京急電鉄が「みさきまぐろきっぷ」をリニューアルします。磁気券を品川発5,000円に値上げする一方、デジタル版は4段階の変動価格に。追加料金で食事を豪華にでき、最繁忙日には優先着席も選べます。割引きっぷの進化を感じさせるリニューアルです。
磁気券は5,000円に
京急電鉄は2026年9月1日、「みさきまぐろきっぷ」など三浦半島のおトクなきっぷをリニューアルし、一部の発売額を変更します。
「みさきまぐろきっぷ」は、京急線の往復乗車券と三浦・三崎エリアのバス乗車券に、食事券「まぐろまんぷく券」や施設利用などに使える「三浦・三崎おもひで券」を組み合わせた企画乗車券です。
今回のリニューアルでは、品川発の磁気券を、4,250円から5,000円へ750円値上げします。横浜発は4,100円から4,850円、上大岡発は3,930円から4,670円になります。
一方、デジタルきっぷは、利用時期に応じて価格を変えるダイナミックプライシングを強化し、ほどんどの時期で磁気券より安く利用できるようにします。

デジタルきっぷは最大1,150円安く
「みさきまぐろきっぷ」のデジタルきっぷでは、すでにA、B、Cの3段階によるダイナミックプライシングを導入しています。
9月からは、最繁忙期を対象とするD料金を加え、4段階に細分化します。
品川発の場合、A料金3,850円、B料金4,100円、C料金4,500円、D料金5,000円です。
A料金は12月と1月の全日、B料金は2~11月の平日、C料金は2~11月の土休日・祝日を基本とします。D料金はゴールデンウィークやシルバーウィークなどです。
磁気券は一律5,000円なので、紙のきっぷは常に最繁忙期のD料金扱いということになります。最安のA料金とは1,150円もの差がつきます。
つまり、いつ買っても同じ価格の磁気券に対し、デジタル版は閑散期に利用すれば大幅に安くなる仕組みで、デジタル化とピークシフトを進める料金体系です。

追加料金で「豪華なまぐろ」
リニューアルの2つめのポイントとして、新たに「まんぷく券PLUS」を導入します。「まぐろまんぷく券」(食事券)に現地で追加料金を支払うことで、通常より豪華な料理や追加メニューを選べる仕組みです。
たとえば「グルメ館 豊魚」では500円を追加して刺身または天ぷらを追加。「宗㐂」では2,000円で刺身盛り合わせを追加できます。
三崎「魚市場食堂」では2,500円を追加すると、通常メニューを「三崎まぐろ極み御膳」に変更できます。
全部で7店舗が「まんぷく券PLUS」に対応し、追加額は500円から2,500円です。
従来のように決められたセットをそのまま利用するだけでなく、現地で好みに応じて内容をアップグレードできるようになります。
最繁忙日には「優先着席権」
さらに、リニューアル3つめのポイントとして、「クイック・パス」という制度を新たに導入します。
三崎「魚市場食堂」では、D料金日に限り3,000円を追加すると、「三崎まぐろ極み御膳」に加えて「優先着席権」が付きます。
通常の「三崎まぐろ極み御膳」への変更は2,500円なので、500円を上乗せすることで、混雑時の待ち時間を短縮できます。
最繁忙期には旅行代金そのものを高くし、さらに希望者には追加料金で待ち時間を短縮する選択肢も用意するわけです。
割引きっぷはここまで変わった
鉄道会社の割引きっぷは、かつては往復運賃とフリー乗車券をセットにするなど、単純に安く利用できる商品が中心でした。その後、食事券や施設利用券をセットにした観光商品が増えました。
「みさきまぐろきっぷ」は、そこからさらに一歩進んでいます。
デジタル化によって利用日ごとに価格を変え、閑散期は安く、繁忙日は高く設定。一方、紙のきっぷは常に「最繁忙期価格」となります。
食事についても追加料金で内容を選べるようにし、混雑日には優先着席という選択肢まで用意します。
「決まった内容を安く売る」だけだった割引きっぷから、需要や利用者の希望に応じて価格とサービスを変える旅行商品へ。「みさきまぐろきっぷ」の今回のリニューアルは、鉄道の割引きっぷが変わりつつあることを示す、一つの事例といえそうです。(鎌倉淳)





















