東京~静岡を新幹線で安く行く方法について、2023年の最新情報を反映してまとめてみました。「ひかり」「こだま」について、基本的な割引きっぷから、ややマニアな買い方までご紹介します。
東京・静岡価格比較
はじめに、東海道新幹線で東京~静岡を旅行する場合「ひかり」と「こだま」がありますが、価格は同額です。正規の指定席特急料金が6,470円、自由席特急料金は5,940円です。これがいわゆる「通常料金」です。
ゴールデンウィークなどの最繁忙期は指定席料金が400円増し、週末など繁忙期が200円増し、オフシーズンの平日など閑散期は200円引きになります。(最繁忙期は2023年4月1日から設定)。
東京~静岡間の新幹線の割引きっぷを、以下に表にしてまとめておきます。詳細は下のほうで説明していきます。
きっぷ | 価格 |
---|---|
指定席通常価格 | 6,470円 |
自由席通常価格 | 5,940円 |
新幹線回数券(自由席用1枚あたり) | 5,490円 |
EXこだまグリーン早特 | 6,140円 |
株主優待割引(指定席) | 5,170円 |
株主優待割引(自由席) | 4,750円 |
ぷらっとこだま | 5,000~5,600円 |
日帰りツアー | 往復10,300円~ |
宿泊ツアー | 往復14,000円~ |
自由席を使う
まず、基本的なルールとして、自由席は指定席に比べて安いです。上述したように、指定席の正規価格は6,470円、自由席は5,940円です。これだけで指定席より約9%も安くなりますので、簡単ですが効果的な格安旅行法です。
・自由席 5,940円
「ひかり」も「こだま」も自由席の価格は同じです。「ひかり」号は所要時間が約1時間と速いですが、自由席は5両。「こだま」は約1時間20分とやや遅いですが、自由席は8~10両。20分の差をどう考えるかですが、着席の確率を高めたいなら「こだま」を使うのもいいでしょう。
金券ショップで格安チケットを買う
新幹線に安く乗る方法として、金券ショップで「格安チケット」を探す人も多いでしょう。東京~静岡間では新幹線自由席回数券の設定があり、金券ショップでばら売りが販売されています。
ばら売り回数券では「ひかり」「こだま」の自由席に乗車することができます。払い戻しができないことと、ピーク時(4月27日~5月6日、8月11日~20日、12月28日~1月6日)に使えないことだけは気をつけてください。
価格は店により異なりますが、最近の相場は5,500円前後です。店によって、多少のばらつきがあります。割引率は普通車指定席の正規料金に対して15%程度、自由席に対して7%程度です。
・自由席回数券ばら売り 5,500円前後
JR窓口で新幹線回数券を買う
新幹線回数券は6枚セットです。もし、3人で往復旅行をするのなら、金券ショップにいかずとも、JR窓口で回数券を買うこともできます。回数券は3ヶ月間有効なので、そのあいだに1人で3往復する予定がある場合でも、回数券はお得です。
JR窓口での自由回数券の定価は、6枚綴り32,940円で、1枚当たり5,490円です。自由席の正規料金に対する割引率は約8%。指定席の正規料金に対する割引率では15%程度です。金券ショップでこれより安く買えるなら、そちらのほうがいい場合もあります。
・自由席回数券定価 32,940円(1枚あたり5,490円)
スマートEX
「スマートEX」は、東海道新幹線のインターネット予約サービスです。会員制ですが、年会費は無料で、誰でも登録できます。手持ちの交通系ICカード(Suica、TOICA、ICOCAなど)を使って、チケットレスサービスも利用できます。
スマートEXサービスを使うと、「ひかり」「こだま」の普通車指定席が通常価格の200円引きで利用できます。
スマートEXには、独自の割引きっぷが設定されています。東京~静岡間の割引きっぷには、以下のものがあります。
・EXこだまグリーン早特(3日前まで、こだま限定)6,140円
普通車指定席の定価よりも安い価格で、グリーン車に乗車できます。ゆったり移動したいときにはおすすめです。
エクスプレス予約
エクスプレス予約は、東海道新幹線の有料会員制インターネット予約です。無料会員制度はなく、年会費1,000円を払って会員登録しなければ利用できません。そのため、敷居が高いのですが、5,740円で普通車指定席が利用できます。
・エクスプレス予約 5,740円(有料会員のみ利用可)
