札沼北線が「さよなら乗車」で収益1.3倍に。といっても400万円の増収ですが

輸送密度は13%改善

札沼線の北海道医療大学~新十津川間の収益が、前年度比1.3倍になっています。廃線を前にした「さよなら乗車」特需のおかげのようですが、増収効果は400万円と、金額的には大きくはありません。

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全線で赤字改善

JR北海道は、2019年度第3四半期の線区別収支と利用状況を発表しました。2019年4月~12月の数字です。

線区別収支では、全路線の営業損益が365億円の赤字だったものの、2019年10月の運賃値上げなどの効果で、赤字額は前年同期比で25億円改善しました。

札沼線石狩月形

損失改善は200万円

2020年5月6日限りでの廃止が決定している札沼線北海道医療大学~新十津川間に関しては、営業収益(営業収入)が前年度の1,200万円から1,600万円と、400万円増加。増加率としては1.3倍の大幅増です。

営業費用は前年度の2億1,000万円から2億1,300万円に増加しました。営業損失は200万円(端数処理は四捨五入)の改善にとどまり、1億9,700万円の赤字です。損益でみると改善率は1%で、「焼け石に水」に過ぎません。営業係数は1,311です。

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輸送密度は13%増

輸送密度は前年度の「63」が「71」となって13%増。「さよなら乗車」の効果で利用者は増えているものの、絶対的な数字の低さにかわりはありません。

「さよなら乗車特需」の効果が年間を通じてどのくらい生じるかにも興味があるところですが、第4四半期は、新型コロナウイルスの影響で、3月に入り北海道の鉄道利用者は激減しています。

「一斉休校」で、最後の長期休暇が早めに訪れたものの、旅行に出る人は少なそうです。ゴールデンウィークの廃線直前は超満員になりそうですが、「さよなら乗車」の経済的な効果は、それほど大きくはならなさそうです。

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