「ローカル路線バスの旅Z 第9弾 千葉・南房総~福島・大内宿」の正解ルートを考える。田中・羽田コンビが真骨頂

引退危機を乗り越えられるか

テレビ東京系列の「ローカル路線バス乗り継ぎの旅Z」第9回が放送されました。田中要次と羽田圭介のコンビが、路線バスだけを乗り継いで旅をする番組です。今回のマドンナは真琴つばさです。

お題は、千葉県の野島崎をスタートし、3泊4日で福島県の大内宿に到達するというものです。ルイルイ・蛭子時代の第16弾「館山~会津若松」と似たルートとなりました。

例によって正解ルートを検証してみます。なお、以下はネタバレ100パーセントです。また、結果論100パーセントです。行ってない筆者が机上で語っているだけです。ご理解ください。

※以下、掲載時刻は確認しましたが、間違いや勘違いがあると思います。また、2019年3月16日に交通機関のダイヤ改正が各社で行われており、ロケ日と検証内容が異なる場合もあります。その他、今回は検証範囲が広く、間違いも多いかと思いますが、ご容赦ください。また、間違いを見つけましたらご指摘ください。文中は敬称略です。

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実際ルート

最初に、番組で3人が実際に旅したルート(実際ルート)をたどってみましょう。時刻表上の定刻を確認してみました。

▽1日目
安房白浜09:15→10:21鴨川駅西口11:35→13:00木更津駅西口13:40→14:16袖ヶ浦駅北口/袖ヶ浦駅南口15:30→15:55けやき台→徒歩3.5km→姉ヶ崎駅東口16:55→17:31八幡宿駅西口19:20→19:51千葉駅20:15→21:16四街道駅北口21:38→22:19田町車庫→徒歩3km→JR佐倉駅

▽2日目
JR佐倉駅06:54→07:03京成佐倉駅07:18→07:40印旛日本医大駅08:26→08:45印西牧の原駅南口08:55→09:25千葉ニュータウン中央駅北口09:40→10:03布佐駅東口/布佐駅10:07→10:13とねっ子公園前11:52→12:20取手駅13:00→14:00谷田部車庫14:23→14:40つくばセンター15:02→15:32土浦駅西口16:00→16:50石岡駅17:55→19:10水戸駅北口→茨大前営業所→20:30頃水戸駅北口

▽3日目
水戸駅北口08:35→09:04飯田中新田09:25→10:09上菅谷13:35→13:59常陸太田駅15:44→16:48馬次入口17:00→17:37大子駅前19:00→19:12下野宮→徒歩4km→高地原入口(ユーパル矢祭送迎)

▽4日目
高地原入口07:24→07:42(矢祭町)中学校前08:09→08:45棚倉駅前/磐城棚倉駅09:35→10:28白河駅前→徒歩400m→白河営業所→徒歩400m→白河駅前12:30→13:15新甲子→徒歩13.7km→南倉沢16:45→17:10会津下郷駅前17:40→18:00新湯入口18:00→18:15大内下

ということで、成功です。成功したので、上記を正解ルートとみなしていいと思いますが、甲子トンネルの徒歩が過酷なこともあり、もう少しラクなルートはないかと考えてしまいます。探してみましょう。

ローカル路線バスの旅Z第9弾
画像:テレビ東京

ローカル路線バス乗り継ぎの旅Z 第9弾 
【出演者】田中要次、羽田圭介、真琴つばさ
【ナレーター】キートン山田、太川陽介

内房方面へ向かっていたら

スタートは安房白浜。いきなりですが、一行は鴨川方面へ向かうか、館山へ向かうかの選択を迫られます。館山なら内房方面、鴨川なら外房方面ですが、一行は鴨川を選択しました。仮に、館山から内房方面に進んでいたら、どうなっていたでしょうか。

▽1日目
安房白浜09:50→10:20館山駅前10:30→11:01小浜→徒歩6.2km→岩井袋12:31→12:50鋸南保田口13:12→13:15東京湾フェリー金谷港18:00→18:17上総湊

