東京都は、新空港線の都市計画素案説明会を開き、計画の詳細を明らかにしました。新たに設ける「蒲田新駅」(仮称)は1面2線の切り欠きホームとし、東急蒲田駅付近の地上部には車両留置施設を整備します。これまで概要のみ示されてきた新空港線ですが、駅構造や留置施設などの計画が具体的になりました。
二つの蒲田駅を結ぶ
東急新空港線は、東急多摩川線の矢口渡駅・蒲田駅間から、JR・東急の蒲田駅地下を経由し、京急蒲田駅付近までを結ぶ鉄道新線計画です。東急・JRの蒲田駅と京急蒲田駅という「二つの蒲田駅」を結ぶことから、「蒲蒲線」とも呼ばれています。
東急多摩川線の蒲田駅付近を地下化したうえで、京急蒲田駅付近まで地下線を新設します。終点の京急蒲田駅付近には「蒲田新駅」(仮称)を設置します。
都市計画区間は約2.0kmで、このうち、東急多摩川線区間が約1.2km、新空港線区間が約0.8kmです。実際の工事区間は約1.7kmです。
第三セクターの羽田エアポートラインが整備・保有し、東急電鉄が施設を借り受けて営業します。

地上部に車両留置施設を整備
新空港線の都市計画素案説明会資料によりますと、新空港線・多摩川線の蒲田駅は、現在の東急蒲田駅直下に設けます。東横線との直通を想定しているので、8両対応のホームを備えます。
地上部には、車両の留置施設を設けます。留置施設は、新空港線の開業に伴って必要となる増備車両を夜間などに留置するためのものです。断面図を見る限り、地下蒲田駅と同等の長さを備えるので、留置施設も8両対応になるようです。
東急多摩川線と池上線は車両を共用しているため、両線を行き来できる連絡線も地上部に設ける計画です。

蒲田新駅は切り欠きホームに
蒲田新駅は、1面2線の切り欠きホームとします。京急蒲田駅付近は道路下の限られた空間しか利用できないため、ホームを前後にずらして配置する構造とします。
3両編成専用ホームと、8両・3両の双方に対応するホームを組み合わせることで、限られた用地内に駅を収める計画です。

京急蒲田へ地下道で接続
説明会資料では、蒲田新駅のホームは京急線高架の手前までとなっています。一方で、京急蒲田駅との乗り換え方法についての詳細な説明はありません。
図面を見る限りでは、京急の高架に沿って地下通路で京急蒲田駅へ接続する構造になりそうです。

道路用地内に収めるため
切り欠きホームの詳細な構造は示されていませんが、階段やエスカレーターを設置するホーム先端部を8両対応とし、矢口渡方を3両分切り欠いた形にするのでしょう。
切り欠きホームにした理由は、駅を既存の道路用地内に収めるためです。つまり、ホームの反対側にもう1線を敷く用地の余裕がなかった、ということです。
新空港線には大鳥居方面への延伸構想があるため、ホームは頭端式ではなく、東側へ線路を延ばせる構造になっているとみられます。
延伸はどうするのか
ここで疑問となるのは、将来延伸する場合、必要となる「もう1線」はどこに敷くのか、ということです。
ホームの反対側で掘削工事をするのが難しいのであれば、延伸時には駅構造の見直しが必要になります。
可能性として考えられるのは、二層ホーム化でしょうか。もう一層深い位置にホームを増設する形です。
ただ、現計画は二層ではないので、実際に延伸するなら、直下でホーム増設工事をする必要があります。技術的には可能とみられますが、延伸のハードルは少し高くなるでしょう。
都市計画手続きが本格化
今回の説明会は都市計画素案に関するもので、今後は都市計画案の作成、都市計画審議会での審議などを経て都市計画決定を目指します。並行して環境影響評価(環境アセスメント)も実施します。
その後、事業認可を経て、工事に着手する予定です。開業目標は「令和20年代前半」とされており、2040年前後になりそうです。
新空港線は、東急多摩川線を経て、東急東横線などと相互直通運転を行う予定です。渋谷方面と羽田空港方面を結ぶ新たな鉄道ネットワークの形成が期待されています。(鎌倉淳)




















