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JR四国の全路線収支と営業係数。黒字は瀬戸大橋線のみ。最大赤字は土讃線

平均営業係数は144

JR四国が路線ごとの収支と営業係数を公表しました。2013~17年度の5年間の平均で、全9路線18線区のうち、黒字は瀬戸大橋線だけでした。

9路線18線区の収支公表

JR四国が路線収支を公表したのは、2019年3月22日に高知市で開かれた「四国における鉄道ネットワークのあり方に関する懇談会2」の会合においてです。

それによりますと、JR四国の9路線18線区のうち、黒字は瀬戸大橋線(本四備讃線)のみで、他の17線区は全て赤字。最大の赤字は土讃線の琴平~高知間でした。

公表された、各線区の2013~17年の5年間平均の営業損益、営業係数は以下の通りです。また、JR四国の決算資料から、参考として輸送密度を加えました。

路線名 区間 営業損益(億円) 営業係数 輸送密度(人/日)
本四備讃線 児島~宇多津 5.2 84 24,583
予讃線 高松~多度津 ▲6.2 115 24,769
予讃線 多度津~観音寺 ▲0.8 106 9,609
予讃線 観音寺~今治 ▲5.6 116 6,093
予讃線 今治~松山 ▲5.0 123 7,471
予讃線 松山~宇和島* ▲12.4 157 3,079
予讃線 向井原~伊予大洲 ▲5.7 547 442
土讃線 多度津~琴平 ▲3.1 175 5,693
土讃線 琴平~高知 ▲17.6 175 2,928
土讃線 高知~須崎 ▲8.3 199 3,985
土讃線 須崎~窪川 ▲4.3 278 1,173
予土線 北宇和島~若井 ▲9.3 1,159 340
高徳線 高松~引田 ▲5.9 145 4,941
高徳線 引田~徳島 ▲5.2 173 3,753
鳴門線 池谷~鳴門 ▲1.5 320 1,917
徳島線 佐古~佃 ▲11.6 218 2,962
牟岐線 徳島~阿南 ▲4.5 183 4,807
牟岐線 阿南~牟岐 ▲8.5 635 753
牟岐~海部 231

※2013~2017年度の5年間平均。ただし、輸送密度は2017年度。
*予讃線松山~伊予大津間には内子線を含む。輸送密度は内子線除く。

南風

「準幹線」で大きな赤字

最大の赤字となった土讃線・琴平~高知間の赤字額は、5年平均(以下同)で、17億6000万円。次いで予讃・内子線の松山~宇和島間12億4000万円と続きます。ローカル線よりも、準幹線とでもいうべき区間での赤字額が大きくなっています。

輸送密度が高い予讃線の高松~多度津間でも6億2000万円の赤字です。唯一の黒字線となった本四備讃線の黒字額は5億2000万円にすぎません。

営業係数は、予土線が1,159と最も悪く、次いで牟岐線の阿南~海部間で635です。営業係数については、ローカル線の数字が悪いです。JR四国全線の営業係数の平均は144です。

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「ローカル線廃止」では済まない

JR四国の収支状況を一言で表現すれば、ドル箱路線がない、ということに尽きるでしょうか。高松や松山の郊外区間でも赤字、特急が多数走っている高松~松山間も赤字です。

黒字の瀬戸大橋線についても、瀬戸大橋の老朽化が進むにつれて設備の維持・更新費がかさみ、今後は赤字に転落する可能性があります。つまり、仮にローカル線を片っ端から廃止しても、鉄道事業が黒字になるという話ではありません。

経営難に苦しむJR北海道は、極論すれば札幌圏のみに事業集中すれば収支均衡も目指せそうですが、JR四国は、その点が異なるようです。(鎌倉淳)