となり、うまく進めません。おそらくは、鋸南保田口か金谷港で鴨川方面へのバスに乗るなどして、大きなロスとなったことでしょう。つまり、一行が安房白浜から鴨川方面へ向かったのは正解でした。

ちなみに、一行が乗車した安房白浜から鴨川への直行バス(白浜~亀田病院線)は、オンエア日の2019年3月16日に廃止されています。

外房を進んでいたら

安房鴨川駅で、一行は木更津行きのバスに乗車し、房総半島を横断するルートを採ります。ここで、外房の海沿いを進むという選択もありました。「外房ルート」です。

▽1日目
鴨川駅東口11:05→11:44興津駅12:15→12:45勝浦駅14:05→14:44大多喜車庫15:00→15:40茂原駅南口/茂原駅東口16:43→17:21白里海岸17:28→17:40サンライズ九十九里18:00→18:27東金駅/東金駅入口18:53→20:05千葉駅

このように、外房をたどって千葉市に向かった場合、実際ルートより14分遅れて千葉駅に到着します。外房ルートで東金に至る道筋は、ルイルイ・蛭子の第16弾とほぼ同じです。

第16弾でルイルイ一行は、1日目に東金から八街にバスで抜けて佐原に到達しています。今回も、東金から佐原方面に向かうことはできますが、それについては後述します。

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「カピーナ号」は高速バスか?

実際ルートに戻ります。安房鴨川駅で一行は、10時35分発の高速バス「カピーナ号」について、乗車できないと判断し、見送りました。

とはいえ、「カピーナ号」は、途中で鴨川有料道路を経由するものの、天羽田杉浦(市原市)までは「高速道路」と称される道は通りません。高速バスであっても一般道部分は利用できる、というのが「ローカル路線バスの旅」のルールですから、安房鴨川~天羽田杉浦間は乗車しても問題ないように思えます。

この番組で「高速道路」の定義は曖昧です。過去、安房峠道路や名阪国道が許容範囲とされた例からすると、この区間に関しては、ルール上は乗車可能とみなすのが妥当でしょう。

仮定の話ですが、バス運転士が、「天羽田杉浦までは高速道路区間でない」と太鼓判を押してくれれば、乗ることができていたのではないか、と推察します。

出演者としては、曖昧な場合に「高速道路ではない」との返答を関係者から引き出すのも腕の見せどころ、と考えるべきなのかもしれません。

1日目の徒歩を省略する

閑話休題。一行は非の打ち所のない、厳密な意味での「ローカル路線バス」を選び、木更津へ至ります。木更津から先も順調に千葉市まで乗り継ぎました。

途中、けやき台から姉ヶ崎駅へ3.5kmの徒歩区間を挟みましたが、これを省略するルートもあります。

▽1日目
鴨川駅西口11:35→13:00木更津駅西口14:00→14:35高谷14:47→15:20姉ヶ崎駅東口15:45→16:23八幡宿駅西口19:20→19:51千葉駅

それほど難しい乗り継ぎではなく、発見できれば千葉まで徒歩なしで到着できたでしょう。ただし、八幡宿駅~千葉駅のバスの本数が限られるため、千葉駅到着時刻は実際ルートと同じです。

仮に上記のルートを発見した場合、八幡宿駅で3時間も待たずに、以下のようなルートをたどる方法もあります。

▽1日目
木更津駅西口14:00→14:35高谷14:47→15:20姉ヶ崎駅東口15:45→16:23八幡宿駅西口17:03→17:11菊間第三→徒歩0.7km→古市場大気17:25→17:41塩田営業所18:00→18:26千葉駅18:55→19:32四街道駅北口19:52→20:31田町車庫21:13→21:19京成佐倉駅21:56→22:07 JR佐倉駅

こんな器用に乗り継げるかはわかりませんが、うまくいけば、田町車庫での聞き込みもしたうえで、徒歩なしでJR佐倉駅に到達できるわけです。

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佐原に向かっていたら

実際ルートに戻りましょう。2日目、一行は佐倉から印旛日本医大へ向かい、千葉ニュータウンを駆け抜けて、取手、つくばを経由して水戸に至ります。佐倉から水戸に至るまで徒歩区間はなく、乗り継ぎもスムーズで、2日目はノーミスに感じられます。

