「ウエストエクスプレス銀河」わかっている情報まとめ。JR西日本の新たな長距離列車

山陽・山陰エリアで運転

JR西日本が、運転準備を進めている新たな長距離列車の名称が「WEST EXPRESS(ウエストエクスプレス)銀河」と発表されました。車内設備や走行区間、料金など、現在わかっている全情報をまとめてみましょう。

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117系6両編成を改造

「ウエストエクスプレス銀河」は、JR西日本が新たに運転する観光列車の列車名です。運転エリアの西日本を宇宙に、各地の魅力的な地域を星になぞらえ、それらの地域を結ぶ列車という意味を「銀河」に込めました。

車両は「新快速」などで活躍した117系6両編成を改造したもの。車両デザイナーは、川西康之氏です。これまでに、えちごトキめき鉄道のリゾート列車「雪月花(せつげっか)」の設計デザインや、土佐くろしお鉄道中村駅のリノベーションなどを手がけてきました。

ウエストエクスプレス銀河外観
画像:JR西日本

ブルートレインを思わせる外観

外観は深い青色で、「瑠璃紺(るりこん)色」と表現しています。側面にはかつてのブルートレインを思わせる、白い長いラインが引かれています。

車内設備は、グリーン車指定席と、ノビノビ座席、コンパートメント、フリースペースなどで構成します。編成内容は以下の通りです。

ウエストエクスプレス銀河編成内容
画像:JR西日本
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ファーストシート

1号車グリーン車指定席。ゆったりとくつろげる座席であることと、1号車にある座席であることから「ファーストシート」という愛称が付けられました。

ウエストエクスプレス銀河ファストシート
画像:JR西日本

クシェット

2号車および5号車の普通車指定席。気軽に夜行列車の旅の気分を味わえるノビノビ座席で、かつての2段式寝台に近い形状です。

こうした設備は海外の鉄道で「クシェット」と呼ばれることがあり、「ウエストエクスプレス銀河」でも、愛称を「クシェット」としました。

ウエストエクスプレス銀河クシェット
画像:JR西日本
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ファミリーキャビン

3号車普通車指定席のコンパートメント。家族や仲間と一緒に利用できるスペースです。

ウエストエクスプレス銀河ファミリーキャビン
画像:JR西日本

プレミアルーム

6号車グリーン個室。「ウエストエクスプレス銀河」において最も上質な仕様の客室設備です。

ウエストエクスプレス銀河プレミアルーム
画像:JR西日本
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明星

3号車フリースペース。夜通しテーブルランプのみを点灯する予定です。読書や乗客同士の語らいなど、静かにゆったりと過ごせるスペースとなります。

ウエストエクスプレス銀河明星
画像:JR西日本

遊星

4号車フリースペース。4号車は全体がフリースペースであり、「ウエストエクスプレス銀河」を象徴する空間とされます。夜間も室内を明るくする予定で、夜行列車の旅をにぎやかに楽しめます。

一部区間において、地域と連携したイベントや弁当の販売なども検討します。

ウエストエクスプレス銀河遊星
画像:JR西日本
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彗星

6号車フリースペース。編成端となる乗務員室の面して設置。乗客が自由に行き来できる場所で、流れゆく風景を見ることができます。

ウエストエクスプレス銀河彗星
画像:JR西日本

京阪神~山陽・山陰間に運転

JR西日本が挙げる列車のコンセプトは、「多様性」「カジュアル」「くつろぎ」。「多様性」とは、複数の種類の座席を設置するとともに、時期により複数の区間を運行することを示します。

「カジュアル」はリーズナブルな価格設定などを示します。「くつろぎ」は、快適性の高い設備と、利用者が歓談や食事で自由に使えるフリースペースにより実現します。

運行開始は、2020年春。運行区間は京阪神~山陽・山陰エリアなど、片道5~10時間ほどで移動できる距離で、具体的には大阪~出雲市などが挙がっていて、夜行列車としての運行も視野に入れています。運賃・料金は通常の特急列車の価格を適用し、大阪~出雲市間で大人1人あたり1万円前後に設定される見通しです。

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