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沖縄縦貫鉄道の推奨ルートを読み解く。那覇~名護の全駅位置を大予想

沖縄県外から恐縮ですが

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沖縄縦貫鉄道の基本ルート案が固まりました。沖縄本島への鉄軌道導入を検討する「沖縄鉄軌道検討委員会」は、7つのルート案から「C派生案」を推奨ルートに決定。このほど、概略計画案が公表されました。

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北谷・うるま・恩納ルート

沖縄縦貫鉄道は、那覇市から名護市までを結ぶ計画で、沖縄県では有識者会議「沖縄鉄軌道計画検討委員会」が計画案を策定しています。2018年1月18日に開かれた会議で推奨ルートを決定し、2月から一般の意見公募を開始しました。

推奨ルートとなった「C派生案」は、那覇~浦添~宜野湾~北谷~沖縄~うるま~恩納~名護と結ぶルートです。いわば「北谷・うるま・恩納ルート」とでもいうべきもの。

「第8回沖縄鉄軌道計画検討委員会資料4-1」によりますと、「人口集積地域や宿泊施設が集積する地域を経由し、中部の東西各地域からのアクセスも良く、両地域の需要が取り込める」として、評価しました。

ルートの詳細や駅位置は未定ですが、公表されている資料を読み解いていくと、ある程度は推測できます。詳しく見てみましょう。

沖縄鉄軌道計画推奨ルート
画像:おきなわ鉄軌道ニュース第7号

起点は沖縄県庁前

まず、起点となる那覇駅の位置ですが、2013年に公表された「鉄軌道を含む新たな公共交通システム導入促進検討業務」報告書(2012年度報告書)などから、沖縄県庁付近に作られる可能性が高そうです。

那覇空港を起点とすべきという意見もありますし、上記2012年度報告書も那覇空港起点となっています。しかし、その後、那覇空港路線は棚上げになっています。

「第6回 計画検討委員会(H29.8.18)の主な意見とその対応について」という資料では、那覇空港接続とゆいレールへの経営への影響について、「計画段階において、メリット、デメリットを踏まえ、幅広く検討を行う」としています。

那覇空港を発着点とした場合、ゆいレールへの影響は大きいですが、沖縄縦貫鉄道が観光客をターゲットにするのなら、那覇空港との接続は重要です。この点は、今後も論点の一つとなりそうです。

沖縄鉄軌道ルート案
画像:平成24年度「鉄軌道を含む新たな公共交通システム導入促進検討業務」報告書より

国道58号か330号か

那覇~宜野湾間は国道58号または330号の地下を走るとしています。58号は海沿い、330号は内陸部です。

資料を見ると、330号のほうが距離が1kmほど短く、利用者数も多いと見込まれているため、鉄軌道のルートのみを考えるなら、330号の地下を通る可能性が高いでしょう。

2013年報告書のA案では、県庁前から国際通りの地下をたどり「新都心」に駅を設置。さらに330号地下を走って「浦添」駅に至る形をとっています。「浦添」駅の位置まではわかりませんが、大平交差点付近が有力でしょう。

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駅の設置基準

さて、「第4回 沖縄鉄軌道計画検討委員会 資料5」によると、以下のような基準で途中駅を設けるとしています。

1 経由する市町村に、駅を1箇所設定(拠点駅と呼ぶ)。
2 拠点駅間距離が長い区間については、必要に応じて拠点駅間に駅を設定(中間駅と呼ぶ)。
3 中間駅の数は、市街地は2~3kmに1箇所程度、郊外部は5~7kmに1箇所程度とする。

この条件を当てはめると、「新都心」と「浦添」の間に、もう一駅を設置する可能性があります。作られるとすれば「内間」駅でしょうか。

普天間新市街地に拠点駅

「浦添」駅の次に駅設置が確定的なのが、「普天間」駅。普天間飛行場の返還を前提として、飛行場のほぼ中央に設けられます。ここは拠点駅の位置づけでしょう。

2011年の「普天間飛行場跡地利用計画方針策定調査報告書」(普天間報告書)には、鉄道を敷く場合、普天間飛行場跡地の南端に「宜野湾真島」駅を設置し、跡地中央に「新市街地中央」駅を設置する案が掲載されています。