番組では、佐倉から取手に向かうことのほか、佐原方面へのルートの可能性も示されていました。田町車庫で、バス会社の係員から、佐原へ行けば、茨城県方面へのバスが見つかる、という情報を得たからです。

仮に佐原方面へ向かっていたら、どうなっていたでしょうか。

▽2日目
京成佐倉駅08:10→08:29京成酒々井駅→徒歩3.2km→宗吾霊堂09:45→09:57京成成田駅12:35→13:31佐原駅15:00→16:30鉾田駅16:55→18:20水戸駅北口

これを「佐倉・佐原ルート」と呼びましょう。このルートは、京成佐倉から京成成田までバスでつなぐのが意外と難しく、成田近辺で時間を使ってしまいますが、実際ルートよりも50分ほど早く水戸駅に到着できます。

上記では、佐原駅から水戸へは、高速バス「麻生・鉾田線(あそう号)」の一般道区間を利用しています。高速バスを使わないで乗り継ぐなら、以下のようになります。

▽2日目
京成佐倉駅08:10→08:29京成酒々井駅→徒歩3.2km→宗吾霊堂09:45→09:57京成成田駅12:35→13:31佐原駅15:16→16:19江戸崎16:30→17:27土浦駅西口18:00→18:55石岡駅19:00→20:15水戸駅北口

この場合は、実際ルートより遅れて水戸駅に到着します。

佐倉・佐原ルートは、高速バスの下道区間を使わなかったとしても、乗り継ぎはシンプルです。佐倉で成田以遠の乗り継ぎがある程度見えていたら、選択してもよかったでしょう。

ただ、取手へ向かった実際ルートのほうが、人口の多いエリアを進む安心感はあったと思います。その意味で、「どちらも正解」だったように感じられます。

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下館ルート

次の分岐点となったのは、谷田部車庫です。石岡方面に進むか、下妻方面に進むかで悩む一行に対し、係員が丁寧にアドバイス。水戸を目指すことになりました。

仮に、つくばから下妻方面にむかった場合は、どうなったでしょうか。答えは簡単で、下妻でバスは途絶えます。

ただし、下妻でなく、筑波山へ向かった場合、以下のような乗り継ぎもできなくはありません。

▽2日目
谷田部車庫14:23→14:40つくばセンター15:25→16:11筑波山口17:00→17:52下館駅北口→徒歩16.4km→真岡駅前

▽3日目
真岡駅前06:29→07:22宇都宮駅西口09:23→09:52中里原十文字→徒歩6.6km→氏家駅11:00→11:39道の駅ばとう11:55→12:44西那須野駅東口13:13→13:56塩原温泉バスターミナル14:38→15:00上三依塩原温泉口駅→徒歩13.6km→早坂(乞旅館送迎)

▽4日目
早坂08:55→09:20会津田島駅前14:15→14:40会津下郷駅前15:00→15:25新湯入口15:30→15:45大内下

下館から真岡への路線バスが見つからず、16kmの徒歩になります。さらに、3日目には上三依塩原温泉口駅から早坂への13kmの徒歩が加わります。

それだけでも困難なルートですが、このルートを実現するには、つくばセンターで筑波山口での乗り継ぎルートを見つけ、宇都宮駅で、氏家から西那須野方面へ乗り継げるという情報を得なければなりません。

なかなか難しいとは思いますが、宇都宮を目指した場合に、一行が迷い込む可能性のあったルートかもしれません。

上記ルートのうち、塩原温泉経由で大内宿へ向かう道のりについては、後述します。

水戸駅でくつろがなかったら?

