JR東海から「たびきっぷ」が登場。東京、名古屋から岡山、広島、山口、四国へ、新幹線・特急も乗れるフリーきっぷ。

JR東海から「たびきっぷ」という新しいフリーきっぷが登場しました。東京、名古屋から、山陽・四国方面へ設定された、往復新幹線利用、フリー区間は特急自由席にも乗り放題のお得なきっぷです。設定先は岡山、広島、山口、四国の各エリア。かつての周遊きっぷのエリアとはやや異なりますが、「ポスト周遊きっぷ」とも言える存在といえます。

特急乗り放題のフリーきっぷは、今や貴重です。いままでJR東海はこういうきっぷはあまり出しませんでしたので、意外といえる嬉しいニュースです。期間は2013年4月から1年間に設定されました。

「たびきっぷ」の概要

■基本的なルール
きっぷの発駅とフリー区間との往復には、東海道・山陽新幹線普通車指定席が利用可能。フリー区間内では、特急(広島たびきっぷでは新幹線を含む)・快速・普通列車の普通車自由席が乗り降り自由。

■利用期間:2013年(平成25年)4月2日(火)~2013年(平成26年)4月5日(土)
※ただし、4月27日~5月6日、8月11日~20日、12月28日~翌年1月6日は利用不可

■発売期間:2013年(平成25年)4月1日(月)~2013年(平成26年)3月31日(月)
※「ゆき」の乗車日の前日まで発売。

■有効期間:5日間
※利用不可の期間にかかる場合では延長なし。

■設定区間と価格
32,000円~39,000円(こどもは半額)

岡山たびきっぷ

東京・品川(都区内)発 32,000円
名古屋(市内)発 22,000円
岡山たびきっぷ

広島たびきっぷ

東京・品川(都区内)発 35,000円
名古屋(市内)発 28,000円
広島たびきっぷ

山口たびきっぷ

東京・品川(都区内)発 39,000円
名古屋(市内)発 30,000円
山口たびきっぷ

四国たびきっぷ

東京・品川(都区内)発 35,000円
名古屋(市内)発 28,000円
四国たびきっぷ

「たびきっぷ」の詳細ルール

▽フリ-区間との往復は東海道・山陽新幹線の普通車指定席、フリー区間内は在来線特急列車・快速・普通列車の普通車自由席を利用できます。広島たびきっぷはフリー区間内の新幹線普通車自由席も利用できます。
▽フリー区間で普通車自由席以外を利用する場合は、別途料金券の購入が必要。
▽フリー区間を除き途中下車不可。
▽有効開始日の変更は、有効開始日の前日まで1回限り。乗車列車の変更も指定列車出発時刻まで1回限り。
▽上記以外の乗車変更の取扱いはなし。
▽他の割引との併用や乗継割引の適用はなし。
▽「ゆき」券は、「かえり」券が伴っている場合に限り有効。
▽乗車前に発売箇所の窓口で指定席を予約して乗車する。ただし予約せず自由席にも乗車可能。
▽指定列車の出発時刻以前に他の列車に乗車した場合、普通車自由席に乗車可。
▽乗車後、車内において空席があり、運輸上支障がないと認められる場合は、普通車指定席に乗車可。「ひかり」「さくら」「こだま」に乗車した場合でも、「のぞみ」「みずほ」との差額払い戻しはなし。
▽指定列車に乗り遅れた場合、当日に限り、後続列車の普通車自由席に乗車可。翌日以降に乗車する場合は、きっぷの有効期間内は乗車券部分のみ有効。新幹線や特急列車に乗車する場合は、別に特急券の購入が必要。

【発売箇所】
●このきっぷの出発駅及びその周辺のJRの主な駅及び主な旅行会社の支店・営業所

「たびきっぷ」は新しい時代のフリーきっぷになるか?

「たびきっぷ」を全体的に評価すると、新幹線の指定席の取扱いなどに柔軟性が見られます。新しい時代のきっぷを作ろうという意欲も垣間見え、なかなかオススメのきっぷといえます。

価格設定はやや微妙。新幹線往復の定価+α程度の価格は良心的ですが、単純往復では元は取れませんし、回数券と比べると割高かもしれません。いずれにしろフリー区間をある程度乗らないと元が取れませんので、「乗り鉄」以外にはお得感はそれほどありません。「乗り鉄」の人にはメリットが大きいでしょう。とくに、山口、四国はフリーエリアが広くて使い勝手がよさそうです。新幹線の競争力の弱い山口、四国方面については「お得感」を強めてきたのかもしれません。

残念な点は、ゴールデンウィークなどの繁忙期に利用不可という部分。そうした時期にも使えたのが「周遊きっぷ」のメリットでしたが、それが生かされなかったのは残念といえるでしょう。

広告
前の記事成田空港が「門限」を緩和へ。でも、午前0時に成田空港に着いてどうなるの? 成田空港の深夜アクセス問題も対応を
次の記事航空会社の国内線普通席、機内サービスの「コーヒー」を調査。どうして味はこんなに違うのか?