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「くろしお」「はるか」大幅減。JR特急利用者数ランキング2026年GW版

「しらゆき」にはSixTONES効果

JR各社から2026年ゴールデンウィークの列車利用状況が発表されました。パンダブームの反動や中国人訪日客減少の影響で、紀勢線特急「くろしお」や関空特急「はるか」が大きく利用者数を減らしました。JRの在来線特急について、詳細をランキング形式で見ていきましょう。

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ゴールデンウィークの利用状況

JR各社は列車利用状況の統計を「年末年始」「ゴールデンウィーク」「お盆」の3期のみ発表します。このうち「2026年ゴールデンウィークの利用状況」がこのほど発表されました。各社の情報をまとめて、「全国在来線特急利用者数」をランキングにしてみましょう。

2026年4月24日~2025年5月6日の13日間の統計です。比較として前年比を掲載しています。

在来線特急利用者数ランキング2026年大型連休版

※配信先で表が崩れる場合は、こちらをご覧ください。

順位 列車名 区間 利用者数
(万人)
対前年比
1 あずさ、かいじ、富士回遊 八王子~相模湖 40.5 103%
2 ひたち、ときわ 我孫子~土浦 38.5 104%
3 リレーかもめ、みどり 鳥栖~江北 26.3 104%
4 サンダーバード 京都~敦賀 25.6 106%
5 成田エクスプレス 千葉~成田空港 20.1 105%
6 マリンライナー 児島~宇多津 19.9 99%
7 ソニック 小倉~行橋 16.5 104%
8 踊り子、湘南 横浜~熱海 14.1 106%
9 はるか 日根野~関西空港 13.4 85%
10 しおかぜ、南風など 岡山~児島 10.4 101%
11 しなの 名古屋~多治見 8.2 99%
12 北斗、すずらん 東室蘭~苫小牧 7.2 99%
13 しおかぜ、いしづち 多度津~伊予三島 7.2 102%
14 しおかぜ 児島~宇多津 6.7 99%
15 カムイ・ライラック・オホーツク・宗谷 札幌~岩見沢 6.6 81%
16 くろしお 和歌山~箕島 6.6 84%
17 わかしお、さざなみ 東京~蘇我 6.0 101%
18 きのさき、まいづるなど 二条~亀岡 5.6 110%
18 しらさぎ 米原~敦賀 5.6 109%
20 やくも 岡山~新見 4.9 109%
21 ひだ 美濃太田~下呂 4.7 91%
22 南風 児島~宇多津 4.1 98%
23 南風、しまんと 多度津~阿波池田 3.8 99%
24 いなほ 新潟~村上 3.1 103%
25 こうのとり 大阪~三田 3.0 105%
26 おおぞら、とかち 南千歳~トマム 2.8 96%
27 宇和海 松山~宇和島 2.7 98%
28 スーパーはくと 姫路~上郡 2.6 104%
29 うずしお 高松~徳島 2.4 103%
30 しらさぎ 名古屋~大垣 2.0 107%
31 ふじかわ 富士~富士宮 1.2 111%
32 しまんと、あしずり 高知~窪川 1.1 95%
33 しらゆき 直江津~長岡 1.0 115%
33 つがる 弘前~青森 1.0 74%
35 南紀 松阪~紀伊長島 0.9 90%
36 ふじさん 御殿場~山北 0.8 95%
36 サンライズ出雲・瀬戸 静岡~浜松 0.8 100%
37 いなほ 酒田~秋田 0.5 111%
37 リゾートしらかみ 秋田~青森 0.5 86%
38 伊那路 豊川~本長篠 0.2 113%

※マリンライナー、リゾートしらかみは快速列車。

上記のランキングは、JR各社から広報発表された数字をまとめたものです。JR各社によって、区間選定の基準などがばらばらであることをご承知おきください。列車によっては複数区間でランキングに入っています。