実際ルートに戻ります。一行が苦戦したのが3日目です。前夜に水戸市内にある茨城交通の営業所に行き、念入りに聞き込みをしたものの、福島県に入るまで、待ち時間の多さに苦しみました。

一行は、水戸駅の案内所で情報を仕入れ、7時47分発のバスを見送って喫茶店で休憩します。仮に、これに乗っていたらどうなっていたでしょうか。

▽3日目
水戸駅北口07:47→08:16飯田中新田→徒歩4.4km→上菅谷13:35→13:59常陸太田駅

このように、上菅谷で長い待ち時間があります。常陸太田を目指す限り、水戸駅7時47分発に乗っても、8時35分発に乗っても、同じ結果になります。したがって、水戸駅でゆっくり喫茶店でくつろぐ「安全策」を採ったことは、間違っていなかったことになります。

里川ルート

大きなポイントとなったのは、常陸太田です。一行は、馬次入口から大子駅前を目指して乗り継ぎますが、福島県に向かうなら、違うルートもありました。

▽3日目
常陸太田駅14:27→15:35里川入口 →徒歩1.2km→大ぬかり明神16:47→17:08矢祭小学校17:15→17:55棚倉駅前18:36→19:21白河駅前

▽4日目
白河駅07:50→08:35新甲子→徒歩13.7km→南倉沢15:30→15:55会津下郷駅前16:15→16:40新湯入口16:55→17:10大内下

これを「里川ルート」と呼びます。里川ルートなら、上記のように、3日目に白河駅前に到着します。そのため、4日目の甲子越えで時間的余裕ができ、ラクに歩き切れたでしょう。大内宿へのゴールも、実際ルートより少し早くなりますので、実際ルートより里川ルートが優れていたといえます。

一行は、常陸太田駅で観光案内所を訪れて情報収集をしていましたが、里川ルートを発見できませんでした。オンエアを見た限りですが、観光案内所で「大子方面」と目的地を限定して尋ねてしまっていたのが、やや残念でした。

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大内宿への他ルート

実際ルートに戻りましょう。3日目、一行は苦戦しながらも粘って福島県に入り、4日目は順調な乗り継ぎで白河駅に到着します。

ゴールとなる大内宿へは奥羽山脈を越えなければなりません。これが難題で、一行は4,345mの甲子トンネルを抜ける甲子道路を歩くことになりました。

このほかに、奥羽山脈を越えるルートはなかったのでしょうか。調べてみると、千葉方面から大内宿のある下郷町へのルートは、以下の3つが候補となりそうです。

・那須塩原市から塩原温泉を経て国道121号に入るルート(塩原ルート)
・白河市から甲子道路を経由するルート(甲子ルート:実際ルート)
・須賀川市から国道118号線で天栄村を経て湯野上温泉に至るルート(蝉峠ルート)

いずれのルートでも、徒歩を使わずに、バスだけで乗り継ぐことはできません。順に検討していきましょう。

塩原ルート

塩原ルートについては、下館方面の項目で少し触れましたが、山王峠のある上三依塩原温泉口駅~早坂間でバスが途絶え、約13.6kmの徒歩が生じます。ゴール可能な最終乗り継ぎ時刻で表記してみると、以下のようになります。

▽3日目
西那須野駅西口15:13→15:56塩原温泉ターミナル16:23→16:45上三依塩原温泉口駅

▽4日目
上三依塩原温泉口駅→徒歩13.6km→早坂10:45→11:10会津田島駅前14:15→14:40会津下郷駅前16:15→16:40新湯入口16:55→17:10大内下

逆算すると、3日目の15時13分に西那須野駅を発車するバスに乗らなければなりません。

水戸駅から西那須野駅へは、大宮、烏山、那珂川を経由することで、バスだけで繋がります。つまり、水戸から大内宿まで、徒歩区間は山王峠の13.6kmだけでゴールできます。

そう考えると悪くないルートなのですが、2日目に水戸に宿泊した場合、西那須野に3日目の15時に到達する方法は見つかりません。多少なりとも実現可能性のある乗り継ぎを考えると、以下でしょうか。

▽3日目
水戸駅08:35→09:31大宮営業所10:02→10:50高部車庫11:47→12:15 JR烏山駅前13:20→13:59那珂川町役場前16:05→16:20小川車庫前16:46→17:38西那須野駅東口/西口17:55→18:40塩原温泉バスターミナル

▽4日目
塩原温泉バスターミナル08:48→09:10上三依塩原温泉口駅→徒歩13.6km→早坂14:55→15:20会津田島駅前→徒歩10.7km→会津下郷駅前17:40→18:00新湯入口18:00→18:15大内下

