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青春18きっぷに北陸特例はできるか? 七尾線、氷見線、城端線との接続がポイントに

青春18きっぷで北陸を旅できるのは今年が最後、と思っている旅行者は多いようです。2015年3月に北陸新幹線が開業すれば、長野~直江津~金沢間のJR在来線が第三セクターに移管され、北陸本線の金沢以東を青春18きっぷで利用することができなくなるからです。

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七尾線、城端線、氷見線が孤立

一方で、「北陸特例」ができるのではないか、と考えている人も多いようです。というのも、北陸本線の第三セクター化により、JR七尾線、城端線、氷見線が他のJR在来線と接続しなくなるからです。これらの路線の利用者の便を図るために特例が作られ、第三セクター線の一部が青春18きっぷで利用可能になるのでは、という観測です。

これには前例があり、JR東北本線の八戸~青森間が第三セクター化された際に、他のJR在来線との接続がなくなった大湊線・八戸線への利用者の便を図るため、青森~野辺地~八戸間のみ、第三セクター線が青春18きっぷで利用できるようになりました。この「青森特例」と同様の措置が北陸でも設定されるのではないか。これが「北陸特例」の観測です。

金沢駅

富山~高岡と津幡~金沢が特例候補

仮に北陸特例ができるとすれば、「富山~高岡、または津幡~金沢間で普通・快速列車に乗車して通過利用する場合に限り、別途乗車券は不要」というルールになる可能性が高いでしょう。富山からは城端線への直通列車が運転される予定ですし、金沢からは七尾線への直通列車が運転される予定です。直通列車が走る区間のみ、青春18きっぷも利用できる、とするのは合理的です。

あるいは、高岡~津幡間も利用できるルールになるかもしれませんが、そうなると「金沢~高岡~富山」という第三セクター会社の「ドル箱区間」を青春18きっぷで利用できるようになってしまうので、適用される可能性は低いかもしれません。

こうした北陸特例ができるためには、第三セクター会社への分配額がカギになります。第三セクター会社の運賃水準は高く、JR運賃の1.2倍程度になると予想されています。。現在の金沢~富山間の運賃は970円ですので、単純に1.2倍とすると1160円程度、県境で会社が分かれることを勘案すると1200円以上になることが予想されます。往復すると青春18きっぷ1枚あたり単価のほうが安くなりますので、もし富山~金沢の特例ができれば、利用者の遷移が起こりかねません。となると、第三セクター会社としては、相応の分配をもらわないと受け入れられないでしょう。その分配金の負担は、当然JR西日本が受け持つことになります。

青春18きっぷの分配額は変わるのか?

ところで、在来線が三セク分離した場合に、JR各社間での青春18きっぷの分配額は変わるのでしょうか。これについては、そもそも青春18きっぷの売上がJR各社でどう分配されているかが公表されていないので、わかりません。もし、路線の廃止にともなって分配額が変更されているとするならば、JR西日本は、北陸本線の三セク移管にともなって青春18きっぷの分配が減る上に、北陸特例の負担をしなければならなくなります。となると、特例が実現する可能性は低そうです。

ただ、青森特例が実現したところをみると、路線の廃止にともなう青春18きっぷの分配額の変化はないのかもしれません。実際、ローカル線の廃止や通勤新線の開業は頻繁にありますが、それに一つ一つ対応して分配額を変えるのは手間がかかりそうです。もし、「営業キロが減るのに分配額は変わらない」とするならば、JR西日本にとっては北陸特例を負担する余力が生じる理屈です。この場合、北陸特例は実現するかも知れません。

改札口分離もポイント

青森特例ができた背景には、青森駅や八戸駅で改札口をJRと三セクが共有している点も挙げられます。そのため、北陸特例ができるには、金沢駅や富山駅でJRと三セクが改札を完全に分離できるかや、直通列車内で検札ができるかもポイントになりそうです。改札の完全分離ができず、ワンマン運転で検札もできない場合、直通列車が走る区間での特例実現は現実味がありそうです。

鉄道ファンとしては、もっと全面的な特例も期待したいところです。たとえば、「金沢~富山~糸魚川~直江津~長野」を通過する旅客には青春18きっぷが適用される、というようなルールです。長野~金沢間のJR接続駅全てで改札分離ができず、中間改札も検札もないなら、青春18きっぷで通り抜けができてしまいます。そのため、こうした特例を設けるのではないか、という理屈です。

また、3つの県庁所在地間をまたぐような大規模な三セク移管は今回が初めてですし、これまでの三セク移管とは規模が違うため、何もしないと青春18きっぷの販売にも影響しかねません。そのため、売上維持のための方策として、「青森特例」より大胆な特例が設定されないとも限りません。

鉄道ファンならずとも注目の北陸特例。発表は2015年になってからと思われます。「結局、何の特例も設けられなかった」という可能性もありますので、青春18きっぷによる「北陸乗り納め」をされる方は、この夏にどうぞ。

 青春18きっぷパーフェクトガイド

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