「ローカル路線バスの旅 陣取り合戦」第6弾 三重~奈良を分析する。新旧対決の結末は?

カニはいいんですよ!

「ローカル路線バス乗り継ぎ対決旅 陣取り合戦」第6弾が放送されました。太川陽介が率いるチームと、河合郁人が率いるチームが、三重県伊勢市から奈良県奈良市を目指して競いました。

乗り継ぎで気になった部分を検証してみましょう。なお、以下はネタバレ100%です。あらかじめご了承ください。(文中敬称略)

広告

67市町村を取り合う

「ローカル路線バス乗り継ぎ対決旅 陣取り合戦」は、ローカル路線バスを乗り継いで「陣」に見立てた各市町村の名所・名物を体験し、その数を競うテレビ番組です。

その第6弾が2021年12月29日にテレビ東京系列で放送されました。対決したのは、ルイルイこと太川陽介が率いるチームと、A.B.C-Zの河合郁人が率いるチームです。

太川チームには、南海キャンディーズのしずちゃんと、NON STYLEの井上裕介が参加。河合チームには、作家の羽田圭介と、小島よしおが加わりました。羽田圭介は「ローカル路線バスの旅Z」レギュラーで、太川陽介との「バス旅」新旧レギュラー対決となりました。

どちらのチームも使っていいのはローカル路線バスのみ。ただし、両者とも1万円までタクシーを利用できます。

スタートは三重県の伊勢市駅前。ゴールは奈良市の東大寺南大門です。両県内の67市町村(伊勢市除く)を陣に見立て、1泊2日で陣取りを競います。ゴール時刻は18時までで、より多くの陣を確保したチームが勝ちです。

なお、前回は20時以降の陣取りやバス乗車はできませんでしたが、今回はそうした制約はありませんでした。

路線バス陣取り合戦10
Ⓒテレビ東京

水バラ ローカル路線バス乗り継ぎ対決旅 陣取り合戦 第6弾 新旧バス旅 頂上決戦 伊勢市~奈良市東大寺
【出演】太川陽介、しずちゃん(南海キャンディーズ)、井上裕介(NON STYLE)、河合郁人(A.B.C-Z)、羽田圭介、小島よしお
【放送日】2021年12月29日(水) 17時55分~22時00分(テレビ東京系列)

広告

太川チームの実際ルート

まずは、両チームが実際に旅したルートをおさらいしてみましょう。時刻表上の定刻をわかる範囲で確認しました。番組ではっきり示されなかった時刻や距離、経路は、筆者による推定です。なお、ロケは水曜と木曜に行われたことが番組で明かされていますので、以下の検証も平日ダイヤに依拠しています。

最初に太川チームのルートです。☆は獲得した「陣」の市町村名です。★は空振りしたチェックポイントです。

▽1日目
伊勢市駅08:30→09:01田丸城跡→徒歩0.5km→田丸神社(☆玉城町)→徒歩0.5km→玉城町役場→徒歩+タクシー1,170円+徒歩、計8.6km→11:35多気クリスタルタウン前12:07→12:16射和→徒歩0.6km→長新(☆多気町)→徒歩すぐ→相可一区12:50→13:12松阪駅前→徒歩0.4km→ビーフクラブノエル(☆松阪市)→徒歩0.4km→JR松阪駅14:10→14:42天白14:47→15:19三重会館前15:37→16:29平木→タクシー5km、2,050円→16:45汁付17:13→18:00上野市駅→城下町お菓子街道(☆伊賀市)→上野市駅

▽2日目
上野市駅07:55→08:23国道山添12:32→13:01針インター13:02→13:27国道櫟本→徒歩0.2km→天理スタミナラーメン本店(★天理市)14:00→タクシー8.2km、3,720円→14:30安堵町役場→徒歩1.7km→案山子公園(☆安堵町)→徒歩0.9km→かしの木台15:20→15:29興留→徒歩0.7km→法隆寺前15:59→17:06県庁前→東大寺南大門

