ANAの新しい「空席待ちサービス」を徹底解説。空港キャンセル待ちはこう変わる!

呼び出し順も細分化

ANAが国内線で新しい「空席待ちサービス」を導入します。自動チェックイン機で手続きでき、搭乗時も地上係員のいるカウンターで手続きをする必要がなくなります。

広告

便指定が可能に

ANAは、国内線の空港での空席待ちサービスの方法を、2020年4月1日から変更すると発表しました。

空港の空席待ちは、予約で満席の飛行機に乗りたいときに使います。「空港でのキャンセル待ち」と表現する旅行者もいます。

ANAの場合、国内線の現在の空席待ちシステムは、旅客が事前に航空券を買った上で、路線別の空席待ち整理券を自動チェックイン機などで発行してもらう、という仕組みです。便指定はできず、次便が満席で乗れなければその次の便、と繰り越して待ちます。

新たな空席待ちサービスでは、搭乗を希望する便を指定しての申し込みが可能になります。申し込み手続きは自動チェックイン機で行えて、希望便を複数選択して申し込むこともできます。

係員のいるカウンターに立ち寄ることなく、自動チェックイン機を使用することで、旅客自身の操作のみで空席待ち手続きを完了できます。

ANA空席待ち
画像:ANAウェブサイト

呼び出しはゲート前に統一

空席待ちの呼び出し場所は、これまで空港によって異なっていましたが、今後は、すべての空港で、保安検査場通過後のゲートエリアに統一します。

呼び出し開始時間は出発時刻の20分前に変更します。これまでは、出発時刻の25分前からの呼び出しでした。

ANA空席待ち
画像:ANAウェブサイト
広告

呼び出しはデジタルサイネージ

搭乗確定時の呼び出しと搭乗手続きにも変更があります。

これまでは、空席待ち整理券の種別と番号をアナウンスし、カウンター係員が一人ずつ手続きをしていました。今後は、搭乗口付近に設置するデジタルサイネージに名前の一部と空席待ち番号を表示する呼び出し方法に変更します。

ANA空席待ち
画像:ANAウェブサイト

旅客が画面で自らの番号を確認すると、搭乗口付近に設置している自動チェックイン機で搭乗手続きができます。預け手荷物がない場合は、カウンター手続きは不要です。

預け手荷物がある場合は、ゲートの係員に手続きを依頼し、搭乗します。

広告

呼び出し順も細分化

空席待ちの呼び出し順にも変更があり、細分化されます。空港での空席待ちは必ずしも「早い者順」ではなく、これまでは3つの種別に優先度が分かれていました。

種別S:ダイヤモンドサービスメンバー
種別A:プラチナ・ブロンズサービスメンバー、スーパーフライヤーズカード会員、スターアライアンスゴールド・シルバーメンバー
種別B:一般客

4月1日からは、これが9つに細分化されます。

種別A:ダイヤモンドサービスメンバー
種別B:プラチナサービスメンバー
種別C:スーパーフライヤーズカード会員
種別D:スターアライアンスゴールド
種別E:ブロンズサービスメンバー
種別F:スターアライアンスシルバー
種別G:マイレージ会員
種別H:非会員
種別J:その他

同じカテゴリの場合、空席待ちを申し込んだ航空券の運賃種類に応じて、呼び出し順が前後します。高い運賃ほど優先することになるようです。

「階級」と「価格」による優先順位の違いが、これまで以上に明確になるわけで、すがすがしいですね。

全体的に見てみると、「航空券を買って整理券をもらう→保安検査場を抜けて搭乗口前で待つ」という、これまでの空港の空席待ちの流れに変わりはありません。

改善点があるとすれば、カウンターの列に並ぶ時間が減りそうなことでしょうか。呼び出し優先順位の細分化もあって、ヘビーユーザーには使いやすい仕組みになりそうです。

一方で、たまにしか飛行機を使わないライトユーザーには、係員から説明を聞ける機会が減りそうですし、少しばかりややこしくなったのではないか、とも思います。(鎌倉淳)

広告
前の記事東海道・山陽・九州新幹線「利用者半減」の衝撃。新型コロナウイルスの猛威は続く
次の記事長崎新幹線「大村新駅」の駅名案候補を3案発表。大本命はどれ?