石北線「白滝3駅」と金華駅が廃止へ。上白滝・旧白滝・下白滝が消え、上川駅~白滝駅は日本最長駅間距離に

JR北海道が、石北線の上白滝、旧白滝、下白滝の3駅を廃止する方針を固めたようです。「白滝3駅」とも呼ばれるこれらの駅は、秘境駅として知られてきました。廃止は2016年3月とのこと。また、同線の金華駅も廃止対象になっているそうです。北海道新聞が報じています。

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駅間距離で新夕張~占冠間を上回る

JR北海道は、使用頻度の低い駅や踏切を廃止する方針を固めています。政府が同社の安全対策投資に1200億円の資金支援を行うことを決定したことを受けた施策で、これから3年間で利用のきわめて少ない無人駅を廃止していくことを明らかにしています。「白滝3駅」や金華駅の廃止は、この方針を受けたものです。

石北線の上川~丸瀬布間には、上白滝、白滝、旧白滝、下白滝の順に「白滝」という名が付く駅が4つ並びます。2016年に廃止されるのは、白滝駅を除く3駅。これにより、上川~丸瀬布間57kmで、途中駅は白滝駅一つとなります。上川駅~白滝駅の駅間距離は37.3kmとなり、石勝線新夕張~占冠間34.3kmを抜いて青函トンネル区間を除く在来線で日本最長となります。

上白滝駅

8駅が1駅に

上川~丸瀬布間には、かつて天幕、中越、上越、奥白滝、上白滝、白滝、旧白滝、下白滝と8駅や仮乗降場が並んでいました。それが次第に廃止され、ついには白滝1駅だけになってしまうことになります。

白滝3駅の列車停車本数は、すでに限られています。旧白滝、下白滝が1日4本(下り1本、上り3本)、上白滝に至っては1日2本(1往復)のみです。遠軽に通う高校生くらいしか使えないようなダイヤです。

金華駅金華駅

観光資源として利用できなかったのか?

北海道新聞では、旧白滝駅から遠軽高校に通う高校生を取材していて、「旧白滝で乗り降りしている人は自分以外にほとんどみかけない。私が卒業したら廃止になるかもしれないと聞いていた」とのコメントを掲載しています。

遠軽高校によると、上白滝駅や下白滝駅からの通学者はいないとのこと。筆者は沿線の細かい事情は知りませんが、今後利用しそうな中学生も沿線に住んでいないのかもしれません。

金華駅については、駅周辺に民家はあるものの、やはり鉄道利用者はほとんどいない、ということなのでしょう。

これらの駅の廃止は残念と言えば残念ですが、実際に利用している人がいないのであれば、仕方がないとしか言いようがありません。ただ、「白滝3駅」は秘境駅としてそれなりに知名度があったので、観光資源としてうまく使うことはできなかったのか、との思いは残ります。

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