りまとめていきます。工事に取りかかるのはその後ですが、そう遠くない時期に、岡山県に新しいLRTが誕生することになりそうです。(鎌倉淳)

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