日本国内でのトラベラーズチェックの販売が2014年3月終了か。アメックス撤退でも代わりの会社は見当たらず

アメリカン・エキスプレス(アメックス)のトラベラーズ・チェック(TC)が、2014年3月31日をもって販売終了となることが判明しました。同社が発表しました。クレジットカードの普及などによる需要の減少が理由とみられます。

広告

1990年代までは海外旅行の必需品

TCは海外渡航中にサインすることで使える小切手です。所有者は買った後に1カ所に署名し、海外で換金する際にもう1カ所に署名することで、現地通貨に両替することができます。あらかじめ1カ所に署名しておけば、無くした場合でも再発行してもらえるため、現金の盗難や紛失への対策として広く普及。1990年代までは海外に金銭を持参する手段として主流でした。日本国内でも、東京銀行やビザ、トーマス・クック、シティバンク、バンク・オブ・アメリカなど多数のブランドのTCが発行されていました。

しかし、2000年代に入り、ほぼ全世界にATMが普及、クレジットカードでのキャッシングが容易になりました。キャッシングにはTCと遜色ない安全性があり、しかも両替時のレートが有利なことが多いという利点があります。そのためTCの利便性は薄れ、利用者は減少。発行企業も次々と撤退しました。日本国内でもアメックスを除く全社が発行を停止するか、国内販売から撤退しています。

トラベラーズチェック

早めに換金か使い切ろう

現時点でアメックスはTC発行で世界最大手です。日本国内で入手できる唯一のTCで、三菱東京UFJ銀行などが販売しています。TCの退潮は世界的な現象であり、アメックスを代替する発行会社は見当たりません。そのため、2014年4月以降、日本国内でのTC発行がすべて停止される可能性が高まりました。

アメックス撤退により、日本人のTC利用はほぼなくなるでしょう。アメックスによると、販売終了後も発行済みTCは国内外で換金できるとのこと。しかし、遠い将来はどうなるかわかりません。そのため、手持ちの方は早めに使い切ってしまうほうがいいでしょう。

広告
前の記事2013年~2014年冬のJR臨時列車の運転概要まとめ。「ムーンライト信州」の発表はなし、ニセコ方面「ヌプリ」なども休止。
次の記事石巻線女川駅が内陸移設で2015年春に復旧へ。女川町が整備しJRに貸し付け。温浴施設も併設で、新交通拠点に。