燃油サーチャージが値下がり。JALの欧米往復、7万円台に

当面の底?

航空会社の燃油特別付加運賃(燃油サーチャージ)が値下がりします。当面の底となる可能性もあり、国際線チケットの購入にはチャンスかもしれません。

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基準価格が17,000円台に

国際線旅客が航空券購入時に支払う燃油特別付加運賃(燃油サーチャージ)について、JALは2023年4~5月発券分で、価格を引き下げることを発表しました。

燃油サーチャージは、燃油市況価格の直近2か月間の平均に基づき算定されます。

JALによりますと、4-5月発券分の基準となるシンガポールケロシンは、直近2ヶ月の市況価格が112.95米ドルでした。また、同期間の為替平均は1ドル132.74円でした。これを乗じた1バレルあたりの金額は14,992円となりました。

12-1月発券分は、市況価格122.19ドル、為替144.73円、基準価格17,683円でしたので、燃油価格の値上がりを円高が打ち消し、トータルで15%値下がりしたことになります。

JALエアバスA350
画像:JAL
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JALの新サーチャージ金額

これにより、JALでは4月1日発券分から燃油サーチャージの価格を引き下げます。ひとり1区間片道あたりの燃油サーチャージは、日本から北米・欧州・オセアニアなどが36,800円に、ハワイ・インドなどが23,600円に、タイ・シンガポールなどが19,600円になります。

これは片道の金額なので、往復で北米・欧州・オセアニアなどが73,600円に、インド・ハワイなどが47,200円に、タイ・シンガポールなどが39,200円となります。

このサーチャージ金額は、2022年6-7月発券分と同額です。8ヶ月ぶりにアメリカやヨーロッパへのサーチャージ往復金額が7万円台となり、タイへの往復は2万円を下回ります。

過去1年の燃油サーチャージの変化は下表の通りです。

2022-23年のJALの燃油サーチャージ(円)
路線 4-5月 6-7月 8-9月 10 -11月 12-3月 4-5月 増加率
北米・欧州・中東・オセアニア 20,200 36,800 47,000 57,200 47,000 36,800 182%
ハワイ・インドネシア・インド・スリランカ 12,700 23,600 30,500 37,400 30,500 23,600 186%
タイ・マレーシア・シンガポール・ブルネイ 9,800 19,600 24,700 29,800 24,700 19,600 200%
グアム・パラオ・フィリピン・ベトナム・モンゴル 5,800 12,700 17,800 22,900 17,800 12,700 219%
東アジア(韓国、モンゴルを除く) 5,200 9,900 11,400 12,900 11,400 9,900 190%
韓国 1,800 4,100 5,900 7,700 5,900 4,100 228%

※片道あたり、発券日基準。増加率は対2022年4-5月比。

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適用価格表の上限に

今回の燃油サーチャージ額は、JALが公表している適用価格表の「ゾーンI」に該当します。前回の「L」より3ランク下にあたります。最高値だった2022年10-11月の「O」に比べると6ランク下になりました。

JALの北米・欧州向け適用条件表
ゾーン 基準価格 サーチャージ額
A 6,000円~7,000円 4,500円
B 7,000円~8,000円 8,900円
C 8,000円~9,000円 13,400円
D 9,000円~10,000円 17,800円
E 10,000円~11,000円 20,200円
F 11,000円~12,000円 24,200円
G 12,000円~13,000円 28,800円
H 13,000円~14,000円 33,400円
I 14,000円~15,000円 36,800円
J 15,000円~16,000円 40,200円
K 16,000円~17,000円 43,600円
L 17,000円~18,000円 47,000円
M 18,000円~19,000円 50,400円
N 19,000円~20,000円 53,800円
O 20,000円~21,000円 57,200円

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