JR九州社長が「5年間はダイヤ改正しない」。運行規模を当面維持へ

九州新幹線長崎ルート開業まで現状維持

JR九州の青柳俊彦社長が、2018年3月ダイヤ改正の後は、2023年春まで大規模なダイヤ改正をしない意向を示しました。今回の改正で大幅な減量ダイヤを実施しますが、当面はその運行規模を維持する姿勢を見せたと言えそうです。

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九州新幹線長崎ルート開業までは現状維持

JR九州は2018年3月17日のダイヤ改正で、同社過去最大規模となる列車本数の削減を実施します。1日あたりの運転本数を3,128本から117本減らして3,011本にすると発表しており、本数ベースで3.7%の削減となります。

特に、ローカル線では日中の閑散時間帯を中心に列車が削減され、ダイヤの空白時間帯が大きくなる路線も相次いでいます。

日本経済新聞2017年12月20日付によりますと、JR九州の青柳社長は、このダイヤ改正について、「列車1両20人より少ないものについてはリストアップし、利用目的も調べた。問題なければ削減するという作業を1本、1本、丹念に検討した」と説明しました。

その上で、この大規模な減量ダイヤの後、「九州新幹線長崎ルートが開業する2022年度まで(大規模な)ダイヤ改正はしない」と述べたということです。

九州新幹線長崎ルートの開業は2022年度中とされており、年度末の2023年春になる可能性が高そうです。となると、2023年3月のダイヤ改正まで、約5年間、2018年新ダイヤでの運行規模を大枠で維持する姿勢を示したといえます。

JR九州鳥栖駅

5年間で利用者数をどう維持するか

当面ダイヤ改正をしないことには、改正作業にかかる人手や負担を省く狙いもあるようです。ダイヤ改正がない以上、利用者数が少ない列車や路線も、当面は維持されることになります。

1列車20人という基準を示したことは、列車削減の判断の透明性を訴える目的もあるのでしょう。また、5年後にこれを下回る列車があれば、削減対象になりうることを意味します。

今後5年間、現在の利用者数をどう維持し、増やしていくか。人口減少時代にあっては難しい課題で、JR九州のみならず、地元自治体にも課せられた大きな宿題になりそうです。(鎌倉淳)

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