水戸駅を実際ルートと同じ8時35分のバスで出発して、3日目は塩原温泉泊。4日目は、計24.3kmの徒歩でなんとかゴールできるという道のりです。

13.6kmのあとに10.7kmの徒歩。しかも最後の10.7kmは2時間20分で歩き切らなければならない、という痺れる設定です。

甲子トンネル越えとは違った形の過酷なルートですが、一行が水戸から常陸大宮を目指してしまうと、選択する可能性はあったでしょう。その場合、4日目の長距離徒歩が、番組の見せ場になっていたと想像できます。

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蝉峠ルート

蝉峠ルートの場合、徒歩区間は蝉峠の2.4kmのみです。最終乗り継ぎは、以下のようになります。

▽4日目
鏡石駅前09:41→11:12湯本→徒歩2.4km→枝松15:45→16:00新湯入口16:55→17:10大内下

徒歩区間は蝉峠の湯本~枝松間2.4kmに限られ、3ルートのなかではもっとも短いです。しかし、湯本へのバスが少なく、鏡石駅前09時41分発(須賀川駅前9時20分発)に乗らなければゴールできません。実際ルートでは、白河駅到着が10時28分なので、そこから鏡石や須賀川に向かっていては間に合いません。

ということで、4日目に白河駅に10時半頃に到着した時点で、一行がゴールするには、甲子トンネルを抜ける以外に方法はありませんでした。

実際ルートでは、13時15分に新甲子に到着し、南倉沢発のバスが16時45分。3時間半で13.7kmを歩き切ればゴールという命題でした。平均時速約4kmで歩き通さなければなりません。

蝉峠ルートは選択可能だったか

4,345mの甲子トンネルを徒歩で抜けるというのは、「正解」と表現するには過酷なルートです。「正解」を考えるなら、徒歩の短い蝉峠ルートを第一候補に挙げたくなりますが、現実的に選択可能だったのでしょうか。検討してみると、たとえば、以下のような乗り継ぎが考えられます。

▽3日目
常陸太田駅14:27→15:35里川入口 →徒歩1.2km→大ぬかり明神16:47→17:08矢祭小学校17:15→17:55棚倉駅前18:36→19:21白河駅前

▽4日目
白河駅前07:00→07:53石川営業所08:14→09:04須賀川駅前09:20→11:12湯本→徒歩2.4km→枝松15:45→16:00新湯入口16:55→17:10大内下

里川ルートで3日目のうちに白河駅に到着し、十分な情報収集ができれば、蝉峠ルートを選択できた可能性はありそうです。そう考えると、常陸太田駅で里川ルートを発見できなかった点は、ミスというほどではありませんが、やはりもったいなかったです。

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外房・佐原ルート

さて、話を鴨川に戻しましょう。鴨川から外房を経由しても、1日目に千葉駅に到達できることは、前述しました。このとき、千葉駅を目指さずに、東金から成田を目指すというルートもあります。

▽1日目
鴨川駅東口11:05→11:44興津駅12:15→12:45勝浦駅14:05→14:44大多喜車庫15:00→15:40茂原駅南口/茂原駅東口16:43→17:21白里海岸17:28→17:40サンライズ九十九里18:00→18:27東金駅/東金駅入口19:04→19:30成東駅20:02→21:27京成成田駅

▽2日目
京成成田駅06:40→07:08大栄支所07:28→07:56佐原駅08:20→09:00幸田車庫11:24→11:45江戸崎12:30→13:22土浦駅西口14:05→14:50石岡駅15:35→16:50水戸駅北口17:25→17:52農業試験場入口→徒歩3.8km→上菅谷駅19:00→19:23常陸大田駅

▽3日目
常陸太田駅10:02→10:58馬次入口11:30→12:07大子駅前12:20→12:32下野宮→徒歩4km→高地原入口15:58→16:16(矢祭町)中学校前16:29→17:05棚倉駅前/磐城棚倉駅17:37→18:33白河駅前

