羽田~伊丹にエンブラエル190型機。JAL、ANAで国内線機材の小型化進む

ボーイング777は運用激減

大手航空会社が、減便とともに機材の小型化を進めています。新型コロナウイルス感染拡大に対応するもので、羽田~伊丹にはエンブラエル190型機が投入されます。

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4月12日のフライトを調べてみると

新型コロナウイルスの影響で、JAL、ANAの両大手航空会社で減便が進んでいるのは報じられているとおりですが、あわせて機材の小型化も進められています。機材変更は柔軟に行われているようで、プレスリリースを見ているだけでははっきりわかりません。

そこで、緊急事態宣言を受けて、JAL、ANAの主要4路線で、4月12日(日)に運航予定のフライトで使われている機材を調べてみました。調査方法は両社の予約サイトで検索しました。

左が、4月8日朝時点の検索で表示される機材です。( )内が時刻表の機材です。無変更の場合は( )はありません。

※4月8日朝に検索した、4月12日に運航する便の機材変更について調べたものです。あらかじめご了承ください。

JALエンブラル190型機
画像:JAL

JALの機材変更

羽田→伊丹

JAL103 788
JAL111 788
JAL117 E90(788)
JAL133 788
JAL139 788
運休:10便

羽田→新千歳

JAL503 767(772)
JAL507 738
JAL511 767(772)
JAL517 767(772)
JAL525 767(772)
JAL529 767(359)
運休:10便

羽田→福岡

JAL305 788(772)
JAL309 738
JAL313 788
JAL319 767(359)
JAL325 788
JAL331 767(359)
運休:11便

羽田→那覇

JAL901 359
JAL903 359(773)
JAL905 767(773)
JAL909 359
JAL915 767(772)
JAL919 359(773)
JAL925 738(767)
運休:5便

ボーイング777は使われず

JALは、羽田・伊丹線でエンブラエル190型機(E90)を投入しているのが目を引きます。クラスJ15席、普通席80席の計95席で、当初予定されていたボーイング787-8型機の3クラス291席に比べると、約3分の1の座席数です。JALは伊丹線15便のうち10便を欠航させたうえで、E90まで投入しているので、週末の伊丹線の予約がよほど少ないのでしょう。

新千歳線ではボーイング777-200型機(375席)をボーイング767型機(252席)にダウンサイズしています。また、新千歳線、福岡線で、自慢の最新鋭機エアバスA350-900型機(369席)をボーイング767型機に変更しています。那覇線ではそのA350-900型機を使って、ボーイング777-300型機(500席)をダウンサイズさせています。

大型機ボーイング777は、コロナウイルスの感染拡大で使用が減っているようで、調査した4月12日に関しては、JALの上記4路線では全く使われていません。

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ANAの機材変更

羽田→伊丹

ANA985 738(78P)
ANA013 738(78P)
ANA015 321(789)
ANA017 76P(773)
ANA019 321(772)
ANA021 76P
ANA023 78P
ANA025 32P(76P)
ANA027 76P(772)
ANA031 738(321)
ANA033 321(772)
ANA035 772
ANA037 76P(772)
ANA041 772
運休:1便

羽田→新千歳

ANA987 738(321)
ANA051 738(772)
ANA053 321(773)
ANA055 76P(773)
ANA059 738(772)
ANA061 738(773)
ANA063 76P(772)
ANA065 76P(772)
ANA067 738(78P)
ANA071 738(773)
ANA073 32P(772)
ANA075 738(772)
ANA077 76P(772)
ANA079 76P(773)
運休:2便

羽田→福岡

ANA239 738
ANA241 32P(772)
ANA243 321(772)
ANA245 321(772)
ANA247 738(772)
ANA249 772
ANA251 78P(772)
ANA253 738(789)
ANA255 321(772)
ANA257 772
ANA259 772(76P)
ANA263 772
ANA265 321(772)
ANA271 76P(772)
ANA273 76P(773)
運休:2便

羽田→那覇

ANA461 738(73H)
ANA993 76P(78P)
ANA463 789(773)
ANA467 789
ANA995 772
ANA469 722(773)
ANA471 78P(772)
ANA473 78P(772)
ANA475 789(773)
ANA477 789
ANA1097 321(76P)
ANA479 76P(772)
全便運航

737-800が活躍

ANAはJALに比べると運休が少なく、調査した4月12日の主要4幹線では、ほとんどの便の運航が予定されています(今後、追加運休が発表される可能性はあります)。

機材変更による小型化では、ボーイング777型機の運航が減らされているのはJALと同じです。ボーイング777-200型機(405席)がわずかに残るだけで、最大座席数の777-300型機(514席)は上記路線で運航されません。

ANAで使用が多いのはボーイング737-800型機(166席)と、ボーイング767-300型機(76P、270席)です。新千歳線では773や772運航の全便が変更となっていて、738、76Pに置き換えられている便が目立ちます。

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それでも空席が

JAL、ANAとも機材のダウンサイズを進めていますが、なお、ほぼすべての便で空席があります。

日本経済新聞によれば、4月の予約数は前年同期比でJALが7割強、ANAが9割も減っているとのこと。これだけ需要が減っていると、機材のダウンサイズだけでは対応できず、さらなる運休が検討されるかもしれません。

4月7日には、政府から緊急事態宣言が発せられました。ゴールデンウィーク中の旅行も自粛となるなか、航空会社の苦しい局面は続きます。(鎌倉淳)

※冒頭にも書きましたが、当記事は、4月8日朝に検索した、4月12日に運航する便の機材変更について調べたものです。情勢は変化しますので、ご利用の際は最新情報をご自身でお確かめください。

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