JR西日本が企画きっぷの大幅見直しをおこないます。特急「サンダーバード」では、「WEB早特」が事実上値上げされます。
企画きっぷを大幅見直し
JR西日本は、2023年4月以降に発売する企画きっぷ(特別企画乗車券)について、大幅に見直すことを明らかにしました。
見直し内容は多岐にわたりますが、ここでは、特急「サンダーバード」関連のきっぷを見てみましょう。
指定席特急回数券を廃止
まず、「指定席特急回数券」を3月17日で販売終了します。グリーン車のみ残されていた「e早特」や、「WEB早特1」も3月末で販売終了です。
「eきっぷ」「チケットレス特急券」「eチケットレス特急券」「おとなびWEB早特」は4月1日から一部区間で発売額を見直します。要は、現在発売されている全ての割引きっぷについては、廃止または見直しを行うというドラスチックな内容です。
新規設定としては、「WEB早特7」「WEB早特14」があります。大阪~金沢間と大阪~福井間を例に、企画きっぷの価格を比較してみましょう。
きっぷの種類 | 大阪~金沢 | 大阪~福井 | ||
---|---|---|---|---|
現価格 | 新価格 | 現価格 | 新価格 | |
指定席特急回数券 | 7,200円 | ー | 5,700円 | ー |
eきっぷ | 7,180円 | 7,260円 | 5,610円 | 5,610円 |
チケットレス特急券 | 7,590円 | 7,590円 | 5,940円 | 5,940円 |
eチケットレス特急券 | 7,180円 | 7,150円 | 5,610円 | 5,500円 |
おとなびWEB早特 | 6,230円 | 6,230円 | 4,900円 | 4,900円 |
WEB早特1 | 6,500円 | ー | 5,020円 | ー |
WEB早特7 | ー | 7,000円 | ー | 5,510円 |
WEB早特14 | ー | 6,610円 | ー | 5,210円 |
定価 | 7,790円 | 7,790円 | 6,140円 | 6,140円 |
※指定席回数券は1枚あたりの金額。
「WEB早特」は値上げ
明確な値上げとなるのは「WEB早特」です。e5489の無料会員でも購入できる手頃なチケットですが、現行の「WEB早特1」(前日まで発売)を廃止します。新たに「WEB早特7」(7日前まで発売)「WEB早特14」(14日前まで発売)を設定しますが、値上げとなっています。
前日まで購入可能なチケットがなくなり、7日前または14日前までに購入しなければならない高いチケットを設定するわけで、利用者にとってはショックな内容でしょう。
一方、50歳以上が利用できる「おとなびWEB早特」は据え置きで、相対的にお得感が高まりました。「チケットレス特急券」も据え置きですが、もともとお得感が小さいので、影響もあまりありません。
J-WESTカード会員専用の「eチケットレス特急券」と「eきっぷ」は、これまで同額でしたが、新料金では「eチケットレス特急券」の価格が低くなるように設定されています。価格水準は大きく変わらないので、チケットレス誘導の意味合いがありそうです。「指定席回数券」も紙のきっぷの廃止の流れといえます。
全体的には、割引率の高い格安チケットを縮小しつつ、紙のきっぷをチケットレスへと誘導する意図があるようです。(鎌倉淳)