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JR北海道全14路線30区間輸送密度ランキング。営業係数も初公開。黒字路線は一つもなし

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JR北海道が全路線の輸送密度と営業損益、営業係数を初公表しました。JRが民営化後、各路線のこれらの数字を全面開示することは珍しく、JR各社でおそらく初めてのことです。鉄道路線は札幌圏を含め全路線が赤字でした。

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地域公共交通検討会議で公開

これは、2016年1月29日に開かれた「地域公共交通検討会議」(北海道庁主催)で、JR北海道が資料として明らかにしたものです。公表されたのは、JR北海道の全14路線を30区間に分けたもので、その輸送密度、営業損益、営業係数の2014年度分です。

まずは、その数字を輸送密度順にランキングしてみましょう。

JR北海道全30区間・輸送密度ランキング

数字は左から輸送密度(人キロ)/営業損失(百万円)/営業係数(円)です。黒字路線が一つもないので、営業損益は「営業損失」としてマイナス表記を省略しました。また、営業係数は管理費を含めた数字です。

▽輸送密度300未満
留萌線・留萌~増毛 39/227/4554
札沼線・医療大学~新十津川 81/332/2162
石勝線・新夕張~夕張 117/182/1421
根室線・富良野~新得 155/892/1591
留萌線・深川~留萌 177/647/1508
日高線・苫小牧~様似 298/1544/1179

▽輸送密度500未満
宗谷線・名寄~稚内 405/2544/622
根室線・釧路~根室 436/1000/505
根室線・滝川~富良野 460/1028/953
釧網線・東釧路~網走 466/1652/594

▽輸送密度1,000未満
室蘭線・沼ノ端~岩見沢 516/1130/1011
江差線・木古内~江差* 618/57/314
函館線・長万部~小樽 675/2067/570

▽輸送密度2,000未満
石北線・上川~網走 1051/2907/327
室蘭線・室蘭~東室蘭 1342/313/445
富良野線・富良野~旭川 1406/898/366
石北線・新旭川~上川 1489/673/273
宗谷線・旭川~名寄 1512/1919/365

▽輸送密度5,000未満
根室線・帯広~釧路 2259/3234/246
函館線・函館~長万部 3765/4281/194
海峡線 木古内~中小国 3851/863/126
石勝,根室線・南千歳~帯広 4270/1929/130
江差線・五稜郭~木古内 4377/1864/248

▽輸送密度10,000未満
室蘭線・長万部~東室蘭 5022/997/135
室蘭線・東室蘭~苫小牧 7736/1656/153
函館線・岩見沢~旭川 9320/2517/143

▽輸送密度20,000未満
札沼線・桑園~医療大学 16873/2662/107**

▽輸送密度20,000以上
函館線・札幌~岩見沢 43025/2662/107**
千歳線・白石~苫小牧 43433/2662/107**
函館線・小樽~札幌 44099/2662/107**

全線平均 4791/40037/154

*江差線木古内~江差間は2014年5月廃止。
**札沼線、函館線、千歳線の営業損失と営業係数はひとまとめにした数字。
医療大学=北海道医療大学、千歳線は室蘭線を一部含みます。

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室蘭東線、函館山線の数字が公開

輸送密度が500人キロ未満の路線は、JR北海道の決算時に数字が公表されています。そのうち、輸送密度が300人キロに満たない留萌線、札沼線・北海道医療大学~新十津川間(札沼北線)、石勝線・新夕張~夕張間(夕張支線)、根室線・富良野~新得間、日高線の5路線・区間については、路線廃止の可能性も取りざたされています。日高線については、鵡川~様似間が災害により長期運休中で、復旧のメドが立っていません。

今回発表された、輸送密度500人キロ以上の路線では、廃止された江差線・木古内~江差間を除くと、室蘭線・沼ノ端~岩見沢間(室蘭東線)516と、函館線・長万部~小樽間(函館山線)617の数字が芳しくありません。室蘭東線の営業係数は1000を超えていて、ワースト7にランキングしています。函館山線の営業損失20億6700万円と営業係数570は、根室線釧路~根室間(花咲線)より悪い数字です。

根室線

特急走行区間の収支

とはいえ、今回の発表での注目点はローカル線ではなく、むしろ特急が走行する幹線区間でしょう。JR北海道の特急走行区間の輸送量や収支の全体像は、これまでほとんど明らかにされてきませんでしたので、公表された数字は興味深いものでした。

上記の表を特急列車の走行区間別に取り出してみましょう。通勤・通学需要の比重が高い札幌圏は除外します。上表同様、「輸送密度/営業損失/営業係数」の順に記載します。

「スーパー宗谷」の走行区間

旭川~名寄 1512/1919/365
名寄~稚内 405/2544/622

「オホーツク」の走行区間

石北線・新旭川~上川 1489/673/273
石北線・上川~網走 1051/2907/327

「スーパーおおぞら・とかち」の走行区間

石勝,根室線・南千歳~帯広 4270/1929/130
根室線・帯広~釧路 2259/3234/246

「スーパーカムイ」の走行区間

函館線・岩見沢~旭川 9320/2517/143

「すずらん・北斗」の走行区間

函館線・函館~長万部 3765/4281/194
室蘭線・長万部~東室蘭 5022/997/135
室蘭線・東室蘭~苫小牧 7736/1656/153

「スーパー白鳥」の走行区間

江差線・五稜郭~木古内 4377/1864/248
海峡線 木古内~中小国 3851/863/126

「稼ぎ頭」も営業係数は130~150程度

特急走行区間といえど、輸送密度が旧特定地方交通線レベルの4000人キロを上回っているのは、長万部~札幌~旭川・帯広間と、五稜郭~木古内間だけです。五稜郭~木古内間は北海道新幹線開業によって第三セクターに移管されるので除外すると、札幌を中心に長万部、帯広、旭川への区間のみが、「4000人キロ以上」に該当します。

これらの区間は、JR北海道のなかでは「稼ぎ頭」と目されてきた区間です。それでも営業係数は130~150程度。JR北海道としては良い方ですが、赤字には違いありません。管理費を除いた数字でも黒字にはなっていません。

>>「JR北海道全14路線30区間営業損失ランキング。巨額赤字を生み出していた意外な路線とは?」に続きます。


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