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航空会社の「旅客収入」ランキング2013年版。飛行機で「客単価」が高い意外なエアラインは?

2013年度の航空会社別「旅客収入」の統計がまとまりました。国土交通省の「特定本邦航空運送事業者に関する航空輸送サービスに係る情報」で公表されています。

この統計では、「旅客収入」「輸送人員あたりの旅客収入」「輸送人キロあたりの旅客収入」が公表されています。ここでは、それらの2013年度(2013年4月~2014年3月)の数字をランキングにまとめて、順にみていきます。なお、統計上の「バニラ」は、旧エアアジア・ジャパンとそれを継承したバニラエアの通算数字です。また、「日本航空」は、日本航空、ジェイエア、ジャルエクスプレスの合計、「全日空」は、全日本空輸、ANAウイングスの合計です。

この統計では、客席数が100または最大離陸重量が5万kgを超える航空機を使用する航空会社のみが対象ですので、小型機使用のフジドリームエアラインズやアイベックスなどは対象外です。

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旅客収入ランキングは全日空の圧勝

まずは、旅客収入ランキングを見てみましょう。

旅客収入ランキング

  1. 全日空 6638億円
  2. 日本航空 4196億円
  3. スカイマーク 848億円
  4. 日本トランスオーシャン 330億円
  5. エアドゥ 298億円
  6. スターフライヤー 240億円
  7. ソラシドエア 222億円
  8. ジェットスター 176億円
  9. ピーチ 171億円
  10. バニラ 25億円

 計 1兆3192億円

旅客収入では、全日空が6600億円と圧倒的な首位に立ちます。全日空と日本航空の差は3割以上もあり、国内線においては全日空の強さが目立ちます。

とはいえ、日本航空の収入4100億円も大きく、全体を見渡すと、全日空と日本航空の「大手航空会社」は別格といえます。続くスカイマークは800億円台で、「中堅航空会社」の中では別格です。同じ「中堅航空会社」のエアドゥ、スターフライヤー、ソラシドエアは200~300億円で、大手の足元にも及びません。この数字を見ると、スカイマークは「中堅」を脱して「準大手」とでも言うべき立ち位置にいることがわかります。

日本トランスオーシャンも数字上は中堅に位置しますが、実際は日本航空が70%の株を持つグループの一員ですから、大手の一角といえます。日本航空と全日空の差は大きいですが、日本トランスオーシャンの数字を日本航空に加えると、その差は少し縮まります。

「LCC」では、ジェットスターとピーチがほぼ互角で170億円台まで伸ばしてきました。バニラは今のところ出遅れています。

2013年度旅客収入では、日本航空、全日空の大手2社は前年と大きな変化はありません。大きく伸びたのはスターフライヤーで、羽田発着枠の重点配分を受けて、対前年比35%増を達成、ソラシドエアを抜いて6位に浮上しました。ソラシドエアのすぐ後にはジェットスター、ピーチが続いていて、中堅航空会社とLCCの差は大きくありません。機長や整備士の育成でうまくいけば、LCCが中堅3社を捉える日はそう遠くないでしょう。

JAL,ANA

客単価ではエアドゥが高い

次に、輸送人員あたりの平均旅客収入を見てみます。いわゆる「一人あたりの客単価」です。左には、平均搭乗距離を〔 〕で示します。コードシェアを実施している場合は、自社販売分の数字です。

輸送人員あたり旅客収入ランキング

  1. 日本航空 15,900円 〔934km〕
  2. エアドゥ 15,400円 〔926km〕
  3. 全日空 15,200円 〔870km〕
  4. スターフライヤー 15,200円 〔952km〕
  5. ソラシドエア 14,300円 〔1,057km〕
  6. スカイマーク 12,600円 〔1,037km〕
  7. 日本トランスオーシャン 12,200円 〔928km〕
  8. ピーチ 8,000円 〔930m〕
  9. バニラエア 7,600円 〔1214km〕
  10. ジェットスター 7,200円 〔1038km〕

 平均 14、600円

客単価では、エアドゥが2位と意外に高いことがわかります。首位は日本航空で、全日空は3位です。ただ、平均搭乗距離では全日空が短いので、実質的に大きな差はないとみられます。というより、大手2社、中堅3社の客単価は大差ありません。スカイマークと日本トランスオーシャンの客単価がやや低くなっています。

LCC3社はいずれも客単価1万円以下で、とくにジェットスターが安売りをしていることが見て取れます。

「普通運賃」を支払う人はやっぱり少ない

では、客単価に平均搭乗距離を勘案した単価をみてみましょう。「輸送人キロあたり旅客収入」という数字でわかります。簡単にいえば、1kmあたりの客単価で、航空業界では「イールド」といいます。

輸送人キロあたり旅客収入ランキング

  1. 全日空 17.5円
  2. 日本航空 17.1円
  3. エアドゥ 16.6円
  4. スターフライヤー 16.0円
  5. ソラシドエア 13.5円
  6. 日本トランスオーシャン 13.2円
  7. スカイマーク 12.2円
  8. ピーチ 8.6円
  9. ジェットスター 7.0円
  10. バニラ 6.3円

 平均 16.0円

この数字の見方ですが、たとえばイールドの数字が「17」の航空会社では、1000kmあたりで平均17,000円の収入があることになります。ちなみに、羽田~福岡間が約1000km(1,041km)ですから、全日空や日本航空では、同区間の平均客単価が17,000円程度であろう、と推測できます(もちろん、実際は路線によって異なります)。これを見ると、大手航空会社の「普通運賃」がとても高く、そんな値段で乗っている人が少ないであろうことが推測できるでしょう。ちなみに、東京~福岡の普通運賃は37,700円です。

さて、イールドでは、全日空が日本航空を抜いて首位になります。ただ、その差は小さく、エアドゥ、スターフライヤーも近くなっていて、この4社で「第1グループ」を形成しています。ソラシドエア、日本トランスオーシャン、スカイマークが「第2グループ」となり、LCC3社が「第3グループ」となっています。

利用者の視点で見ると、やっぱり「日本航空や全日空は高い」ということになりますし、「エアドゥやスタフラも大手と価格な差は小さい」という結論になります。ソラシドとスカイマークは低価格で競っていて、日本トランスオーシャンも頑張っている、となります。

一方、経営の視点から見ると、イールドの数字が低くても、搭乗率が高かったり、運航コストが安ければ問題はないので、この数字が低いから悪いとは限りません。スカイマークは全日空より30%も数字が低いですが、だからスカイマークの経営が苦しい、とは限りません。全日空とスカイマークではビジネスモデルが異なるからです。

ただ、ビジネスモデルが同じような会社では、この数字の差異は意味を持ってくるでしょう。たとえば、ピーチとジェットスターの差は1.6円しかありませんが、割合では19%も差があります。ピーチとバニラに至っては、27%も異なります。ピーチ、ジェットスター、バニラのビジネスモデルは似ていますから、現時点ではジェットスターはやや苦しく、バニラはかなり苦しい、と推測できます。

航空統計要覧〈2013年版〉

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