エクスプレス予約では、上記のEXこだまグリーン早特も利用できます。
JR東海株主優待券
JR東海の株主優待券を利用すれば、1枚につき運賃・料金が10%割引になります。2枚まで同時使用できますので、東海道新幹線が20%引きで利用できます。東京~静岡では、指定席が5,170円、自由席が4,750円です。
・株主優待割引(指定席) 5,170円[要株主優待券2枚]
・株主優待割引(自由席) 4,750円[同上]
株主優待券は金券ショップなどで購入でき、相場は1枚900円程度です。900円で2枚入手した場合、指定席が6,970円、自由席が6,550円となります。これでは定価より高くなってしまうので、使う意味がありません。
株主優待券をもともと持っている人は別ですが、東京~静岡間の場合、金券ショップで購入してまで利用する価値はなさそうです。
ぷらっとこだま
東海道新幹線の格安チケットの定番が「ぷらっとこだまエコノミープラン」。JR東海ツアーズという旅行会社が出している商品です。東京~静岡が通常期5,000円で、通常価格より23%安くなっています。繁忙期は、これより600円高くなり5,600円です。
その名の通り、「こだま」しか乗れません。「こだま」では、東京~静岡は約1時間20分かかります。「ひかり」は約1時間ですから、所要時間は約1.3倍です。
・ぷらっとこだま普通車指定席(通常期)5,000円
・ぷらっとこだま普通車指定席(繁忙期)5,600円
前日までに購入しなければならない、JRの駅の窓口では購入できない(JR東海ツアーズのネット予約のみ)、列車変更などができない、などの制限がありますが、利用期間の制限がなく、設定座席数も多く、使いやすいでしょう。
JR日帰りツアー
往復の新幹線がセットになった日帰り専用の旅行商品(パッケージツアー)です。JR東海ツアーズが取り扱っています。1名から利用可。「ひかり」も利用できます。
・新幹線指定席往復で10,300円~12,800円程度
片道あたりなら5,000円~6,000円程度で、東京~静岡間を日帰り利用できるので、お得です。日帰り旅行なら、「ぷらっとこだま」よりもこちらがおすすめかもしれません。ただし、利用できる列車は限られます。通信可能なスマートフォンが必要です。電子クーポン付き。
【公式】JR東海ツアーズ「日帰りツアー」
宿泊パッケージツアー
宿泊をともなう旅行の場合、往復の新幹線と宿泊がセットになった旅行商品(パッケージツアー)を使えばお得です。
JR東海ツアーズの「新幹線ダイレクトパック」、JTBの「ダイナミックパッケージMySTYLE」、日本旅行の「JR・新幹線+宿泊セットプラン」などがあります。
サイト上で予約・決済し、きっぷは新幹線駅構内にある指定席券売機で受け取れます。
・新幹線指定席往復+ホテル1泊で14,000円程度~
新幹線の往復正規価格に2,000円ほどを足せば、宿泊がついてきます。立地や設備のいいホテルだと少し高くなりますが、それでも16,000円程度出せば、そこそこのホテルに泊まれます。1名利用の場合は、2,000円ほど高くなります。
時間帯のいい列車は値段が少し高くなります。出発前日まで予約でき、一部は当日予約も可能です。
【公式】JR東海ツアーズ
【公式】JTBダイナミックパッケージMySTYLE
【公式】日本旅行「JR・新幹線+宿泊セットプラン」
乗車券の分割購入
最後に、やや裏ワザ的な買い方として、乗車券を分割購入する方法があります。
[運賃]
東京~鶴見 400円
鶴見~静岡 2,640円
合計3,040円
・分割購入乗車券+新幹線特急券(指定席) 6,100円
乗車券を通算で買うよりも、370円安くなります(もっと細かく分割すれば安くなる方法もあります)。
分割購入は、JRの駅窓口でまとめて買えばそれほど面倒ではありませんが、JRの運賃制度に詳しい方以外にはおすすめしません。
まとめてみると
東京~静岡間の新幹線に驚くような格安チケットはありません。比較的使いやすく安いのが「ぷらっとこだま」の5,000円でしょうか。金券ショップの新幹線回数券ばら売りが5,500円前後です。
観光や宿泊を伴う旅行ならツアーも検討しましょう。JR東海ツアーズやJTB、日本旅行などが、新幹線と宿泊がセットになったプランを販売しています。(鎌倉淳)
【公式】JR東海ツアーズ
【公式】JTBダイナミックパッケージMySTYLE
【公式】日本旅行「JR・新幹線+宿泊セットプラン」