※Googleマップのルートは概略です。正確に示しているわけではありません(以下同)。

太川チームは2日目に安堵町の陣(案山子公園)を押さえた後、斑鳩町の陣である法起寺を目指しました。その後の行動については番組内で詳しくありませんでしたが、法隆寺前のバス停で奈良方面行きのバス時刻を確認したところ、法起寺に寄る時間的余裕がないことが判明したようです。

そのため、法隆寺前のバス停からそのままゴールへ向かったとみられます。ゴールは、制限時刻に近い17時半頃でした。

太川チームが獲得した陣は、玉城町、多気町、松阪駅、伊賀市、安堵町の5陣に終わりました。

広告

河合チームの実際ルート

つづいて、河合チームのルートをおさらいしておきましょう。☆はチェックポイント、★はチェックポイント空振りです。

▽1日目
伊勢市駅08:45→09:10度会町役場前09:45→10:06上田口→徒歩1km→喜多製茶(☆度会町)→徒歩2.2km→hinata(☆大台町)→徒歩1.1km→11:44栃原駅口12:47→13:38松阪駅前14:42→15:21柚原→徒歩6.9km→17:00山本18:38→18:58上多気交差点南→徒歩4.3km→伊勢奥津駅(☆津市)→徒歩5.7km→神末小屋

▽2日目
神末小屋07:55→08:06神末中村→徒歩0.1km→御杖神社(☆御杖村)→徒歩0.1km→神末中村08:16→09:00掛西口→徒歩すぐ→屏風岩(☆曽爾村)→徒歩すぐ→掛西口09:11→10:01榛原駅→タクシー2.3km、940円→吉隠柳口10:37→11:13桜井駅北口→徒歩3.1km→箸墓古墳(☆桜井市)→徒歩0.6km→箸中12:14→12:34天理駅→徒歩2.4km→天理スタミナラーメン(☆天理市)→タクシー9.5km→案山子公園(★安堵町)→タクシー3.5km→カフェねぶっか(☆川西町)→タクシー8.5km→近鉄郡山駅15:37→16:15東大寺大仏殿→東大寺南大門(☆奈良市)

河合チームの案山子公園以降のルートも詳細が放送されなかったので、上記は当サイトの推定ですが、最終局面では大和郡山市の陣を探りつつ近鉄郡山駅に至り、東大寺へ直通のバスに乗った可能性が高そうです。

大和郡山市の陣である「こちくや」は近鉄郡山駅に近いのですが、一行はスルーしました。太川チームが立ち寄っていると推測し、先手を打ってゴールの奈良市の陣を押さえたほうが得策と考えたのでしょう。実際のゴール時刻は16時27分ごろで、余裕を以て奈良市の陣も獲得できました。

河合チームが獲得した陣は、度会町、大台町、津市、御杖村、曽爾村、桜井市、天理市、川西町、奈良市の9陣でした。最初のジャンケンで敗れ後手を踏んだものの、2日目に盛り返し、最終的には9対5と太川チームを圧倒しました。

広告

伊勢市駅からの進路

では、両チームのとったルートについて、気になる部分を検証してみましょう。まずは太川チームからです。

スタートからの進路ですが、伊勢市には6つの隣接自治体があり、奈良のある西方向は明和町、玉城町、度会町の3つです。このうち明和町へは伊勢市駅から路線バスで直接アプローチができません。

そのため、玉城町と度会町の二つが進路の選択肢となります。ジャンケンに勝った太川チームが玉城町を、負けた河合チームが度会町を、それぞれ選択しました。

三重県地図
画像:三重県

玉城でタクシーに乗っていたら

太川チームにとっての最初のポイントは、玉城町の陣を得た後のコースでしょう。玉城町役場から多気クリスタルタウンまでの約8.5kmについて、タクシーと徒歩を組み合わせました。

このとき、途中でタクシー営業所に立ち寄っていますので、ここからタクシーに乗って一気に多気クリスタルタウンを目指すという選択もありえたでしょう。仮に全区間をタクシーに乗っていたらどうなっていたでしょうか。

