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メキシコで「マヤ鉄道」建設へ。国民調査で賛成多数

新大統領の公約

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メキシコのユカタン半島を横断する「マヤ鉄道」の建設の可能性が高まってきました。実現すれば、カンクンを拠点に、ユカタン半島に点在するマヤ遺跡を結ぶ観光路線が誕生しそうです。

新大統領の選挙公約

メキシコでは2018年7月に大統領選挙がおこなわれ、新興左派政党出身のロペスオブラドール氏が当選しました。「メキシコ第一主義」を掲げたポピュリズム的思想の政権で、ユカタン半島での鉄道敷設を公約の一つとしていました。

12月の就任を前に、次期大統領は「意識調査」を実施。92万人が参加し、「Tren Maya」(トレン・マヤ=マヤ鉄道)と呼ばれる鉄道の敷設に対しては88.99%が賛成しました。

意見調査は法的根拠がなく、調査を担当したのも次期政権が指名した民間団体という「お手盛り」ですが、事業推進の根拠にされるとみられ、マヤ鉄道建設の可能性は高まったと言えるでしょう。

チチェンイツア

東西両海岸に2路線

建設が計画されている鉄道路線は、ユカタン半島の中心都市カンクンを起点に、トゥルム、バカラル、エスカルセガを経てパレンケに至る東海岸の路線と、メリダ、カンペチェを経て同じくエスカルセガを経てパレンケに至る西海岸の路線です。

トレン・マヤ
画像:NOVEDADESより

当初の公約では東海岸部分の833kmの建設計画だけでしたが、その後、西海岸の路線も加わり、総延長1,525kmに及ぶ一大鉄道構想になりました。パレンケからバヤドリッドまでは、既存の在来線を改修します。カンクンでは空港に乗り入れる計画のようです。

ユカタン半島にはマヤ遺跡が数多く存在しますが、鉄道が実現すれば、チチェン・イッツァやウシュマル、コバ、トゥルム、パレンケといった主要遺跡を結ぶ路線となります。カンクンとメリダなどを結ぶ都市間輸送も担います。

鉄道の詳細は不明ですが、現地報道を総合すると、新線は旅客と貨物を輸送し、最高速度は時速140~150kmの普通鉄道のようです。建設費の総額は1,200億~1,500億ペソ(約6,600億円~8,300億円)、建設期間は4年と見積もられています。

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メキシコ観光のハイライト

ユカタン半島のマヤ遺跡めぐりは、メキシコ観光のハイライトです。現在はバスで周遊するのが一般的ですが、主要遺跡を結ぶ鉄道路線ができれば、旅のバリエーションが増え、旅行者から見れば楽しみです。

カンクン空港からメリダやパレンケまで鉄道で直結されれば、空港からこれらの都市へのアクセスも改善されそうです。

とはいえ、メキシコは公共交通機関として長距離バス網がそれなりに充実していて不便はありませんから、鉄道ができたとしても、個人旅行者の利便性は大きく変わらないかもしれません。

数千億円という建設費、4年という建設期間の短さからして、本当に計画通り実現するのか、という気もします。(鎌倉淳)


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