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只見線の全線復旧が固まる。2020年代初めにも不通区間で運転再開、JRと地元が費用を分担

2011年7月の豪雨災害により一部区間で不通が続いているJR只見線が、復旧する見通しであることがわかりました。地元自治体が、JRが求めている約54億円の費用負担を受け入れる方針を示したためです。正式決定すれば2020年代初めにも復旧する方向です。

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復旧費用は81億円

JR只見線は、会津若松~小出間を結ぶ135.2kmの路線です。2011年の豪雨災害で大きな被害を受け、一時は只見~会津坂下間113.6kmが不通となりました。その後、JR東日本の手で順次復旧されましたが、現在も会津川口~只見間の27.6kmは不通となっており、代行バスが運転されています。

JR東日本では、最新の試算で、復旧費用を約81億円と見積もっています。金額があまりに大きいことから、JRは当初、復旧に慎重な姿勢を見せていました。

只見線
写真:福島県

54億円の負担を地元が受け入れ

しかし、県や地元市町村が相応の負担に応じる姿勢を示したことから、復旧協議が進展。各社報道によりますと、地元自治体は、JRの求める復旧費用の3分の2にあたる54億円の負担を受け入れる方針を固めたとのことです。

これにより、只見線は全線復旧する見通しとなりました。2016年12月26日に開かれる「只見線復興推進会議検討会」で、復旧方針が正式に決まります。

JR東日本は、復旧区間について上下分離方式を提案しています。JRは車両の運行のみを行い、鉄道施設の管理は県や沿線市町村が担います。年間の費用負担は、JR東が約7100万円、県や沿線市町村が約2億1000万円になる見込みです。

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輸送密度49人に巨費

被災前の只見~会津川口間の輸送密度(平均通過人員)は、1日あたり49人。年間の運賃収入は500万円に過ぎません。これに対し、営業費用は3億3500万円で、営業係数は実に6700。JR北海道のローカル線をしのぐ過疎区間です。

ほとんど利用されていない鉄路の復旧に巨費を投じることへの賛否はあるでしょう。それでも、地元は、只見線は沿線のシンボルであるとして、復旧にこだわったようです。

廃止論封じ込め

とはいえ、只見線の将来的な収支見通しは安定しているともいえます。なにしろ、運賃収入が500万円しかないので、今後、収入が減る余地はあまりありません。運行経費が変わらないなら、将来的に営業赤字が拡大する可能性は低いといえます。

となると、年間3億円あまりの赤字負担をJRと地元で分担するスキームさえ固まれば、運転再開後に廃止論が再燃する可能性は低そうです。三江線のように「復旧したのに数年後に廃止」という形にはならないでしょう。只見線の廃線論は当面封じ込められたといえます。

JR東日本は、復旧工事に要する期間を設計完了から3年と見込んでいるそうです。そのため、只見線の全線復旧は、2020年代の初め頃になる見通しです。(鎌倉淳)

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