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伊予鉄道高浜線、松山観光港延伸へ一歩。市が勉強会を立ち上げへ

市長が議会で答弁

伊予鉄道高浜線の松山観光港までの延伸に関し、松山市の野志克仁市長が、伊予鉄道と勉強会を立ち上げて検討する考えを示しました。古くからある延伸計画ですが、実現に向け動き出すのでしょうか。

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駅と港が800m

松山観光港は、広島へのフェリーや高速船が発着する、松山市の海のターミナルです。伊予鉄道高浜線の終点高浜駅から約800m離れていて、乗り継ぎの利用者はバスに乗車するか、歩く必要があります。

この区間で伊予鉄道を延伸し、松山観光港まで乗り入れる構想は古くからあり、現在の観光港のターミナル2階は、鉄道が乗り入れられる設計になっています。

実際、2005年には、愛媛県が鉄道延伸の調査をおこなっています。しかし、採算性や事業スキームなどの見通しが立たず、実現していません。

伊予鉄

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市長が前向き答弁

この構想について、2026年3月2日松山市議会の一般質問で、松山市の野志市長が池本俊英議員の質問に対し、「鉄道の延伸は多額の事業費が想定されるため、費用対効果や技術的な課題などを整理し、国や県、市、交通事業者で検証する必要がある」などと述べました。

そのうえで、「運行の現状や課題を共有しながら実現可能な事業スキームを探りたい」とし、伊予鉄道高浜線の松山観光港延伸について、勉強会を設立して検討を進める方針を明らかにしました。


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松山港ビジョンにも位置づけ

松山観光港については、2025年9月に県が策定した「松山港中・長期ビジョン」で、鉄道延伸などによるアクセス向上が、長期的なスケジュール(30年)で位置づけられています。

ただ、単独事業で採算を取るのは困難で、実現には国の補助が必要になりそうですが、現時点で、フェリーターミナルへの鉄道建設助成制度は存在しません。したがって、建設する場合、どういうスキームで国の補助を受けるかなどがポイントになります。

近年はバスやタクシーの運転士不足が深刻になっています。前回調査の2005年から状況は変化し、800mの延伸で得られる効果は大きいという考え方も出てくるでしょう。

となると、これから、実現に向け動き出すかもしれず、今回がその一歩となる可能性もありそうです。(鎌倉淳)

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旅行総合研究所タビリス代表。旅行ブロガー。旅に関するテーマ全般を、事業者側ではなく旅行者側の視点で取材。著書に『鉄道未来年表』(河出書房新社)、『大人のための 青春18きっぷ 観光列車の旅』(河出書房新社)、『死ぬまでに一度は行きたい世界の遺跡』(洋泉社)など。雑誌寄稿多数。連載に「テツ旅、バス旅」(観光経済新聞)。テレビ東京「ローカル路線バス乗り継ぎの旅」ルート検証動画にも出演。