東海道・山陽・九州新幹線「利用者半減」の衝撃。新型コロナウイルスの猛威は続く

緊急事態宣言なら3分の1に

コロナウイルスの猛威が、JR各社を襲っています。3月に入って東海道・山陽・九州の各新幹線で、利用者がほぼ半減したことが明らかになりました。

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「のぞみ」43%

JR東海は、2020年3月1日~9日の東海道新幹線の利用者数を発表しました。前年同月比で「のぞみ」が43%、「ひかり」が42%、「こだま」が53%で、平均44%となりました。在来線特急が47%、名古屋近郊路線が71%です。

JR西日本は、3月1日~7日の山陽新幹線の利用者数が前年同月比で49%、北陸新幹線が46%になったと発表しました。在来線特急は45%、近畿圏が68%です。

JR九州は3月1日~7日の九州新幹線の利用状況が前年比54.4%になったと発表しました。

東海道・山陽・九州新幹線の3月の利用状況が、前年比で約半分に落ち込んだわけです。「のぞみ」「ひかり」の不調が示すように、長距離列車ほど影響を強く受けているようです。

東海道新幹線の場合、東日本大震災が発生した2011年3月の落ち込み幅が20%減だったそうなので、今回の衝撃の強さが伝わります。

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外出自粛で65%減

JR東日本は、2月までの利用状況しか発表していませんが、深沢祐二社長は3月3日の記者会見で、3月に入ってからの新幹線指定席の予約状況を「5割減」と表現しました。

JR北海道は、3月2日~3月8日で、北海道新幹線の利用者数が前年比25%、在来線特急が30%、快速エアポートが47%と発表しています。北海道が緊急事態宣言を発表し、週末に外出自粛を求めた厳しい状況下で、前年比25%(75%減)というのは衝撃です。

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「要請」の影響大きく

新型コロナウイルスの感染拡大の危機感が強まったのは2月中旬以降です。JR各社のデータでも、2月から利用者減少が数字に表れています。ただ、2月全体では、まだ10%減程度の影響でした。

ところが、上記の通り、3月に入ってJR各社の特急・新幹線客は激減し、おおむね前年の半分となってしまいました。2月末に政府がイベントの自粛や学校休校の要請をしたためと見られますが、「政府の要請」の影響の大きさがうかがい知れます。

北海道のように「緊急事態宣言」に至り外出自粛まで要請すると、半減ではきかずに4分の1になることも明らかになったといえます。

本来なら、新生活を前にした3月は旅客流動が多く、JRにとってかき入れ時。そのピーク時に利用者数がこれだけ減ると、打撃は計り知れないものがあるでしょう。

新型コロナウイルスの猛威が続く中、各社とも回復への見通しを示せていません。運行本数の見直しにも着手し始めていて、影響はまだ広がりそうです。(鎌倉淳)

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