▽4日目
白河駅前07:00→07:53石川営業所08:14→09:04須賀川駅前09:20→11:12湯本→徒歩2.4km→枝松15:45→16:00新湯入口16:55→17:10大内下

この「外房・佐原ルート」では、3日目の夕方に白河駅前に到着できます。この時間に白河駅に着ければ、蝉峠への道筋を探すことが可能だったと思われますので、上記は蝉峠経由にしてみました。このルートは、実現可能性のあるルートのなかでは徒歩区間が短く、「正解」に近いように感じられます。

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千葉で宿泊していたら

ところで、今回、一行には「3連敗したらコンビ解散」という厳しい命題が課せられていました。そのため、一行の意気込みには並々ならぬものが感じられ、これまでなら足を止めていたような場所でも、「もうひとがんばり」の粘り強さがみられました。

たとえば、1日目の千葉駅。到着したのは20時前でしたので、ホテルの豊富な千葉駅周辺で宿泊、という選択もあり得たと思います。しかし、今回は、もうひとがんばりで、佐倉まで足を伸ばしました。

仮に、1日目に千葉駅周辺で宿泊していたらどうなっていたでしょうか。

▽2日目
千葉駅06:05→06:37四街道駅北口06:47→07:34 JR京成佐倉駅07:44→08:08印旛日本医大駅08:26→08:45印西牧の原駅南口

印旛日本医大駅で、実際ルートに追いつきます。ただ、このルートでは田町車庫に寄っていませんので、このように印西牧の原へ抜けるルートを見つけることはできなかったかもしれません。

その場合でも、京成佐倉駅8時10分発のバスで酒々井へ向かえば、佐倉・佐原ルートで2日目に水戸に到達できます。

つまり、今回のルート設定は、千葉市で1泊、水戸市で1泊、里川ルートを使って白河市で1泊すれば、甲子トンネル経由でも蝉峠経由でも、ゴールできたことになります。

あるいは、塩原ルートの場合、3日目夜に塩原温泉に泊まれば、ゴールの可能性が残されていました。

要するに、ゴールへの道筋は豊富だったわけです。

「正解」はあるのか?

あまり歩かずにゴールできるのは、蝉峠ルートです。しかし、間に合う時間に蝉峠ルートの情報を得るのは難しく、選択可能性の低い設定になっていました。

実質的には、甲子ルートか塩原ルートの二択になっていて、いずれにせよ、4日目に過酷な徒歩が待っています。

つまり、今回のお題は、高い確率で、最終日に過酷な徒歩になるように仕掛けられていたわけです。演出側の狙いとして、田中・羽田コンビ自慢の健脚を、最終日のハイライトに配置したのでしょう。

今回失敗すればコンビ解散と前触れし、結果はどうあれ、田中・羽田コンビの真骨頂を披露できる見せ場を、最終局面で用意したわけです。期待に違わず、田中・羽田コンビにマドンナを加えた3人は、最後に驚異の脚力を見せつけ、ゴールに漕ぎ着けました。

こうした制作意図をくみ取れば、到着時刻が早いルートや、徒歩距離が短いルートを探して「正解」と騒ぐのは野暮かもしれません。一行は期待通りのルートでバスに乗り、途切れた区間を早足で歩き切ってみせたのですから、それこそが「正解」でしょう。

田中・羽田コンビの存在価値

ルイルイ・蛭子コンビは「ルートが枯渇した」という理由で引退しました。実際、今回のお題は、ルイルイ・蛭子の第16弾と似ていますので、ルート枯渇が事実であることを裏付けています。

そしてルイルイ・蛭子では、甲子峠を3時間あまりで越えるのは難しかったでしょう。白河駅で情報収集した時点であきらめて、チャレンジしなかった可能性すらあります。その意味では、似たようなお題でも、田中・羽田コンビだからこそ挑めるコースが存在することを証明したことになります。

要するに、田中・羽田コンビは、今回のロケで、自らの存在価値を見せつけたわけです。「バスがなければ歩けばいい」という突破力こそが、田中・羽田コンビの持ち味。その意味で、Zシリーズを象徴する回になったのではないでしょうか。(鎌倉淳)

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