ピリカスキー場が「雪上車乗り放題」。リフト休止しスノーキャットで山上へ

1日2,000円は破格かと

北海道のピリカスキー場が、リフト営業を休止しスノーキャット(雪上車)での滑走客輸送を開始します。1日券を買えば、2,000円でスノーキャット乗り放題という、全国でもレアなスキー場になりそうです。

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バブル絶頂期に開業

ピリカスキー場は、北海道今金町にあるスキー場です。バブル絶頂期の1990年に開業し、20ヘクタールの面積に、全長1300mの1本のペアリフト、5本のコースを備えます。標高差は277mあります。

バブル期に開設されたスキー場は、どこも設備の更新時期を迎えているのですが、ピリカスキー場も例外ではありません。リフト掛け替えや地下ケーブルなどの更新には、巨費がかかります。

いっぽうで、最盛期の1992年に年3万人を数えた利用者も近年は低迷。7,000人程度に落ち込んでいました。

そのため、所有する今金町は、2014年シーズンを最後に、スキー場の閉鎖をいったんは決定。しかし、スキー場再生に定評のあるマックアースが運営を引き受け、2017年シーズンまでは営業が続いてきました。

ただ、マックアースも再生とまではいかなかったようで、同社は2018年シーズン以降の指定管理の更新をしていません。

ピリカスキー場
画像:クアプラザピリカウェブサイトより

1コースを雪上車専用に

ピリカスキー場もついに閉鎖かと思いきや、今金町は2018年シーズンも営業すると発表。同町のウェブサイトによりますと、リフトの老朽化が進んでいるため、リフト営業はせず、2018年シーズンは、スノーキャット(雪上車)のみでの営業に踏み切ります。

具体的には、5コースのうち1コースを「スノーキャット専用コース」とし、スノーキャット4台が15分間隔で運行します。運行時間は9時~15時までですので、1日25往復となります。スキー場滑走客は、スノーキャットで山上まで行き、残る4つのコースを滑ることになります。

利用料金は1回券が大人300円、日中券(1日券)が大人2,000円、シーズン券は大人6,000円です。2,000円でスノーキャットが1日乗り放題、6,000円で1シーズン乗り放題ですから、見方によっては破格と言っていいでしょう。

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「雪上車でしか滑れないスキー場」

雪上車体験を実施しているスキー場は各地にありますが、1回2,000円~3,000円が相場です。それに比べると、決まった経路しか走らないにしろ、2,000円で何度も乗れるというピリカスキー場の設定は、全国的にもレアとみられます。

滑走可能なコースは一つ減って4つのみ。それを滑るためにいちいちスノーキャットに乗らなければならないと考えれば面倒ですし、乗車定員は10名に過ぎません。1日あたりの片道最大輸送定員はわずか250名です。1シーズンの利用者が7,000人程度とはいえ、週末の混雑時には待たされて思うように滑れない可能性もあります。

しかし、「雪上車でしか滑れないスキー場」と受け止め、待ち時間も含めて楽しむ気持ちで行けば、興味深いスキー場体験ができそうです。

なお、平日の一部は学校授業日となり、一般客はスノーキャットを利用できません。予めご確認のうえ、おでかけください。

アクセスは、道央道国縫インターから12km。札幌から約200kmです。(鎌倉淳)

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