パンダくろしお

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「あずさ」「ひたち」強く

今回のゴールデンウィーク期間の調査対象日は4月24日(金)~5月6日(水)の13日間の統計です。

連休後半の5月2日~6日が5連休という日並びで、全体的に利用者数は堅調でした。

トップは中央線特急「あずさ」「かいじ」など。ついで常磐線特急「ひたち」「ときわ」が続きます。この顔ぶれは例年通りで、それぞれ前年比3%、4%増と好調でした。

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「しらゆき」にSixTONES効果

前年比で最大の伸び率となったのは、信越線特急「しらゆき」です。対前年比15%増を記録しました。

ゴールデンウィーク期間中、新潟では、SixTONESのライブツアーとサッカーのアルビレックス新潟のホームゲームが重なり、それぞれのファンが新潟に結集しました。

そのため、上越新幹線も前年比20%増と伸びたのですが、新潟県内の在来線特急である「しらゆき」にもその効果が及んだようです。

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「カムイ・ライラック」で大幅減

いっぽう、利用者が大きく減少したのは、函館線特急「カムイ・ライラック」などで、19%の大幅減となりました。

函館線特急では、2026年3月ダイヤ改正で全車指定席化を実施したため、自由席での利用ができなくなり、ピーク期間の利用者減少につながったようです。

また、北海道では、4月27日に十勝地方を震源とする地震があり、それも影響したようです。震源に近い区間を走る根室線特急「おおぞら・とかち」は2%減となっています。

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「しなの」「ひだ」「南紀」は?

全車指定席化した列車としては、中央西線特急「しなの」と、高山線特急「ひだ」、紀勢線特急「南紀」も挙げられます。

これらの列車は、通常期は自由席を連結していますが、2025年冬から、ピーク時に限って全車指定席となりました。

その結果、「ひだ」は9%減、「南紀」は10%減少となっています。ただし、「しなの」は1%減少で踏みとどまりました。

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「くろしお」でパンダ反動減

紀勢線特急「くろしお」も利用者を大きく減らしました。前年比16%の大幅減です。

「くろしお」沿線の和歌山県白浜町では、昨年4月に、アドベンチャーワールドが、ジャイアントパンダ4頭全てを中国に返還すると発表しました。

その影響で、昨年の白浜は、ゴールデンウィークにパンダブームが起こり観光客が急増し、「くろしお」も利用者を大きく伸ばしたのですが、今年はその反動が生じたようです。

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訪日客減少が「はるか」を直撃

関西方面では、関空特急「はるか」も15%の大幅減少となっています。

こちらは、中国政府の渡航自粛要請により中国からの訪日客が減少したことが影響しているようです。関空は国際線利用者に占める日本人の割合が2割程度と低いため、訪日客の影響が成田空港に比べると強く生じます。

「成田エクスプレス」は5%増と堅調でした。こちらも中国からの訪日需要の減少があったとみられますが、成田空港は日本人利用者の割合が比較的高いため、日本人の海外旅行者が増えたことが影響したのでしょう。

ちなみに、ゴールデンウィーク中の関西空港の国際線利用者数は前年比18%減、成田空港は2%増と推計されています。空港旅客の増減が、空港アクセス特急の利用者の増減に、そのままつながりました。

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「つがる」大幅減の理由

利用者が大きく減少した列車としては、奥羽線特急「つがる」も目立ちます。対前年で26%の大幅減です。

ゴールデンウィークの「つがる」の利用状況は、弘前城の桜の開花状況や天気によって大きく変わります。

今年は記録的な早咲きだったことに加え、5月1日から2日にかけての荒天もあり、ゴールデンウィーク中の利用者が伸び悩んだとみられます。(鎌倉淳)

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旅行総合研究所タビリス代表。旅行ブロガー。旅に関するテーマ全般を、事業者側ではなく旅行者側の視点で取材。著書に『鉄道未来年表』(河出書房新社)、『大人のための 青春18きっぷ 観光列車の旅』(河出書房新社)、『死ぬまでに一度は行きたい世界の遺跡』(洋泉社)など。雑誌寄稿多数。連載に「テツ旅、バス旅」(観光経済新聞)。テレビ東京「ローカル路線バス乗り継ぎの旅」ルート検証動画にも出演。