▽1日目
玉城町役場→タクシー8.6km→多気クリスタルタウン10:40→10:49射和→徒歩0.6km→長新(☆多気町)→徒歩すぐ→相可一区11:50→12:12松阪駅前→徒歩0.4km→ビーフクラブノエル(☆松阪市)→徒歩0.4km→JR松阪駅12:50→13:22天白13:29→13:54三重会館前14:37→15:29平木→タクシー5km、2,050円→15:45汁付16:10→16:57上野市駅→城下町お菓子街道(☆伊賀市)→上野市駅18:20→18:48国道山添

▽2日目
国道山添08:13→08:42針インター08:43→09:08国道櫟本→徒歩0.2km→天理スタミナラーメン本店(☆天理市)

このように、実際ルートと同じ道のりをたどると仮定し、松阪市のビーフステーキミッションを30分弱で終わらせれば、1日目に国道山添まで到達できます。

その場合、2日目朝、実際ルートで乗れなかった08時13分発に乗車することができます。国道櫟本に9時過ぎに到着しますので、天理スタミナラーメンのオープン(11時)を待って陣を確保できていたでしょう。

その後の状況までは予測できませんが、天理の陣を確保して、奈良市に先にゴールするだけでも、現実より2陣が太川陣営に移るので、互角の勝負になっていたに違いありません。

広告

山添・奈良ルート

1日目に山添村に宿泊すれば、2日目、奈良市内へ直行するルートもあります。

▽2日目(山添・奈良ルート)
国道山添06:57→07:20下水間07:22→08:05近鉄奈良駅

朝8時台に奈良駅に到着できれば、その後奈良県内の小さい自治体をこまめに拾うことができますので、戦略的には有利になるでしょう。

いずれにしろ、玉城町で多額のタクシー代を使う決断をする価値はあった、ということです。

ただ、この場合でも、山添村には宿がほとんどないという問題点があり、心配したルイルイが先を急がず、実際ルートと同様に上野市泊になっていた可能性もあります。そうなると、玉城から多気へのタクシー代を浪費するだけとなってしまいます。

広告

定番ルート

実際ルートに戻ります。1日目の太川チームは堅調で、玉城町、多気町の両陣を獲得した後、松阪市では先手を打ったおかげでステーキまで味わえました。

松阪から津方面へは、天白で乗り継ぐルートが定番で、過去の「ローカル路線バスの旅」でも何度か登場しています。ルイルイ・蛭子の「オリジナルシリーズ」では、11弾、12弾で天白乗り継ぎをしていますから、ルイルイも実は覚えていたでしょう。

ちなみに、「Z」12弾では、天白は4日目にバスが途絶えた「敗退の地」です。「Z」15弾では三重会館~天白~松阪と乗り継いでいることもあり、羽田の記憶に残っていることは間違いありません。

その定番ルートへのバスにはルイルイが半ば強引に乗り込み、三重会館で平木行きに乗り換え、タクシーを予約して汁付に至り、上野市行きのバスにつなぎました。

三重会館のタクシー乗り場で交渉し、平木にタクシーを呼ぶことができたのはクリーンヒットです。仮にタクシーが来なければ、平木・汁付間5kmを、44分の乗り継ぎ時間で歩き切らなければなりませんでした。

ちなみに、松阪~天白~三重会館~平木~汁付~上野市へ至るルートは、「Z」15弾と全く同じ乗り継ぎの逆ルートです。

広告

名張に進んでいたら

太川チームのルート取りで最も疑問が残るのは、上野市駅での選択でしょう。名張への当日のバスがまだあるのに、翌朝の山添方面のバスを待ち、上野(伊賀市)に泊まる選択をしました。仮に、1日目に名張へ進んでいたらどうなっていたでしょうか。

▽1日目
上野市19:39→20:18名張駅前

▽2日目(名張・曽爾ルート)
名張駅前07:58→08:52掛西口→徒歩すぐ→屏風岩(☆曽爾村)→徒歩すぐ→掛西口09:11→10:01榛原駅

このように、2日目に曽爾村方面へ向かえば、掛西口で曽爾村の陣を確保できます。河合チームの掛西口到着は9時00分なので、わずかながら太川チームが先手を打てるからです。その後は、榛原まで呉越同舟ということになったでしょう。

