戦国時代が福井によみがえる!「一乗谷朝倉氏遺跡博物館」2022年10月オープン

日本唯一の中世都市遺跡

福井県に「一乗谷朝倉氏遺跡博物館」が2022年10月にオープンします。戦国時代がよみがえるかのような展示は魅力的。その概要をみてみましょう。

広告

日本唯一の中世都市遺跡

福井県の一乗谷は、戦国大名・朝倉氏の本拠地です。その都市の遺構は今も残り、戦国時代の城下町がそのまま残る日本唯一の中世都市遺跡として知られています。

1971年に国の特別史跡に指定されました。1991年に遺跡内の主要な4庭園が特別名勝に、2007年に2,343点の遺物が重要文化財に指定されるなど、発掘と保存が進められています。

福井県は、北陸新幹線の開業にあわせて、遺跡の保護と誘客拡大を目指し、拠点となる「一乗谷朝倉氏遺跡博物館」(新博物館)の整備を決定。既存の資料館と一体化し、2022年10月に開館することが決まりました。

一乗谷朝倉氏遺跡博物館
画像:福井県
広告

戦国期の大名屋敷を再現

新博物館は、特別史跡の遺跡近くに整備。鉄筋コンクリート造2階建てで、延床面積は約5,200平米です。新館「展示・ガイダンス棟」と分館 「調査・研究、収蔵棟」 (現資料館を改修)の2棟構成です。

新博物館の目玉は、5代当主朝倉義景の居館の一部を原寸再現した「朝倉館」。中世戦国期の大名屋敷の再現例は全国でも稀少で、朝倉義景と同じ視点で観賞したり、行事を体験できるように工夫されています。

一乗谷朝倉氏遺跡博物館
画像:福井県

朝倉氏のお抱え絵師であった曽我派によって描かれた大徳寺真珠庵蔵「四季花鳥図」も復元模写。500年前以上の絵画を、朝倉館原寸再現の障壁画として展示しています。

一乗谷朝倉氏遺跡博物館
画像:福井県
広告

巨大ジオラマも

こちらは、舟が行き来した川湊「一乗の入江」の船着場または道路と考えられる石敷遺構。発掘した遺構を保存して、見やすく展示しています。

一乗谷朝倉氏遺跡博物館
画像:福井県

遺跡の一部を1/30スケールで再現した巨大ジオラマもあります。発掘調査や歴史考証により、武家屋敷や寺院、町屋などを、人形レベルで再現しています。

一乗谷朝倉氏遺跡博物館
画像:福井県

一乗谷朝倉氏遺跡博物館
画像:福井県

広告

基本展示も充実

基本展示室では多数の出土品を展示し、当時のくらしや文化などを紹介します。室町幕府や周辺大名との関係、領国支配の特徴など、朝倉氏の歴史についても解説します。

一乗谷朝倉氏遺跡博物館
画像:福井県

日本には古い歴史的建造物が多数残されていますが、失われた都市の遺構を見られる場所は、ほとんどありません。その意味で、戦国時代の街並みを再現した一乗谷遺跡は貴重です。戦国時代ファンには楽しみな博物館となりそうです。(鎌倉淳)

広告
前の記事JAL、ANAの燃油サーチャージがさらなる高値圏に。往復13万円も視野
次の記事ローカル私鉄、車両の老朽化進む。車齢31年以上が過半数に