北大阪急行線「新箕面延伸」の詳細まとめ。2020年度開業で梅田まで24分、運賃は470円か

北大阪急行の新箕面延伸について、2020年度開業を目標に建設に着手することが正式に決まりました。大阪府、箕面市、北大阪急行電鉄、阪急電鉄の4者が、開業目標や整備費の負担などについて合意したものです。ここで、北大阪急行線延伸計画についてまとめてみましょう。

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新箕面~梅田が24分に

北大阪急行線は江坂~千里中央間5.9km間を結ぶ鉄道路線で、ほぼ全列車が大阪市営地下鉄御堂筋線に直通しています。

今回の延伸事業は、現在の終点千里中央駅からさらに北へ約2.5km延伸させ、箕面船場駅(仮称)と新箕面駅(仮称)の2駅を新設する計画です。箕面市と北大阪急行電鉄が整備主体となり工事を行い、2020年度の開業をめざします。

延伸区間のうち、千里中央~箕面船場は地下路線で、新船場北橋を越えたCOM1号館付近で地上に出て、終点の新箕面までは高架線となります。開業後は、新箕面~梅田間が24分で結ばれます。

北大阪急行延伸「北大阪急行線延伸事業ディスクロージャー2016」より

新箕面駅はイオン南側に

終着駅となる新箕面駅は、新御堂筋と国道171号線の交差点を越えたあたり、箕面市西宿1丁目のイオン箕面店南側に設置されます。新箕面駅は地上2階建てで、2階が島式のプラットホームになります。北口、南口が設けられ、北口はかやのさんぺい橋から伸びるウッドデッキに接続します。

新箕面の駅前には、新たにバス乗り場やタクシー乗り場、駐輪場が整備されます。バス乗り場の上空を立体利用して「子育て」を核とした新しい施設を作る予定もあります。

延伸開業後は、新箕面駅を拠点にして、バス路線のルートが再編されます。具体的な再編の内容は、今後社会実験などを経て決定される予定です。

北大阪急行新箕面駅「北大阪急行線延伸事業ディスクロージャー2016」より

新箕面駅「北大阪急行線延伸事業ディスクロージャー2016」より

新箕面駅「北大阪急行線延伸事業ディスクロージャー2016」より

箕面船場駅は地下3階に

途中駅の箕面船場駅は、箕面市船場東3丁目の箕面船場センタービル付近に建設されます。地下駅で、地下3階が島式プラットホームになります。駅出入口は北と南に設置され、北口はCOM2号館に接続し新船場北橋に面します。南口は新御堂筋(国道423号線)の東側に設置され、新御堂筋をまたぐ歩行者デッキが設置されます。

箕面船場駅付近は、箕面市で唯一高いビルを建てられるエリアです。新駅東側の土地区画整理事業地には、大阪大学箕面キャンパスの移転計画があるほか、駅前に市民ホールの移転も計画されています。保健医療・スポーツなどの健康機能と、公共ホールなどの文化機能を備えた複合施設構想もあります。

箕面船場駅「北大阪急行線延伸事業ディスクロージャー2016」より

1日4万2,000人が利用

北大阪急行線の延伸区間は、1日に約42,000人が乗降すると予測されています。新箕面駅の利用者が約14,000人、箕面船場駅の利用者が約7,000人です(乗降人数は駅利用者×2=往復分で算出)。

建設費は総額600億円で、このうち北大阪急行が80億円(受益範囲)で負担します。残る520億円の半額(260億円)を国が負担し、大阪市が総額の6分の1(100億円)を上限として負担し、残り160億円を箕面市が負担します。このほか車両比が50億円見込まれており、国と箕面市が25億円ずつ負担します。

箕面市は185億円を負担することになり、地方自治体としては高額負担です。ただ、箕面市は、これまで北急延伸基金として建設費を積み立てており、この基金と競艇事業からの収益金のみで建設費をまかなうとしています。

新箕面~梅田は470円か

運賃については未定ですが、60円から70円の加算運賃が設定される見込みです。加算運賃が70円の場合、新箕面~江坂が230円、新箕面~梅田が470円と試算されています。

北大阪急行延伸運賃表「北大阪急行線延伸事業ディスクロージャー2016」より

現在の北大阪急行の運賃は、初乗り90円、全区間乗車しても120円と、全国屈指の安さで知られていますが、延伸区間ではこの安さを持続するわけにはいかないようです。千里中央~梅田は現在360円ですから、2駅増えるだけで110円高くなるのは、利用者には厳しいかもしれません。

ちなみに、阪急では箕面~梅田間の運賃が270円、所要時間は25分~30分程度です。途中で乗り換えの手間はありますが、時間的には互角、金額的には4割程度も安いことになります。このため、阪急利用者が北大阪急行に大きく移転することはなさそうです。(鎌倉淳)

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