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道南いさりび鉄道、H100形7両を導入へ。キハ40形は2031年度に引退

更新費49億円、負担割合は未決着

道南いさりび鉄道が、老朽化したキハ40形の後継として、JR北海道が使用するH100形を基本に車両更新を進める方針を固めました。7両を導入し、2031年度の運用開始を想定。費用は約49.1億円を見込みます。北海道と沿線自治体は、国の支援制度を活用しながら、費用負担のあり方について協議を続けます。

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キハ40形を更新へ

北海道と函館市、北斗市、木古内町で構成する「道南いさりび鉄道沿線地域協議会」は、2026年8月21日に第11回会合を開き、車両更新について協議しました。北海道が9月2日に資料と議事録を公開しています。

道南いさりび鉄道では、JR北海道から譲渡を受けたキハ40形を使用しています。開業時は9両でしたが、2025年度から8両体制となっています。

現在の8両はいずれも製造から40年以上が経過しています。機関換装などの延命対策を施しているものの、老朽化が進んでいることから、会合では、後継車両としてH100形の導入を基本に検討を進めることを決めました。

H100形

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H100形の理由

車両更新にあたり、道南いさりび鉄道はまず、JR北海道から中古車両の譲渡を受けることを検討しました。しかし、JR北海道も車両数に余裕がなく、譲渡は困難と回答しました。

そのため、新しい車両を導入する方向で検討を進め、候補としてJR北海道のH100形と、川崎車両が地域鉄道向けに開発した「GreenDEC」を比較しました。

このうちGreenDECについては、北海道で必要となる極寒冷地仕様には対応していないことが判明しました。一方、H100形はJR北海道がすでに道内各地で使用しています。

こうした比較を踏まえ、道南いさりび鉄道はH100形を基本に車両更新を進める方針を示しました。

道南いさりび鉄道キハ40

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車両検査の問題も

H100形を選ぶ背景には、車両検査の事情もあります。

道南いさりび鉄道は、日常的な検査を自社で実施する一方、全般検査など大規模な検査はJR北海道に委託しています。

JR北海道が保有していない形式を導入すると、検査のために新たな作業手順や部品、検査設備などを整える必要があります。そのためJR北海道は、自社で使用していない形式の大規模検査について、受託は難しいとしています。

道内では、JR北海道以外に大規模検査を委託できる事業者はありません。道外に委託する場合は、車両を青函トンネル経由か船舶で運ばなければなりません。

H100形ならJR北海道と同形式のため、現状の検査体制を継続できます。車両そのものの性能だけでなく、導入後の維持管理まで考慮すると、H100形以外の選択肢はなかったといえます。

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8両から7両に

更新する車両数は7両を基本とします。現在の8両から1両減ることになります。

沿線人口の減少などによる通勤・通学利用者の減少を見込む一方、車両購入費や維持管理費も考慮しました。

現在の運行本数は全体で1日31本です。上磯~函館間では31本(15.5往復)、木古内~上磯間では14本(7往復)が走ります。

協議会では、通常ダイヤを減便するものではなく、7両で現在のダイヤに影響が出ないよう運用できるとの見通しを示しました。

ただし、事故など想定外の事態で車両が不足した場合には、観光列車や臨時列車の運行回数、ダイヤなどを見直して対応することを検討します。将来の運行本数については、利用状況などを踏まえて別途検討します。

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冷房やバリアフリー設備も

更新車両は、費用やJR北海道の検査体制を考慮し、基本的な仕様をJR北海道のH100形から大きく変えない方針です。

ただし、「ながまれ海峡号」など観光列車としての利用も想定し、4列ボックスシートやテーブルの設置も検討します。車体ラッピングなどのデザインも検討します。

H100形には冷房設備やバリアフリー対応トイレ、車いすスペースなどがあります。低床化によりホームとの段差も小さくなります。

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2031年度に運用開始

導入スケジュールは、2026年度に方針決定や仕様協議、メーカー選定を進め、2027年度に契約・発注。2030年度に完成、納車、試運転などを行い、2031年度の運用開始を想定しています。

車両の製造には発注から納車まで約4年、試運転や社員養成まで含めると約5年を要する見込みです。

更新時期には、現行キハ40形の検査体制も関係しています。道南いさりび鉄道によると、JR北海道がキハ40形の検査体制を確保できるのは2031年度まで。各車両の検査時期との関係から、2030~2031年ごろには現行車両が順次、検査を通せなくなる見通しです。

そのため、2032年以降は、キハ40形での運行が難しくなります。したがって、納車までの期間を考えると、2027年度の発注がデッドラインとなり、今の時期に自治体間の合意が必要というわけです。

道南いさりび鉄道新車導入スケジュール
画像:第11回道南いさりび鉄道沿線地域協議会資料

 
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更新費用は約49億円

H100形7両を導入する場合の費用は、現時点の試算で約49.1億円です。内訳は車両本体が約46.1億円、付属・改修費が約1.3億円、検査体制の整備などが約1.7億円です。

正式な見積もりはこれからで、車両仕様や物価の動向などによって金額が変わる可能性があります。

2026~2030年度の設備投資は、車両以外も含めて総額51.7億円を見込みます。車両更新で国の「先進車両導入支援等事業」を活用できた場合、国庫補助は22.3億円になるとの試算です。同制度の活用には、鉄道事業再構築事業の要件を満たす必要があります。

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負担割合は未定

国庫補助を差し引いた設備投資の負担割合について、北海道は、道と沿線市町を1対1とし、それぞれ14.7億円を負担する案を示しました。

ただ、道南いさりび鉄道の運行赤字の負担割合については、これまで道8:市町2としてきました。今回、新車導入とは別に、2026~2030年度の運行赤字13.8億円の負担割合についても話し合われていますが、北海道は、これまで通り、道8、市町2とする案を提示しています。

そのため、設備投資の1対1案に対しも、函館市、北斗市、木古内町はいずれも、8対2をベースに議論すべきとの考えを示しました。北海道側は、1対1には明確な合理的根拠があるわけではなく、議論の出発点として示したものと説明しています。負担割合については、引き続き協議します。

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