つまり、「浦添」駅、「宜野湾真志喜」駅、「普天間新市街地中央」駅の順です。

普天間基地鉄道路線図
画像:「普天間飛行場跡地利用計画方針策定調査報告書 」(平成23年3月)より

アメリカン・ビレッジ付近に駅

選定された「C派生案」は、普天間から北谷に向かいます。この場合、普天間飛行場跡地を縦走するのではなく、市街地中央付近から西海岸側へ折れて、高架橋で海沿いを進みます。

「普天間報告書」の鉄道ルートの想定案を見ると、普天間基地から北谷へ向かう場合は、宜野湾旧市街地に入った付近に「宜野湾伊佐」駅を想定しています。

そこから、北上して「北谷美浜」駅に至ります。美浜は、いわゆる「アメリカン・ビレッッジ」のエリアです。北谷町の拠点駅が「北谷美浜」駅になりそうです。

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沖縄市の拠点駅は「胡屋」か

「北谷美浜」駅から東に折れて、再び地下に入り、沖縄市へ向かいます。沖縄市の拠点駅の候補地は市役所にも近い「胡屋」でしょうか。ただ、「北谷美浜」駅から「胡屋」駅まで6km程度あるので、途中に「桑江」駅などが作られるかもしれません。

県道75号線をたどり、次の拠点駅が作られるのは、うるま市役所付近でしょう。これを「うるま具志川駅」とすると、胡屋~うるま具志川間に中間駅が1つか2つ作られそう。交通の要衝である「コザ十字路」駅と、県立中部病院に近い「宮里」駅あたりでしょうか。

「うるま具志川」駅を出てしばらくすると、地下トンネル区間は終わり、地上に出て高架区間となります。次の拠点駅は石川付近が候補です。ここに「うるま石川」駅ができるとして、駅間距離2~3kmなら、手前の東恩納付近にも「うるま東恩納」駅という中間駅ができるかもしれません。

名護駅は市役所の手前

「うるま石川」駅以降は郊外部なので、駅間距離は5~7kmになります。山岳トンネルで西海岸に出て、「2012年度報告書」に書かれている最初の駅候補地が前兼久地区。ここに「恩納前兼久」駅ができそうです。

さらに「恩納谷茶」駅を経て、恩納村役場近くの「恩納」駅へと続きます。「2012年度報告書」では、「恩納前兼久」「恩納谷茶」「恩納」とも拠点駅になっていますが、1市町村に拠点駅が一駅なら、「恩納」駅のみになるでしょう。

また、「2012年度報告書」では、恩納から名護まで駅がありませんが、この間約20kmありますので、途中2駅として、「沖縄県民の森(安冨祖)」「喜瀬」あたりに駅ができるかもしれません。

最後に国道58号の地下にもぐり、終点「名護」駅は、名護市役所の少し手前、城1丁目交差点付近が候補となっているようです。

沖縄縦貫鉄道ルート予想まとめ

沖縄縦貫鉄道のルートと駅位置予想をまとめると、以下のようになります。

那覇-新都心-内間-浦添-宜野湾真志喜-普天間新市街地中央-宜野湾伊佐-北谷美浜-桑江-胡屋-コザ十字路-宮里-うるま具志川-うるま東恩納-うるま石川-恩納前兼久-恩納谷茶-恩納-沖縄県民の森-喜瀬-名護
(太字は拠点駅)

路線総延長は約67km。太字の拠点駅に快速列車が停車すると想定されており、那覇~名護を最速59分で結びます。

念のために書きますが、これは公表されている資料に基づいて、沖縄県に住んでもいない筆者が予想しただけです。沖縄県民の皆さまからすれば、突っ込みどころが多い記事でしょうから、予めお詫びしておきます。

当然のことですが、この通りにルートが設定され、駅ができるとは限りません。くれぐれもご承知おきください。(鎌倉淳)


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