名張から曽爾村へは迂遠と感じるのであれば、西へ急ぐこともできます。以下のようなルートです。

▽2日目(名張・室生ルート)
名張駅東口07:32→07:54智護神社前→徒歩6.1km→室生地域事務所09:09→09:46榛原駅

智護神社から室生地域事務所まで約6kmを1時間20分の乗り継ぐので厳しいですが、不可能ではなさそうですし、このエリアならタクシーを呼ぶことも可能でしょう。

河合チームの榛原到着は10時なので、太川チームが名張・室生ルートを進んだ場合、榛原で河合チームと出くわします。

この時間帯の榛原での選択については後述しますが、河合チームが吉隠柳口のルートに向かい、太川チームは針インター方面に向かったと仮定すれば針インターで実際ルートに収斂します。太川チームも吉隠柳口に向かった場合は、桜井まで呉越同舟です。

ちなみに、上野市に宿泊した場合も、名張・曽爾ルートや、名張・室生ルートをたどることは可能です。その場合は、上野市駅06:36→07:15名張駅前となります。

広告

名張からのさらなるルート

名張駅から山添村に向かうバスもあります。

▽2日目(名張・山添ルート)
名張駅東口08:05→08:45大西/国道山添12:32→13:01針インター

大西は国道山添近くのバス停ですが、08時13分発のの針インター行きバスに乗れないのは同じです。したがって、この後は実際ルートに収斂します。

名張でのチェックポイントの内容によっては、情報収集後、名張から上野市に折り返すという可能性もあるでしょう。

▽2日目(名張・折り返しルート)
名張駅前06:30→07:09上野市駅07:55→08:23国道山添

この場合も、当然、実際ルートに収斂します。要は、太川チームには、上野市駅において、名張へ「偵察」する十分な時間があったことを意味しています。

名張のチェックポイントは?

名張に向かった場合の検討をしてみましたが、曽爾村ルートをとれば河合チームの先手を取れて太川チームが有利になっていたでしょう。室生ルートの場合は榛原到着時に太川4(名張の陣が取れていれば5)、河合5で、互角の勝負です。

名張・山添ルートや名張折り返しルートでは、山添村の陣が取れずに天理市の陣でも後手を踏むという点で、実際ルートと大差ありません。

こうして見ると、太川チームが名張の陣を取って榛原で河合チームと出会うのが、ゲームバランスとして優れているように思えます。となると、智護神社あたりに短い時間で終わるチェックポイントが置かれていたのかもしれません。まったくの想像ですが。

広告

山添村の停滞

太川チームの敗色が濃厚となったのは、山添村の停滞です。国道山添に08時23分に到着後、12時32分までバスがありませんでした。先発のバスとして08時13分発がありましたが、時刻表上の定刻運行でも乗り継げません。

山添村のチェックポイントの牛ヶ峯岩屋桝型はバス停から離れた場所にあり、タクシーがなければ訪れにくいでしょう。そのタクシーが呼べなかったので、ルイルイになす術はありませんでした。

国道山添から、うまく脱出する方法はないかと検討してみましたが、見つかりませんでした。その後、名阪国道の渋滞がルイルイチームに追い打ちをかけましたが、仮に渋滞がなく時刻表通りでも、天理の陣に河合チームより早く着くことはできなかったでしょう。

天理の陣以降については、案山子公園(安堵町)でタクシーを待たせて、そのまま斑鳩町に入れば、斑鳩の陣(法起寺)を獲得することはできたと思われます。ただ、さらに陣を獲得する方法は見つからず、最終局面で太川チームに劣勢を覆す方法はなかったでしょう。

次ページに続きます]

広告
関連広告
1
2
前の記事余市~小樽は「既存の路線バスでほぼ輸送可能」。それでも鉄道存続を目指すのか
次の記事2022年以降に開業する鉄道新線まとめ。あの大型新線にもうすぐ乗れる!