旅行総合研究所タビリスは、日本と世界を旅する人のための観光情報サイトです


私鉄 鉄道

東上線沿線は高い人口増加率、西武線沿線は所沢市などで人口減少に。国勢調査からみた首都圏の大手私鉄[西関東編]

首都圏では東京に近いエリアで人口流入が続いていますが、外縁部では静かに人口が減り始めています。埼玉方面も東京から離れるにつれ、人口減少の傾向がみえてきました。私鉄各社にとっては死活問題です。

国勢調査からみた大手私鉄シリーズ、今回は、JR中央線以北、京浜東北線以西の私鉄沿線の自治体の人口状況を見てみます。つまり、西武各線と東武東上線エリアです。ここでは「西関東編」として扱います。

データは2015年国勢調査の速報値で、人口の増減は、5年前の国勢調査との比較です。東京23区は足立区以外で人口減少は起きていませんので、以下の記述から割愛します。

広告

西武鉄道

西武池袋線の沿線自治体は西東京市、東久留米市、清瀬市、所沢市、入間市、飯能市、日高市、横瀬町、秩父市です。

西武新宿線の沿線自治体は、西東京市、小平市、東村山市、所沢市、狭山市、川越市です。

西武拝島線の沿線自治体は、東大和市、立川市、昭島市で、線路は通っていませんが武蔵村山市も駅勢圏です。

上記の自治体のほか、西武国分寺線・多摩湖線が国分寺市を通り、西武多摩川線が武蔵野市、小金井市、府中市を通っています。

これらの市町のうち、2015年国勢調査で人口減少に転じたのは、所沢市、入間市、飯能市、日高市、横瀬町、秩父市、狭山市、立川市、昭島市、東村山市です。

所沢市は6,049 人減(△1.8%)、入間市は1,434人減(△1.0%)、飯能市は2,814人減(△3.4%)、日高市は952人減(△1.7%)、横瀬町は519人減(△5.7%)、秩父市は3,410人減(△5.1%)、狭山市は3,334人減(△2.1%)、立川市は4280人減(△2.38%)、昭島市は786人減(△0.70%)、東村山市は3427人減(△2.23%)です。

西武2000系

年少者人口34%減

おおざっぱにみて、所沢以遠、立川以遠で人口減少が始まっています。なかでも西武線沿線の中核都市、所沢市で1.8%もの人口減少が起きていることは気がかりです。池袋まで30分程度で出られる通勤圏の都市で、すでに人口が減り始めているわけです。

所沢市は、すでに少子化対策に乗り出しています。「所沢市少子化対策強化事業」の資料をみると、人口のピークは2013年で、以後減少に転じています。年少人口(0~14歳)は1983年にピークを打っており、ピーク時66,113 人が、2013年1月(総人口ピーク時)にすでに43,704 人にまで減っているそうです。34%減です。

つまり、年少者に限れば、2013年時点でピーク時の66%にまで人口減少が進んでいるわけです。これは、将来のさらなる人口減少を予告する数字ですし、鉄道事業者にとっては、今後、それだけ旅客が減ることを意味します。

西武線沿線で人口減少率が5%台なのは横瀬町、秩父市ですが、これらの地域は東京への通勤圏とはいえません。それでも西武線が通じている横瀬町、秩父市は人口減少が緩やかなほうで、秩父鉄道沿線の長瀞町や皆野町は7%台の人口減少となっています。

広告

都内武蔵野エリアでは人口増

西武線沿線で人口が大きく増加している都市としては、東大和市(2.53%)、川越市(2.2%)が挙げられます。また、西東京市、清瀬市、小平市がいずれも1%台の増加率で堅調。東久留米市も横ばい(0.10%)です。

東京都内の武蔵野エリアの西武線沿線のうち、23区に近いエリアでは、おおむね人口増を維持しているといえそうです。

東武東上線・越生線

東武東上線の沿線自治体は、和光市、朝霞市、志木市、富士見市、ふじみ野市、川越市、鶴ヶ島市、坂戸市、東松山市、滑川町、嵐山町、小川町です。東武越生線の沿線自治体は、毛呂山町、越生町です。

これらの市町のうち、2015年国勢調査で人口減少に転じたのは、坂戸市、嵐山町、小川町、毛呂山町、越生町です。

坂戸市は52人減(△0.1%)、嵐山町が541人減(△2.9 %)、小川町が1,720人減(△5.2%)、毛呂山町が1,765人減(△4.5%)、越生町は846人(△6.7%)です。

東武東上線では、和光市が横ばいだったものの、朝霞市、志木市で4%台の人口増、ふじみ野市は5%の大幅増を記録しています。微減となった坂戸市を含め、市部は横ばいまたは人口増を維持しています。

東武東上線

東上線の人口増加率は突出

西関東地区をまとめてみると、東武東上線沿線では、志木市や朝霞市、ふじみ野市で人口が顕著に増加しています。一方、西武線の独占区間は、所沢より南の都市でもおおむね1%台の増加率にとどまっています。東上線と西武池袋線で沿線人口の増減に違いが出ています。

埼玉県内の人口増加率は0.9%。これに対し、東武東上線沿線では4-5%を記録した自治体が並び、埼玉県内で突出しています。なぜ東上線沿線はこれだけ人口が増えているのでしょう? 沿線の方に聞いてみると、2000年代に入ってから急激にマンションが増え、2008年に東京メトロ副都心線との直通運転を開始してから、さらに人気が出た、ということでした。

西武池袋線も東京方面へのアクセスは決して悪くはありませんし、ここから下げ止まることを期待したいところ。いずれにしろ、人口減少時代に向けて、都心部へのアクセス性はさらに重要になりそうです。(鎌倉淳)

広告

広告

-私鉄, 鉄道

  あわせて読みたい